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2016.09.11

【観戦記】16年2nd第11節:浦和 2-0 鳥栖 ~ 負ける時はとことんつまらない、瓦斯時代に先祖返りしたふっかちゃん

・浦和が良かった時間帯、スタジアムが沸き返るような時間帯は長くはなかったものの、それ以上に鳥栖が良かった時間帯はほとんどなし。結果・内容とも文字通りの完勝でしたが、面白かったかとなるとちょっと怪しい。

・それでも内容で優に相手を凌駕しながら決定機を外しまくって負けてしまうよりは、流れの良い時間帯にパンパンと点を取ってそのままグダグダ模様で逃げ切ってしまうほうがナンボかマシ。鳥栖はロングボール攻撃やセットプレーが得意で何かと交通事故のような失点を喰らいやすい相手だが得点力が高いわけではないので、畳みかけるように奪った2点目がこの試合を決定づけたといっていいでしょう。

・この試合で最も評価したいのはスタメン構成。「展望」で”ミシャがここで名ばかりの「ベストメンバー」を連ね、判で押したような選手交代を繰り返すようだと、今年ももう終わりかなという気がしてなりません”と述べましたが、それは全くの杞憂に終わり、ルヴァン杯での高木やズラタンの活躍をきっちり反映させたスタメンにしてきました。もちろん2ndステージでコンスタントに活躍している那須もそのまんま。

・興梠も遠藤も五輪から戻ってきたらポジションがなくなってたって、1stステージ終了時には全く考えられなかった事態。李なんてちょっとルヴァン杯でベンチに回っただけなのに簡単にポジション取られてるし。ミシャ5年目にしてようやく浦和も選手層が厚くなったことを実感できる日が来た、っちゅーか5年もかかったんか(つД`) でもリーグ戦で優勝するチームは本来こうでないといけない。超遅まきながら浦和にもついに好循環が発生。

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・鳥栖は基本4-3-1-2ながら、守備時は単純に4バックが左右にスライドするのではなく、高橋が最終ラインに下がって5-3-2っぽくなる陣形。序盤は2トップが猛然と前から圧力をかけてきましたがさほど長続きはせず、基本リトリート主体。ただボールを失ってからの攻守の切り替え&帰陣が滅茶苦茶早く、浦和はなかなか決定機らしい決定機も作れないまま時間が徒過しました。

・ズラタンがキム・ミンヒョクに厳しくマークされてイマイチボールを収めきれないためか、浦和の攻撃はサイド主体。それでも20分過ぎに右サイドから武藤クロス→高木→森脇、左サイドから宇賀神→ズラタンが惜しかったくらい。

・ただ鳥栖の5-3-2はカウンターを意識して2トップが前残り気味のためか、5-3と2の間に往々にして穴が開いてしまう場面がしばしば。よって柏木や阿部はもちろんこと3バックすらいとも簡単にドリブルで持ち上がる場面が目立ちました。1点目は柏木、2点目は阿部が持ち上がったところが基点になっており、そこから関根へパスを出して鳥栖の堅陣に風穴を開けた格好。

・1点目は柏木→関根を契機に右サイドからボールを繋いで、突如中へ入ってきた宇賀神が仕上げ。宇賀神のゴールは左からカットインしてシュートがお決まりの構図で、中をぶち抜いたのはあまり記憶にありません。宇賀神に上手く繋いだズラタンのポストプレーもお見事。

・2点目は阿部→DFの間で関根キープ→武藤が裏を取ってゴール。武藤は後半にもズタランのパスを受けて裏に抜ける絶好機がありましたが、ここは林がかろうじてセーブ。

・守備が堅い相手に得点を奪うのに時間はかかりましたが、守備は試合も大詰めになって鳥栖が放り込み攻撃を始めるまではほぼ完璧。危なかったのは序盤に森脇のクリアミスで豊田にシュートを撃たれたのと、1点先制直後に浦和左サイドから藤田クロス→カビルヘッドがあったくらい。

・鳥栖の攻守の切り替えも早いが、そこは浦和も全くひけを取らず。ロングボールには那須や槙野が防波堤となり、一人が抜かれそうになった際のカバーリングも素早く、終盤までは全くと言っていいほど鳥栖のストロングポイント(=サイドから豊田への放り込み)を出させず。序盤こそ鳥栖の強烈なプレッシャーの前に多少怪しげな場面が散見されましたが、多少涼しくなってきたこともあってか選手の動きは概して良かったと思います。

