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2016.08.12

【展望】16年2nd第8節名古屋戦

(名古屋の現状)

・勝ち点19(4勝7分13敗)で年間16位。1stステージこそ勝ち点17の14位となんとか降格圏に足を踏み入れずに済みましたが、2ndステージになって2分5敗と全く勝てなくなり、甲府との直接対決にも敗れてとうとう降格圏入り。目下なんと15試合勝利なし。

・もっとも中期的に見れば名古屋はストイコビッチ監督時代末期から不振に陥っており、後継の西野監督も怪我人多発もあって立て直しに失敗。ほぼ焼野原状態のチームをS級ライセンスは持っているが監督経験どころかコーチ経験すらない「S級素人」にチーム再建を託すのはかなり無理があるだろうと思ったら結果は案の定。

・大不振のレジェンド系監督を早々にクビにするのがいかに難しいかは浦和2011でも実証済。名古屋もその例に漏れないようで、現場レベルでは8月に入ってストイコビッチ監督のもとでコーチを務めたボスコ氏をアシスタントコーチに据えるだけに留まり、しかも依然小倉監督は実権を失っていない模様(GMの権能は事実上久米社長に召し上げられたみたいですが)。

・降格圏に沈んでいるチームの常として得点は少なく、失点は多い。特に2ndステージに入ってわずか1得点なのが目を惹きます。

(戦力)

・監督を代えるに代えられないせいか、夏の移籍期間では積極的に動き、MF扇原(C大阪)、MFハ・デソン(F東京)、CB酒井(松本)を獲得。名古屋の最弱点はレギュラーがごっそりいなくなったCBで、そこをJ1で実績のある選手、あるいは強力そうな外国人選手で補強しなかったのが傍目には非常に不思議。酒井は獲得してすぐにスタメンを確保していますが、肝心な甲府戦で大失態。

・さらにせっかく補強したばかりの扇原とハ・デソンは共に故障。それ以外にも怪我人が多く、田口と小川は前節広島戦でなんとかベンチに戻ってきましたが、川又は依然離脱中。

(戦術)

・今季の名古屋の基本フォーメーションは4-2-3-1でしたが、失点が止まらないのに業を煮やしたのか、前々節横浜M戦からはっきりした5-4-1へ転換。転換してわずか2試合に過ぎないので練度というかラインコントロールに難があり、横浜M戦こそスコアレスで乗り切ったものの、広島戦ではあっさり破られて2失点。フリーになった青山からの縦パス一本でいきなりウタカに裏を取られて後ろに人数を割いた意味まるでなし(苦笑)。

・また思い出したように前から永井を先頭にプレッシャーをかけてくるものの、その後ろとの連携が未成熟なのは相変わらずで、広島相手では全くと言っていいほど前でボールを奪えませんでした。

・後ろに人数をかけて、かつ引いて守って失点を最小限に留めたい意向こそ見て取れますが、当然ながらボールを奪う位置が低いのでそこから点を取るのに苦労しそう。もともと名古屋はビルドアップが上手くなく、きっちり繋いで相手を崩すような手立ては持ち合わせていないので、ボールを奪ってから相手ゴールまでが遠いのなんの。シモビッチ目がけていきなりロングボールを蹴るか、スペースに蹴って永井を走らせるのが精一杯。

・今年の名古屋の攻撃はとにかくシモビッチ頼み。しかも古林ないし矢野からシモビッチへの放り込みが唯一の攻め手といって差し支えないくらい。ピクシー初期のようにきっちり組み立て、サイドを崩してSHなりSBなりをフリーにしてから放り込んでくるのではなく、いきなりアーリークロスを多用する傾向。

・ただ頼みのシモビッチの個人能力は判っていてもやられてしまうケネディ級ではないのか、またそれ以前に名古屋の攻撃が単純すぎて各チームに読まれがちになったためか、シモビッチは1stステージ終盤からほとんど得点できず、2ndステージは無得点。しかも守備重視となると動けないシモビッチを最前線に置くデメリットのほうがでかいのか、前節広島戦ではなぜかベンチスタート。

(浦和の対応)

・前回対戦は強風が災いしましたが、名古屋に文字通りなにもさせずに完勝。名古屋が得意とする攻撃パターン(右サイドからシモビッチへの放り込みとか、永井を活かしたショートカウンターとか)を完璧に封じ、風下に回った後半になって好き放題にボールを回して4得点。

・ただ前回対戦時の名古屋は前からプレッシャーをかけての(といっても連携も何もなくて消耗するだけでしたが)ショートカウンター狙いが明白でしたが、今回は一転して甲府ばりに引いて守ってくることが予想されます。

・となると浦和のスタメンも甲府戦と全く同じ、つまり前節湘南戦とも同じになる可能性が高いでしょう。湘南戦では消えがちだった高木も概してプレッシャーが緩い名古屋相手なら期待が持てます。

・広島戦を見ると思い出したように永井が目一杯プレッシャーをかけてくるので自陣深い位置での軽率なプレーは厳禁ですし、また名古屋を押し込んだ際にリスクマネジメントを怠ると縦ポン一発で永井に裏を取られる恐れがあります。いずれにしても自爆さえしなければ負けるような相手ではないと思うのですが。

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<前節:広島 2-0 名古屋>

-----永井-----
和泉--------松田
---イスンヒ--明神---
安田-大武竹内酒井-矢野
-----楢崎-----

69分 松田→田口
81分 和泉→シモビッチ
84分 明神→磯村

<前回:浦和 4-1 名古屋>

---和泉--シモビッチ--
永井--------古林
---田口--小川---
高橋-竹内--大武-矢野
-----楢崎-----

得点:39分 シモビッチ

66分 和泉→松田
72分 古林→小屋松
77分 小川→矢田

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