【TV観戦記】16年2nd第10節:神戸 2-1 浦和 ~ やること為すことまるでダメ。再三カウンターの脅威に晒され、負けるべくして負けた試合
・露骨にカウンターを狙ってくる相手にビルドアップでミス続出。しかもミシャの自爆ボタン連打がまたしても炸裂。強力な攻撃陣を有する神戸相手にこのザマでは勝てるわけがありません。
・浦和もノーチャンスではなく、特に興梠が決めるべきところを決めていれば、という気がしないでもありませんが、神戸にも同様に追加点のチャンスがあったのでトータルで考えれば浦和の敗戦は受け入れざるを得ません。
・前節川崎戦は敗れはしたものの内容は悪くなく、なんら下を向く必要はないと思いましたが、この試合は結果はもちろん内容も低調。五輪で興梠&遠藤が欠けた4試合を全勝で突破したのに五輪組が戻ってからの2試合は連敗というなんとも皮肉な結果に。思い返せば川崎戦の前の名古屋戦もしょぼすぎる相手にたった2点しか取れず、この辺から浦和の調子は下降線に入ってしまったのかもしれません。完全に後講釈ですが。
・縦パスを入れてきたところ、あるいは相手を押し込んだものの攻めきれずにボールを失ったところからカウンターを浴びる。90分を通じて神戸の術中に嵌り続けたようなもの。故障で槙野を欠いて入れ替えを余儀なくされた最終ラインからのビルドアップが不安定だったのは多少目を瞑らざるを得ないものの、この日は柏木も阿部も著しく精彩を欠いて相手のカウンターの起爆剤になる始末。前半の失点は柏木の縦パスがカットされたところから。後半の失点は武藤→興梠のボールロストから。
・何度もカウンターを浴びる中で気になったのが、那須がレアンドロを自由にさせずぎたこと。あれだけいとも簡単にレアンドロのボールキープを許すようでは浦和の持ち味(=ボールを失っても早い段階でカウンターの芽を摘む)なんて出しようがありません。
・また森脇も終始対面のペドロに苦戦。かつて川崎のレナトや鹿島のカイオにも大苦戦を強いられましたが、森脇は基本的にスピードがあるアタッカーが苦手。ここは槙野不在がモロに響いた格好。
・選手の出来もたいがいでしたが、終盤にダメを押したのがミシャ恒例の自爆ボタン連打。2点ビハインドになった時点でミシャは事実上の3枚替えを敢行。そのうち武藤→青木は十分納得がゆく交代でしたが、興梠→ズラタン、宇賀神→関根は(時間を置いての交代はありだとしても)一挙にやるべき交代とはとても思えず。
・そして交代枠を使い切った直後に駒井が足を攣ってしまい、浦和は20分近く動けない選手を一人抱えたまま闘う羽目に。事実上の3枚替えで何を期待したのは判然としませんが、駒井故障で右サイド攻撃がほぼ失われた(といっても遠藤→李の決定機がありましたが)マイナス寄与のほうが大きかったでしょう。
・これはミシャが「持ってなさすぎる」のではなく、ほとんど自爆といって差し支えないかと。駒井はこれがスタメン出場できる最後の機会とばかりに前半大活躍していましたが飛ばし過ぎだったのは否めず後半早々に失速。これでは90分持たないのも道理。そんな状態の選手を放置して交代枠を早々に使い切ったのは相当の悪手。もっとも90分持たない駒井の責も大ですが。
・幸いにも同日川崎が大敗したので勝ち点差は5のままでしたが、金崎内乱事件で揺れる鹿島が年間勝ち点差2に迫ってきました。ルヴァン杯で神戸との連戦になりますが、代表組離脱に加え、疲労困憊の余りか凡ミスが目立つ阿部をスタメン起用し続けるのか気になるところ。柏木&阿部とボランチを2枚とも代えるのはあまり現実的でありませんが、阿部を起用し続けても先々碌なことがない気がします。
-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-阿部-柏木-駒井
-森脇--那須--遠藤-
-----西川-----
得点:78分 ズラタン
56分 宇賀神→関根
56分 興梠→ズラタン
59分 武藤→青木(柏木がシャドーへ)
・槙野不在は前回対戦時と同じ。最終ラインの並びも前回と同じ。珍しく駒井がスタメン出場しているところまで前回と同じ。しかも前回の浦和は5連戦の最後、かつ中2日なのに対し神戸は中6日で条件は前回のほうがはるかに厳しかったのになんでここまで試合内容が悪くなったのかがそもそも不思議。
・前回対戦時と比べて明らかに違ったのは浦和のサイド攻撃が不発に終わったこと。前回は森脇左CBが思いの外機能して両サイドからの攻撃が嵌りましたが、この日は前半は駒井、後半は関根が単騎で仕掛けるだけでCBの後方支援を伴った厚みのある攻撃はほとんど出来ず。この辺、前回対戦時と違って神戸ははっきりとしたミラーシステムを採用したのが活きたのかも。
・宇賀神は峻希を前に何もできませんでしたが、宇賀神はもともと個人で何かやるタイプではなく、槙野不在の影響をモロに被ったようなもの。前回対戦時は関根が左WBに入っていましたが、関根のコンディションが万全でなく、この試合では90分使えなかったのが惜しまれます。
・一方前半の駒井の出来は出色。対面がJ1経験の浅い田中雄大だったこともあって神戸最終ライン裏への飛び出しあり、深い位置まで侵入してのクロスあり、カットインからのドリブルありと遠藤の支援なしに孤軍奮闘。しかも散々走らされた田中を故障退場に追い込むおまけ付き。でも駒井の奮闘はどれ一つ実らず、しかも後半早々に大失速。川崎戦に続いてのスタメン出場でしたが、90分持たないのはいかにも辛い。
・また興梠は伊野波の厳しいマークを受けながらも縦パスの受け手としてそれなりに機能していた(ゆえになんで真っ先に代えられたのか非常に不思議)反面、2シャドーの出来がさっぱり。いったいKLMとは何だったのか?と訝しくなるほど連携が乱れに乱れ、特に武藤の惨状は目に余るものがありました。よって武藤→青木の交代は当然だと思います。そしてその青木がこの日唯一の「良かった探し」。得点は押し込んだ状態からの青木→ズタラン。
・興梠も前半に神戸のしょーもないボールロストから、後半に中央突破からと2度絶好機がありながら共に決められず。川崎戦の武藤もそうですが、浦和攻撃陣のここ一番の弱さが際立ちました。良い選手だけれども代表には届かない選手だらけなのも納得。噛みあった時は凄まじい威力を発揮するが、噛みあわない時、相手に上手く守られた時には選手個々人の弱さが露呈してしまう。そしてそれが回り回ってここ一番で勝てない。実に切ない。
-----レアンドロ----
--渡邉----ペドロ--
田中雄-三原-ニウトン-峻希
-高橋祥-伊野波-岩波-
----キムスンギュ-----
得点:33分 ペドロ、54分 渡邉
32分 田中雄→松下(故障による交代)
81分 三原→藤田
90+3分 渡邉→小川
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