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・2点先制したこともあってか、浦和は鳥栖にあえてボールを持たせてカウンターを狙うような格好に。鳥栖は以前ほどロングボールを多用せず、きっちり繋いでからのサイド攻撃が主になっていますが、残念ながら高い位置に守備ブロックを敷いて待ち構える浦和を崩しきれるほどビルドアップは上手くなく、FWにボールを繋ぐこともままならず。フィッカデンティ監督(以下「ふっかちゃん」)は選手を代えたり、多少布陣をいじったりしていましたが、戦局は全く好転の気配なし。

・ところが浦和も浦和で2点先取後にわかに前線が活気づいているのに、好調の高木とズラタンを下げて興梠&李を投入。戦況とは無関係の予定通りの交代なのでしょうが、この交代を契機に浦和の攻勢も尻すぼみに。試合の大勢に影響はありませんでしたが、カウンターに最適の2者を同時に下げる必要は全くなかったはずで、どう見ても悪手でした。良い流れを自分でぶち壊す悪い意味でのミシャスタイルは今なお健在。

・AT突入も近づいてくると浦和の運動量は激減し、中盤でのプレッシャーは消失して最終ラインも下がってしまい、陣形は間延びして興梠&李が最前線で孤立状態。

・こうなると鳥栖は両サイドから放り込み放題。それでも那須や槙野を中心になんとか弾き返していましたが、とうとう最後に浦和右サイドから富山クロス→谷口に決定機を作られてしまいました。西川の好セーブで事なきを得ましたが、鳥栖相手にもっともあってはならない逃げ切り様。鳥栖の力攻で痛い目にあった悪夢のような場面の数々が何度もフラッシュバック。1点差だったらさぞかし心臓に悪かったかと。

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-----ズラタン-----
--高木----武藤--
宇賀神-阿部-柏木-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----

得点:41分 宇賀神、44分 武藤

62分 高木→興梠
62分 ズラタン→李
72分 柏木→青木

・2得点とも関根が関与。関根は試合を通じて対面の吉田と互いに良さを消し合う格好になり、相手をぶち抜いての見せ場はありませんでしたが、そういう見せ場は作れなくとも他の選手を活かす仕事ができる辺りに関根の成長を感じました。梅崎が残念ながら長期離脱してしまったので、今後控えの駒井の出番も増えるかと思いますが、他人を使える点で今の駒井は関根や宇賀神に大きく差を付けられています。

・高木は得点こそありませんでしたが好調をキープ。前半一度左サイドを抜かれそうになり、高木が猛然と戻って来て穴を塞いだ場面がありました。武藤ならこういうプレーをコンスタントにこなしますが、往々にして守備をさぼりがちだった高木がやったことに感☆RUI! これで高木はスタメンを獲るべくして取った気がしました。

・出場はなかったもののタイ遠征帰りで中3日。代表合宿中に小破して別メニューだった柏木の出来が心配でしたが、取り立てて大きな問題はなくこれまた早めの時間帯にお役御免。酷使度合いからすればミシャは一番最初に柏木を下げてもいいくらいのはずなんだがなぁ・・・

・ズラタンに代わって投入された興梠の不振は深刻。普段ならありえないボールロストでカウンターのピンチを招いたり、裏に抜け出せそうなところで相手を振り切れなかったりと散々。せめて守備に入り回ってくれればいいものを、そういう風にも見えず。昨年も東アジア杯で酷使されたのが祟って不振に陥った時期がありましたが、広島戦&G大阪戦辺りまでに立ち直れるかなぁ???

001

---カビル--豊田---
-----鎌田-----
-福田--高橋--キムミヌ-
吉田-谷口--ミンヒョク-藤田
------林-----

59分 カビル→富山
65分 鎌田→早坂

・この日のふっかちゃんは「負ける時はとことんつまらない」瓦斯時代そのものの負け方。いったんビハインドに陥ると瓦斯以上に手駒がないからどうしようもないのでしょうが、負けているのに交代枠を余して終わるのは鳥栖サポからすれば納得がいかないでしょうなあ。もっともあれだけ選手をホイホイ放出してしまうと出せる駒がそもそもいないのでしょうけど。

・カビルは相手の対応が軽いと一気に弾き飛ばしてシュートに持って行きそうな感じは漂わせてはいましたが、この日は終始森脇とやりあってファウルを犯しまくっただけでお役御免。いかにも豊田との連携が悪く、過程はどうあれ最終的に豊田に点を取ってもらうという鳥栖のコンセプトから遊離しているような気がしました。ふっかちゃんが採ってきた手前使わざるを得ないのかもしれませんが、現状なら早坂や富山のほうがまだマシな気が。

・キム・ミヌは天皇杯で負傷したようで、フェイスガードを付けて強行出場したものの全くの不振で宇賀神や槙野に抑え込まれて何もできず。選手層が薄いと出来の悪い選手がいても代えるに代えられないのは実に辛い。

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