【TV短感】リオ五輪B組第2節:日本 2-2 コロンビア ~ 謎の火事場の馬鹿力!!!っていうか内容で圧倒していたはずなんだが・・・
・前半日本が飛ばし気味に試合に入り、内容で明らかに押していたにも関わらず無得点。それゆえ終盤の日本の失速は避けがたく、コロンビアに2点先制された時点で、後は「座して死を待つ」のみと正直諦めていました。
・ところが意外や意外、すかざず日本が1点を返した後にはっきりと足が止まったのはコロンビアのほう。さらにそれまで全くと言っていいほど何の役にも立たなかった中島がまさかの「かいしんのいちげき」を放って同点。その後日本は試合終了まで何度も決定機を掴んだものの逆転には至らず、勝ち点1どまり。
・終わってみれば日本が劣勢に立ったのは2失点を喫した10分程度だけで、その前後は終始日本優勢。決定機の数ではコロンビアを圧倒しており、そこだけ取り出せば勝ち点3を取れなかったのが誠に惜しまれます。
・しかし、2失点は共に偶然でも不運でもなんでもありません。少ない好機を確実に決めてくるコロンビアから勝ち点3を奪うにはやはり守備が脆すぎたのでしょう。食いつき過ぎて交わされてしまった井手口はまだしも、余裕を持ってクリアできたはずなのに自ゴールに叩き込んでしまった藤春はさすがにかばいようがありません。ナイジェリア戦に続いてまたしてもOAが大失態。
・さらにいえば、先制された直後に日本の守備が急激に不安定になったのはナイジェリア戦の5失点の悪夢を引きずってからでしょうなぁ。それを凝縮したのが藤春の大失態だったわけで。
・もっともナイジェリア戦とは一変して、失点を喫するまで守備は上々の出来だったと思います。失点を喫する前で危なかったのは藤春(!)が簡単に入れ替わられて枠内シュートを撃たれた場面だけ。しかもそのシュートはGK中村が難なくセーブ。手倉森監督はナイジェリア戦の惨状を見てとうとう櫛引を諦めて中村を起用しましたが、この場面でいきなりその交代が奏功。
・またフォーメーションをやり慣れた4-4-2に戻し、かつボランチに守備が計算できる遠藤&井手口を揃え、前にも守備ができる浅野&興梠を配置。さらに高めの位置に守備ブロックを敷いて積極的にコロンビアの攻撃を摘みに行ったのがこれまた奏功。高い位置でのボール奪取からのショートカウンター、あるいは&SBを加えた厚みのあるサイド攻撃で好機を何度も演出。特に立ち上がりの室屋→興梠→矢島の決定機は是非とも決めたかったところ。
・逆にコロンビアはちょっと日本を舐めてかかって試合に入った節があり、最終ラインで1対1を仕掛ければ簡単にぶち抜けるとばかりに中盤をすっ飛ばしたアバウトな攻撃が目立ちましたが、先の「藤春入れ替わられ」が実っただけでそれ以外は鳴かず飛ばず。ナイジェリア戦で失態を繰り返した塩谷も室屋もセーフティーなプレーに終始して大穴は開けず。
・コロンビアは後半頭から2選手を代え、中盤のの構成もいじったようですが、一気にギアチェンジしてきたようには見えず。ただ日本のタイトな守備が後半になって多少緩んできたところで、すかさず2点を奪ってしまう辺りはさすが。もっとも2点目は日本の自爆以外の何ものでもありませんが。
・2点先制されてやむなく手倉森監督は矢島→南野、井手口→大島を投入。もう3点取られようが、4点取られようが同じなので「どつき合い」に活路を見出したような破れかぶれの選手交代で、コロンビアはその攻めをいなしながら淡々とカウンターを繰り出すだけと予想していたのですが、驚いたことにこの采配が見事に的中。
・細かくパスを繋いでの中央突破がいきなり炸裂して1点返しただけでなく、その後も終始日本優勢。ほぼ自国といって良いくらい地の利があるコロンビアの足が急激に止まった理由は全く判りません。
・そして中島がまさかの一発。中島が持っているというか、それを我慢してピッチに置く手倉森監督が持っているというか。
・「とにかく守備は壊滅的」「撃ち合いには強く、終盤猛然と追い上げる」「だが、せいぜい同点止まりで逆転には至らない。」という辺りはなんかゼリコ時代の浦和そっくりの試合の連続。しかも「ほとんどの時間帯何の役にも立たないが、とにかく一発がある」という意味で中島はマゾーラの再来ではないのか?という気がしてなりませんが、兎にも角にもグループステージ勝ち抜けの可能性は最後まで残りました。
・またしても「一発殴られてから急に頑張り始める」というプロレス風の試合になると面白いのですが。
---興梠--浅野---
中島--------矢島
--井手口--遠藤---
藤春-植田--塩谷-室屋
-----中村-----
得点:(日)67分 浅野、74分 中島
(コ)59分 GUTIERREZ、65分 オウンゴール(藤春)
62分 矢島→南野
62分 井手口→大島
80分 藤春→亀川(室屋が左SB、亀川が右SBへ)
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