【展望】16年2nd第12節FC東京戦
(FC東京の現状)
・勝ち点39(11勝6分11敗)で年間10位、2ndステージでは勝ち点16(5勝1分5敗)の10位と、残留争いに喘ぐ名古屋に代わって「中位力」の座をほしいままにしたような感がある、見事なまでに優勝争いにも残留争いにも無縁なポジションを確保。
・2nd第5節で川崎に敗れたのを機に今年再招聘したばかりの城福監督を更迭して、篠田コーチが内部昇格。篠田新監督のリーグ戦成績は4勝1分1敗と一見監督交代の効果絶大のように見えますが、勝った相手が新潟・磐田・横浜M・湘南と横浜Mを除けば絶不調のチームだらけで、どこまで額面通り受け取っていいものやら。好調の神戸には1-4としっかり虐殺されていますし。
・監督が代わってしまったのでリーグ戦トータルの総得点・総失点に意味があるのかという問題はありますが、総得点30は少な目。FC東京(以下「瓦斯」)より上の順位のチームで瓦斯より得点が少ないのは大宮(29)しかありません。その一方総失点(32)が瓦斯より少ないチームは上にゴロゴロあるので、瓦斯がこれ以上順位を上げるには得点力不足という印象を受けます。
(戦力)
・城福監督を更迭したものの残留争いに片足を突っ込むほど戦績は悪くなかったせいか、はたまたACLの準備&途中のムリキ獲得で金を使ってしまったせいか、夏の移籍期間に目立った補強は無し。それどころかオフに補強したものの出番を失っていたハ・デソン(名古屋)と駒野(福岡)をあっさりレンタルで放出。前回対戦時にいなかった面子といえば五輪組の右SB室屋とMF中島くらい。
・主力に怪我人が多く、FWムリキとFW阿部拓、MF米本が長期離脱中。一時はMF橋本も離脱してボランチが人材不足に陥っていましたが、橋本はルヴァン杯から復帰して途中出場を続けています。
・監督交代でスタメン構成にも若干変化があり、最も割を食っているのがネイサン・バーンズで前田にスタメンを奪われて、哀れにもU23行き。また怪我人発生との兼ね合いもあると思いますが、田邉・梶山・中島と城福監督の下ではほとんど出番がなかった面子がスタメンに名を連ねています。
・浦和戦では田邉が出場停止。監督交代後なぜかボランチに抜擢されてのポジションを安定的に掴んでいただけに、その穴埋めは悩ましいかも。
(戦術)
・篠田監督とミシャが対戦するのは何分初めてで、しかも篠田監督は怪我人の影響もあってちょろちょろスタメンを入れ替えるので、相手の出方が読みづらい。湘南戦のスタメンなんておよそ守りが得意そうにない面子が中盤にゾロゾロ並んでいて、いくらなんでもこれをベースに浦和戦に臨んでくることはないと思いますが。
・ショートパスを繋いで、上がってきたSBを加えながら相手を押し込んで崩しきる志向のようで、前田へのロングボールはほとんど見受けられず。ただ遠目からバンバン撃ってくる中島だけは毛色が違うので要注意。
・繋ぐサッカーを志向している割にはチームの熟成度が低いのを反映してかビルドアップが上手いとは言い難く、名古屋相手にすら四苦八苦。湘南には何度もカウンターを浴び掛かっていました。
・フォーメーションは専ら4-2-3-1で前目では前田1トップと東トップ下、右SH河野は不動。ムリキ故障のため左SHに中島が抜擢されていますが、なにせ守備がまるでダメで当たりに弱い選手なので、相手が強いと後ろの徳永が即死するのでは???
・田邉が出場停止なので、橋本がフル出場できるのであれば普通に考えれば高橋とのコンビでボランチを組成しそうなものですが、梶山ボランチを諦めないところを見ると篠田監督って深い位置からの縦パスに期待するところ大で、守備的な駒をボランチに揃えるのが好きではなさそう。湘南戦では田邉&梶山のコンビで、当然ながらしょっちゅうバイタルエリアがユルユルになっていました。
(浦和の対応)
・苦手鳥栖相手に完勝。スタメン構成も納得ゆくもので、選手交代で却って流れが悪くなったことを考えれば、わざわざスタメンを弄る理由はないでしょう。
・もっとも神戸・鳥栖と相手にボールを持たせても問題ない、むしろ浦和がカウンターを狙う対戦相手が続き、それが今のスタメンに上手く嵌ったような気もします。瓦斯は極端に相性が良い相手とはいえ、あまり好き勝手にやらせるとロクなことがなく、普段通りに浦和がボールを支配して相手を押し込む展開になるでしょうが、そうなった時に高木やズラタンが申し分ない働きができるかどうか。鳥栖戦の2得点を見る限りは何の心配もなさそうですが。
・前回の瓦斯戦は相手が露骨にショートカウンターを狙ってきましたが、今回はなにせ相手の出方が読みづらい。瓦斯の手の内を探っているうちに前半が終わってしまい、ミシャの癇癪玉が炸裂して自爆ボタンをぽちっとな、にならなければいいのですが。
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<前節:瓦斯 3-0 湘南>
-----前田-----
中島---東----河野
---田邉--梶山---
徳永-森重--吉本-室屋
-----秋元-----
得点:44分 中島、75分 河野、80分 前田
71分 中島→橋本
77分 徳永→丸山
85分 河野→ユ・インス
<前回:浦和 3-2 瓦斯>
---ムリキ---ネイサン---
羽生--------橋本
---米本--高橋---
小川-丸山--森重-徳永
-----秋元-----
得点:13分 ムリキ、31分 橋本
63分 ネイサン→前田
67分 徳永→河野(橋本が右SBへ下がる)
76分 羽生→田邉
・前半はあんまりな試合内容で2点先制されたものの、城福監督の謎の選手交代3連発で徐々に流れが浦和に傾いて逆転勝ち。
・瓦斯ははムリキ&ネイサンと珍しく外国人FWを二人並べただけでなく、中盤に守備的な選手をずらずら並べて高い位置からガンガンプレッシャーをかけての露骨なショートカウンター狙い。そしてそのミエミエの瓦斯の狙いに浦和は進んで嵌ってしまって2失点。
・ただ瓦斯の守備も結構怪しく、後半も半ばに差し掛かってくると瓦斯の足も止まりがちになり。人数がいるだけで棒立ちも同然という有り様に。そしてミシャが駒井&梅崎とそこそこ動ける選手を入れて前線の活性化を図り、しかもそれが奏功したのに対して、城福の選手交代はどれ一つとして何の役にも立たず、運動量を回復できないテイタラク。
・瓦斯から見れば文句なしの試合内容で前半2点先制しながらのまさかの逆転負け、しかも監督の采配がかなりの部分寄与した逆転負け。1点も取れなくてウノゼロの敗戦なら瓦斯の仕様通りなので諦めもつくでしょうが、守備が大崩壊しての敗戦は瓦斯の仕様にはないでしょうから城福には堪えたでしょうなぁ(苦笑)
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