【展望】16年2nd第4節大宮戦
(大宮の現状)
・勝ち点31(8勝7分5敗)で年間7位。一時4位をキープしていましたが、第14節以降わずか1勝に留まっているのが響いてじりじりと順位を落としています。
・スタッツ上の大宮の特徴は「守備が堅い反面、極端に得点力が低い」こと。リーグ戦総失点(19)は浦和(17)と大差がない反面、総得点(19)はトップハーフでは最悪。守備が堅いので大崩れはしないものの、点が取れないのでやたら引き分けが多い傾向が見て取れます。
(戦力)
・残留争いに巻き込まれる恐れが全くないせいか、ここまで補強の動きは全く見られず。
・主力に怪我人が多く、その中でも最も痛手と目されるのは家長の離脱。家長は攻撃面で全権を握っているといいくらいの存在なので、家長抜きでどうやって攻撃を成り立たせているのか不思議。もっとも勝てなくなったのが家長離脱前からなので、実際問題としてはムルジャの離脱のほうが痛かったのかもしれません。ムルジャは前節G大阪戦から戦線復帰。
・他に左SB和田が故障し、沼田ないし大屋が穴埋め中。沼田は明らかに守備に難がある一方、かなりアグレッシブなので泉澤とのコンビネーションプレーによる左サイド攻撃は脅威。
・さらにCB菊地が前節G大阪戦で故障したので、最終ラインに不安を抱えた状態でさいたまダービーに臨む格好。
・MF金澤も故障した模様で前節ベンチ外。
(戦術)
・フォーメーションは一貫して4-4-2。前回対戦ではムルジャをスタメンから外し、積極的に前からプレッシャーをかけることで浦和のビルドアップを制約するだけではなく、途中から右SH横谷の位置を下げて宇賀神を監視することで浦和の攻撃を手詰まり状態に追い込むことに成功しました。それどころかカウンターのチャンスもいくつも作り、家長のポスト直撃のシュートが決まっていたらそのまま大宮が勝っていたかもしれません。
・ムルジャも故障から復帰したばかりなので今回もベンチスタートで、同じような戦術で臨んでくる可能性が高いと思います。
・家長不在で、ただでさえ攻撃のバリエーションが乏しい中でどうやって点を取るのかが見もの。セットプレーはともかく、流れの中からは泉澤のサイド突破&クロスに賭けるしかないような気がしますが。前節G大阪戦を見ると相手のミスから絶好機を得ても前目のタレント不足が響いてかシュート精度が低く、またサイドから鋭いクロスを入れても連携不足で誰にも合わないとか、点が入らないのはそれなりの理由があるかと。
・なお鉄板スタメンを繰り返す浦和と違って、渋谷監督は前節G大阪戦でターンオーバーを敢行し、FW江坂やMF岩上を温存。前回対戦同様、さいたまダービーは外国人抜きでスタメンを組む布石のように思えてなりませんが。
(浦和の対応)
・5連勝とはいえ内容は決して褒められたものではありません。芳しくない内容でも勝ち点3を拾えているのを「勝負強い」と積極的に評価すべきなのかもしれませんが、運動量で相手を凌駕するどころか逆に気圧されてしまう試合もあり、「負ける気がしねぇ」という意味での強さは微塵も感じられず、この連勝に持続性があるとはとても思えず。
・相手ペースで試合が進み、流れの中から点が入りそうにないところ、たまたま遠藤の故障で出番が回ってきた那須に助けられたり、阿部FKが決まったりと「偶然」とは言わないまでもミシャが狙いとしないところから点が入って勝ち点3をゲット。この結果を受け、ミシャが割り切って終盤セットプレー頼みでしんどい局面の打開を図る風に転じると思いきや、やはりミシャにはそんな考えはさらさらないようで、前節仙台戦は那須の出番なし。
・おそらくミシャはさいたまダービーも鉄板スタメンで臨むのでしょうが、仙台戦の出来から中3日の試合では多くを期待できません。お疲れの両WBが劣勢に立たされ、大宮のストロングポイント=サイド攻撃を幾度も喰らう展開になると大苦戦は免れません。
・前売りが絶好調で久しぶりに5万人の観客が見込まれそうですが、大観衆の前で大失態を犯すことのないよう願うばかりです。この試合を最後に興梠と遠藤がリオ五輪に向けて4~5試合離脱するので、両者にとって最高の餞になると良いのですが。
------------------------------------------------------------------
<前節:大宮 0-0 G大阪>
---清水--ペチュニク--
泉澤--------マテウス
---横山--横谷---
沼田-河本--菊地-奥井
-----加藤-----
69分 泉澤→ムルジャ(清水が左SHへ)
79分 マテウス→岩上
81分 菊地→山越(故障による交代)
<前回:大宮 0-1 浦和>
---家長--江坂---
泉澤--------横谷
---金澤--岩上---
和田-河本--菊地-奥井
-----加藤-----
62分 泉澤→ムルジャ
73分 江坂→ペチュニク
80分 横谷→マテウス
| 固定リンク