【展望】16年2nd第3節仙台戦
(仙台の現状)
・勝ち点23(7勝2分10敗)で年間12位。リーグ戦序盤は故障者が多発したこともあって低迷しましたが、第13~16節に4連勝を遂げて残留争いからいったん脱出。しかし、その後3試合連続3失点で3連敗と成績は安定しません。
・直近の3試合連続3失点で3連敗が祟ってか、今年の仙台はとにかく「たいして点は取れないが失点はやたら多い」状態に陥っており、降格圏3チーム以外ではリーグ戦の失点は最多(31)。得失点差は残留争いに巻き込まれている湘南(△11))と大差がなく(△10)、勝つ時は僅差、負ければ大敗という姿が浮かび上がってきます。
(戦力)
・アトレチコ・ミネイロ(ブラジル)よりパブロ選手を期限付き移籍で獲得。1992年生まれの若い選手でドリブラーのようですが、来日してまもないのでどこで出てくるのか皆目わからず。
・正GKどころか控えGKまで故障した前回対戦時ほど酷くはありませんが、相変わらず主力に故障者が散見され、野沢・金園が離脱中。一時戦線に復帰した金久保も再びベンチ外になっており、前目のタレント不足という印象は否めず。前節G大阪戦ではJ1でほとんど実績がない高卒5年目の藤村を2トップの一角に起用する非常事態。
・前目がコロコロ入れ替わる反面、両ボランチ&最終ラインの顔触れは安定。それでも失点がやたら多いのは不思議。
・傍目に非常に不思議なのはウイルソンの出番が激減していること。今年は故障がちでコンディションが良くないのかもしれませんが。
・ちょっと前までは主力が高齢者だらけで、それゆえ夏場に弱い印象がありましたが、渡邉監督就任後は段階的に若手への切り替えが進められ、今や主力で高齢といえるのはリャンと故障中の野沢くらい。故障から戻ってきた菅井も出番は少なくなりました。
(戦術)
・フォーメーションは4-4-2でほぼ一貫。守備は高い位置から積極的にプレッシャーをかけてきます。
・仙台と言えばリャンのFKないしCKからの一発というイメージが強いのですが、流れの中からはサイドからのクロス攻撃に頼りがち。もはやカウンター一本槍、ロングボール一本槍ではなく、それなりにポゼッションを重視する形に変わってきつつありますが、パスを繋いでボールを前に運んだところで特に何かが起こるわけではありません。
・肝心のハモンロペスがサイドに流れがちなので、そこからのクロスにFWの相方に加えて逆サイドからSHが突っ込んで来ないとなかなか点にならないかと。むしろ崩しきっていないのにハモンロペスなり三田なりが破れかぶれで放って来るミドルシュートのほうが面倒。
・渡邉監督の不思議なのはなぜか浦和戦に限って特殊なことをやり、それが往々にして裏目に出て大敗を喫すること。昨年埼スタでの対戦で突如3-4-2-1を採用し、今年埼スタでの対戦では4-5-1でドン引き。共に攻撃が絶望的で高い位置でボールが奪えない上に、前に残っている人数が少ないのでカウンター攻撃もままならないという副作用が強く、とうとう耐えきれずに守備が大決壊という憂き目に。
・もっとも激しい撃ち合いにになった昨年のアウェーゲームでは普段の4-4-2だったので、今回特段変わったことはやらないかもしれません。ノーマルな形で来るなら柏戦と似た感じになるでしょう。しかし、3試合連続3失点&前目のタレント不足という現状を受けて、またしても極端な守備重視に打って出る(そして裏目に出る)可能性は少なくありません。
(浦和の対応)
・梅雨の最中に柏戦から中3日、続く大宮戦もまた中3日という連戦。しかし、6月に中2日、中3日の5連戦をこなしたばかり。またそれ以前にもACL絡みで海外への長距離移動を伴う中3日の連戦を何度も経験していますからもはやこの程度の連戦は慣れっこ。大宮から新幹線で1時間ちょっとで着いてしまう仙台なんて移動のうちに入らないでしょうし(異国鹿島より間違いなく近い!)、しかも今回は仙台も全く同条件。
・6月の5連戦では大胆なターンオーバーとか奇策=ボランチ駒井とか、あるとあらゆる負け方を模索したミシャもこの程度の3連戦なら鉄板スタメンで臨むのでしょう。あえて代えるならどちらかのWBを梅崎に代えるくらい。
・また槙野が出場停止から戻ってくるので、おそらく那須が再びベンチに。セットプレー一発の魅力は捨てがたいものの、福岡戦・柏戦と立て続けに簡単に裏を取られてしまい、露骨にカウンターを狙ってくる仙台相手には使いづらいかと。ドン引き相手に終盤セットプレー狙いで那須を投入するような采配の妙がミシャにあればいいのですが。意外にも今年の仙台はセットプレーからの失点が非常に多いみたいですし。
・気になるのはレギュラー陣のコンディションが十分に回復しないせいか、福岡戦も柏戦も序盤は運動量なり出足なりで完敗を喫していること。仙台も相変わらず運動量が多いチームなので、浦和がふわっと試合に入って先制点でも取られようものならまたしても昨年のアウェーゲーム同様の撃ち合いになってしまう気がします。
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<前節:G大阪 3-1 仙台>
---藤村--ハモンロペス--
梁---------奥埜
---三田--富田---
石川直-渡部-平岡-大岩
------関-----
得点:54分 ハモンロペス
76分 大岩→菅井
80分 藤村→ウイルソン
84分 三田→佐々木
<前回:浦和 3-1 仙台>
-----ハモンロペス----
野沢---キムミンテ---奥埜
---三田--富田---
石川直-渡部-平岡-大岩
-----石川慧----
得点:54分 三田
66分 野沢→藤村
80分 キムミンテ→西村
85分 大岩→蜂須賀
・長期離脱中のリャン、金久保、六反、関に加え、なんと前節スタメンで出ていたウイルソン、金園、水野まで不在。前目がごっそりいないので4-5-1は窮余の一策だったのかもしれませんが、慣れない面子で慣れないことをやるのは愚策過ぎたかと。
・致命的だったのが浦和の最終ラインどころか、往々にして柏木にすらプレッシャーをかけず、自由に配球させてしまったこと。さらにSBへのSHの支援が緩慢で4バックのサイドのスペースをいいように使われてしまったこと。この2点から仙台守備陣が90分耐えきるのは無理だと思いました。
・一方攻め手といえば縦ポンでハモンロペスを走らせるだけ。こんな攻撃では最後尾に控える阿部と遠藤、さらに果敢に前に飛び出してくる西川を崩せるはずもなく、三田のファインゴールが決まったのは奇跡に近いかと。
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