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2016.07.31

【TV観戦記】16年2nd第6節:甲府 0-2 浦和 ~ 守れず、攻めれず、手も足も出ない信玄公の巻

・最高気温35度と報じられた甲府盆地。キッフオフ時でもまだ30度超の暑さが残る厳しい環境下ゆえ、ややもすれば集中力が途切れがち。従ってスコアレスのまま終盤にもつれ込むようなことになれば、ちょっとした油断が思わぬ惨事を招きかねません。守備を固める甲府が願っていたのはおそらくそんなシナリオでしょう。

・ところが実際は早い時間帯に浦和が先制し、前半終了間際に追加点。これで甲府の思い描いていたであろうシナリオは早々に崩れ去り、後半の浦和は甲府の反撃を適宜ぶった切って楽々逃げ切りに成功。後半の浦和はかなりぐだぐだで見所に乏しく、2回あった絶好機も決めらず。

・それを「過酷な環境下ゆえ省エネでしっかり勝ち点3を確保しに行った大人のサッカー」と取るか、「瀕死の相手から大量点を奪えない甘さ」と取るか、正直微妙。昨年の広島だと守備がスカスカユルユルになった甲府相手に浅野頼みの少人数のカウンターでボコボコ点を取りに行ったのではないかと思うのですが、浦和はあんまりそういうのをやらないからなぁ・・・

・甲府が不運だったのは前節名古屋戦で活躍していたDFリーダー山本&CB土屋が共に故障欠場し、レギュラーCB2枚を欠いて浦和戦に臨まざるを得なかったこと。いつものように自陣に引いて5-4-1で守ってはいましたが、最終ラインを大きくいじらざるを得なかった(そしてさらに試合中にCBやWBの左右を入れ替える!)のが響いてか、甲府右サイドをいとも簡単に蹂躙され、しかもクロスの先はどフリーという惨状。いずれも今年の甲府の失点が多いのが頷ける場面。

・攻めては浦和の前からの厳しいプレッシャーを受けてビルドアップがままならず。たまらず大きく蹴って浦和に拾われるの繰り返し。なんとかドゥドゥに繋いで「一人で出来た!」に賭けたいところですが、そもそもドゥドゥにボールが渡らず、渡ったところで森脇なり槙野なりにがっつりマークされて前を向かせてもらえず。

・結局甲府のチャンスらしいチャンスは立ち上がりの松橋クロスを宇賀神がなんとかクリアした場面と、終盤のセットプレーの流れから田中がシュートを撃った場面だけ。シュートたった4本で枠内ゼロ。それゆえ西川は鳥もつ煮食いながら守っていても問題なかったくらい。今年で最も楽な試合、両者の力の差が感じられた試合だったと思います。でもこの甲府に惨敗した名古屋ってどんなんやねん・・・

-----李------
--高木----武藤--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----

得点:14分 武藤、45分 李

69分 柏木→青木
72分 武藤→石原
77分 李→ズラタン

・久しぶりに同一フォーメーション、しかもほとんど前からプレッシャーをかけてこない相手との戦い。いつも通り5-4-1の布陣で自陣を固める甲府に対し、浦和は無理に縦パスを入れてカウンターを喰らう愚を避けてサイドから攻撃。そして2得点とも左サイドから。

・先制点は森脇→宇賀神と大きく振ってサイドで1対1を作り、宇賀神が和製ケンペス田中を軽くちぎってクロス→上げた先で武藤がどフリーでヘッドという実に理想的なもの。畑尾が武藤のマークに付かないといけないはずですが、武藤の前に入った李を畑尾が見てしまったので武藤がフリーになったのかな?

・2点目は宇賀神の縦パスに反応して高木が畑尾の裏を取ってエリア内に侵入したところで勝負あり。クロスの先で李がどフリーでボレー。李をマークすべき新井は何をしていたのか誠に不可解。同一フォーメーションで戦っているのにマークがずれまくっていては話になりません。そりゃハーフタイムにヴァンフォーレクイーンが落胆のあまり2度も「失礼しました!」と噛んでしまうのもやむなし

・高木はボールをもらってからおもむろにドリブルで仕掛けるのではなく、甲府最終ライン裏のスペースに走りこんでのアシストというのが良かった。これがコンスタントに出来れば今後使い道が増えてくるでしょう。ドリブルで前節鹿島戦でさっぱりだった高木はこの日再度スタメン起用されたこと自体驚きでしたが、鹿島と違って甲府は全くと言っていいほどがっつり当たりに来ないのが高木には幸い。簡単に前を向けるので高木の良さが出しやすかったかと。

・ゲームプランが雲散霧消した甲府は後半頭からいっぺんに2枚替えして前に出て来たため守備ブロックもへったくれもなくなり、浦和大量得点のチャンス到来と思ったのですが、後半立ち上がりに李との連携で中央突破に成功した武藤が絶好機を決められず、その後はぐだぐだモード入り。

・ミシャも「無理するな」と言わんばかりに柏木を早々と下げて青木を投入したのを皮切りに、石原・ズラタンと普段のベンチ組にそこそこまとまった出場機会を与えながら悠々逃げ切り。ボールを失っても素早く攻守を切り替えて甲府の最終ラインに圧力をかけて容易にビルドアップを許さない。当然そのスタンスが酷暑下で90分続くわけがないので、多分にメリハリを利かせてはいましたが、甲府に全くと言っていいほど攻めの形を作らせませんでした。

・甲府は早々と3枚目のカードを切って5-3-2にシフトしましたが、浦和もビルドアップで下手をこぐことなく無難に対応。最後の最後でカウンターから高木→石原の絶好機がありましたが、GKがかろうじて防いで得点ならず。

-----ドゥドゥ----
--河本----稲垣--
松橋-黒木--パラナ-田中
-畑尾--新井--橋爪-
-----河田-----

HT 畑尾→福田
HT 黒木→保坂
58分 河本→森(ドゥドゥと横並びになって5-3-2へ)

・クリスティアーノに代わって甲府J1残留のキーマンとなったドゥドゥでしたが、故障をおして強行出場したこともあってか、この試合は全くいいところなし。そもそもたいしてボールが回ってこない。ボールを持てば浦和DF陣に厳しく当たられる。スキルフルだけれど、クリスティアーノと違って「一人で出来た!」っぽい一発がある選手ではなさそうで、それなりの相方がいてこそ活きる選手かと。

・また浦和にボールを回され続けてブチ切れてしまったのか、次第にフォアチェックをさぼりがちに。試合終了後はベンチで土屋相手に愚痴をこぼしていたように見受けられましたが、その辺もクリスティアーノよりだいぶ落ちるかも。

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