« ばんどう太郎 春日部店@北春日部 | トップページ | Φve ふぁいぶ@松原団地 »

2016.07.15

【観戦記】16年2nd第3節:仙台 0-1 浦和 ~ 終わり良ければ全て良し、なのか???

・終盤カウンター合戦になりながら共に詰めの段階で精度を欠いて得点の気配はなく、スコアレスドロー濃厚だった試合をタイムアップ直前の一撃でモノにする。試合を通じて全くと言っていいほどチャンスがなくても、試合を決定づける1点が取れる、まさに「エース」と呼ばれるに相応しい大仕事を興梠はやってのけました。

・興梠は終始仙台CBの厳しいマークを受けてポストプレーをこなすのが精一杯(しかもファウルを取られるケースが多々)でシュートどころか決定機にすらほとんど絡めず。よって90分間ノーチャンスでも不思議はなかったのですが、最後の最後で柏木のスルーパスで仙台最終ラインの裏を取ってゴール。しかも前に出て来たGKを浮き玉で交わして角度のないところから流し込むという難度の高いゴール。

・イージーな状況より難しい状況のほうが決まるという興梠らしいゴールといってしまえばそれまでですが、ATも半ば以上過ぎた時間帯に難しいゴールを決められる体力&気力がよくぞ興梠に残っていたもの。まさに天晴れ。「ユアスタでは90分で勝ったことがない」という謎のジンクスもこれで雲消霧散。試合終了直後の気分は梅雨寒にも関わらず爽快そのもの!!!

003

・ただ時が経つにつれ、試合内容の拙さが心にずっしりと重くのしかかってきました。とにかく浦和はパスミスないし意図のズレが目立ち、不用意なボールロストも少なくありませんでした。運動量こそ仙台に見劣りする印象は受けませんでしたが、やはり中3日で出場停止明けの槙野以外はお馴染みのスタメンで臨んだこと自体に無理があったのでしょう。

・福岡戦&柏戦とも序盤は相手に運動量で圧倒され、5連戦明け後もコンディションが十分に回復していないことを露呈してしまった浦和。そして中3日での試合となるとお疲れゆえどうしても肝心なところで精度が落ちてしまうのでしょう。

・鹿島戦の惨敗を受けて

ミシャはKLMのコンビネーションの良さを評価してスタメンを固定しているのでしょうが、肝心のコンビネーションがこの有り様ではスタメンを固定する意義なんて完全に失われています。浦和はレギュラー陣がそろって好調ならとんでもない破壊力を見せるけれども、不調に陥った時の反動もまた凄まじい。

と評しましたが、この試合の感想もほぼ同様。控え選手(特につぶしが効く梅崎)を上手く使えないミシャの学習能力のなさ、いや学習意欲のなさには呆れるを通り越して虚しさを覚えます。それゆえカウンターが鋭かったかつての仙台相手なら間違いなく負けていた試合だったと思います。

004

・ところが、仙台の出来もこれまた酷かった。高い位置からプレッシャーをかけてカウンター&サイド攻撃という狙い通りにゲームは進んでおり、そこまでは悪くないのですが、カウンターの過程で往々にしてパスがずれて浦和の帰陣を許し、慌ててサイドから放り込むもののクロスは著しく精度を欠き、おまけにフィニッシャー不在。浦和は淡々とクロスを跳ね返すか西川が処理すれば良いだけの話で、結局仙台のシュートはたった5本で枠内ゼロ。

・仙台は3試合連続3失点だったためか、この試合をポジティブに評価している向きもあるようですが、失点が1で済んだのはひとえに浦和の出来の悪さゆえでしょう。むしろ試合は仙台の狙い通りに進んだにもかかわらず、ほとんど点が取れる気配がなかったことを深刻にとらえるべきかと。

・よって、残念ながらこの試合は共にミスが多い低レベルの試合だったと思います。劇的な幕切れがそれを全て覆い隠してしまうのでしょうが。

007

-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:90+3分 興梠

70分 関根→駒井
72分 武藤→青木(柏木がシャドーへ)
85分 李→梅崎

・最終ラインを高く設定し、高い位置からプレッシャーをかけてくる仙台に対し、前半の浦和は仙台の最終ライン裏を狙う攻撃が目立ちました。しかも柏戦前半のようなロングボール主体ではなく、長短のパスを織り交ぜる格好で。前半柏木→槙野→武藤、柏木→武藤と2回裏抜けによる決定機がありました。武藤のシュートは共にGK正面で得点はなりませんでしたが、前半の浦和はそれほど悪い内容ではなかったと思います。ミスが散見されたのは事実ですが。

・ところが後半に入るとミスが頻発。特に前三人が攻めきれずにボールを失う場面が目立つようになり、仙台のカウンターを浴びがちに。4バックの相手に空いたサイドから攻める常道を繰り出そうにもそもそもワイドに展開するパス精度が低くてどうにならず。なんとかWBにボールが渡っても関根も、代わって入った駒井もドリブルでこじ開けるでもなく、高精度のクロスを入れるわけでもなし。結局サイドからの見せ場は試合開始直後の関根の枠内シュートだけか。

・後半の決定機は武藤シュートのこぼれ玉に反応した李がエリア内でフリーでシュートを放った場面と、石川のクリアミスに柏木が突っ込んでヘディングシュートを放った場面くらい。

・攻撃陣がほぼ手詰まりに陥ったどころか自爆を繰り返す一方、守備陣は奮闘。サイドに流れがちなハモンロペスを槙野は完封。森脇もそれなりに対応。意外にも遠藤が苦戦を強いられた印象を受けましたが、それでも要所を締めてハモンロペスに決定機を与えず。宇賀神もハモンロペスのクロス→菅井が突っ込んできたところを寸前でクリアする大仕事。

・値千金の興梠の一撃は守備陣の奮闘に応えたものと言っても差し支えないでしょう。

009

---藤村--ハモンロペス--
梁---------奥埜
---三田--富田---
石川直-渡部-平岡-大岩
------関-----

72分 藤村→菅井(菅井が右SH、奥埜がFWへ)
79分 リャン→ウイルソン(ウイルソンがFW、奥埜が左SHへ)
90+3分 奥埜→佐々木

・渡邉監督は浦和戦用の奇策を弄さず、4-4-2で高い位置から積極的にプレッシャーをかける普段通りのスタイルで浦和に対峙。押し込まれた際に三田が最終ラインに吸収されて5バックっぽくなってはいましたが、意図的に5バックにした風には伺えず。浦和の不出来も相まって守備に大きな破綻はなく、ボールを持った場合は浦和WB裏への縦パスからorカウンターからサイド攻撃という狙いも嵌っていたので、その点では悪い試合ではなかったのかもしれません。

・ただ前述のように点が入る気配はほとんどなく、スコアレスドローが精一杯で勝ち目はほとんどなかった試合を高く評価するのは考えもの。仙台が最も惜しかったのはリャンCK→大岩→渡部ヘッドが枠外だった場面。それ以外は後半立ち上がりに藤村がダメ元でミドルシュートを放ってみただけ。

・肝心のクロス攻撃からは全く決定機が作れず。ハモンロペスがサイドに流れがちで、それはそれでチャンスメーカーとして役には立っているのですが、中に合わせるべき選手がいない。もっともハモンロペスがシュートを放ったところでその精度は劣悪でしたが。ウイルソンが健在なら怖い2トップになり得たでしょうが、ウイルソンは未だコンディション不良なのか、終盤投入されてライン際でで森脇を弾き飛ばしたのが唯一の見せ場。

・興梠のゴールは柏木になんらプレッシャーをかけなかった三田の罪が一番でかいかな? あれでそれまでの奮戦が全てパー。

|

« ばんどう太郎 春日部店@北春日部 | トップページ | Φve ふぁいぶ@松原団地 »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【観戦記】16年2nd第3節:仙台 0-1 浦和 ~ 終わり良ければ全て良し、なのか???:

« ばんどう太郎 春日部店@北春日部 | トップページ | Φve ふぁいぶ@松原団地 »