【展望】16年2nd第14節G大阪戦
(G大阪の現状)
・勝ち点51(15勝6分9敗)で年間4位。2ndステージは勝ち点27(8勝3分2敗)で3位。年間勝ち点は3位鹿島と8つ離れているので「年間3位以内」への滑り込みは非常に難しいでしょうが、2ndステージは首位浦和と勝ち点4差なので浦和に勝てば逆転でステージ優勝→CS進出の芽が出てきます。新スタジアムでなかなか勝てず、ACLもグループステージ敗退と今年のG大阪は1stステージの出遅れが顕著で、それが年間勝ち点に如実に表れていますが、そんなチームにもリーグ優勝の芽が未だに残っているというのが2ステージ制のクソさ加減なわけで・・・
・「点は取れないが失点は多い」というG大阪らしからぬ姿で低迷した1stステージから一変。2ndステージは失点が少ない元来の「長谷川仕様」に戻っており、総失点13は浦和(10)に次ぐ少なさ。
・但し、前節はさほど攻撃力が高くないFC東京相手に3失点。低い位置に守備ブロックを作って守る時間が長いにも関わらず、どういうわけか2列目と最終ラインの間を良いように使われて最終ラインの前からバンバンシュートを撃たれていました。この出来でなんで失点が少ないのか謎。
(戦力)
・前回浦和戦で得点を上げた宇佐美がほどなくアウクスブルク(ドイツ)へ完全移籍したのが前回対戦時からの最大かつ唯一の変化で、宇佐美の代わりの補強は無し。
・今年の宇佐美は退団間際になってようやく点を取りだしたものの不振の期間が長くてトータルの出来は微妙だったせいか、宇佐美退団の影響は全くないどころか、守備に難がある選手がいなくなってかえって攻守のバランスが良くなった気が。特に1stステージ出番を失っていた阿部がコンスタントにスタメン出場するようになり、大森・倉田とセットで中盤に馬車馬系が揃ったのが大きいような気がします。
・もっともその阿部は第11節甲府戦で故障(肉離れ)して戦線離脱。
・パトリックは2ndステージになってさらに出番が減り、終盤にちょこっと出るか出ないかという感じになってしまい、最近は哀れにもJ3に出場。2014年後半に大暴れして三冠の原動力となった宇佐美&パトリックがわずか2年後には特にどうでも良い存在に成り下がるとは世の中判らんもの。
・代わって1stステージ途中から長期離脱していた長身FW長沢が突如ブレイクして2ndステージだけで6ゴール。第10節からスタメンの座を掴んでいます。フォアチェックを怠らず、ポストプレーを淡々とこなし、クロスのターゲットになり、自らフィニッシュに絡むという1トップとして申し分ない働きぶり。もっとも長身の割には足元でのボール捌きを好むようで、パトリックとは使われ方がだいぶ違います。
・CB岩下は長期離脱中で最近ようやくJ3に出だしたくらい(虎を野に放つようなもん・・・)。浦和戦はCB金が警告累積で出場停止なので、ひょっとすると岩下が満を持して出てくるかも。もっとも岩下を無理使いせず今野がCBに下がる可能性もありますが、その今野も故障で一時戦線離脱。第11節から復帰したものの90分できるコンディションではない模様。
・SBオ・ジェソクがコンディション不良で前節FC東京戦はベンチ外。もっとも代わりに米倉がいるので何の問題もないでしょうが。
・今野が故障離脱した間、五輪帰りの井手口が無難に穴を埋めています。ただ遠藤も小破して前節はベンチスタートでしたから、ボランチの構成がやや悩ましいかも。
・五輪と言えば主犯格の藤春はなんら燃え尽きることなく元気に出場中!興梠や航との差はなんなんだ・・・
(戦術)
・昨年は1勝4敗。そして今年もアウェーで敗戦。昨年は特にCS準決勝&天皇杯決勝と重要な一戦に負けたためか、すっかり苦手になってしまった感のあるG大阪。
・普段の戦い方はともかく浦和戦についてはG大阪は徹底したカウンター狙いで来るのは間違いありません。普段のフォーメーションは4-2-3-1ですが、浦和戦ではおそらく4-2-2-2気味。リトリート主体ながらも、要所要所で浦和の最終ラインにFW&SHで圧力をかけてくるものと思われます。
・前回対戦時も守備時は1トップのアデミウソンと遠藤がほぼ横に並んで自陣で4-4-2。自陣にリトリートしているのが基本ですが、折を見て浦和最終ラインに2トップがプレッシャーをかけてきました。関根が前に出てくると右SH阿部が最終ラインまで下が5-3-2、さらに遠藤も下がって5-4-1といった格好でカウンター狙い。
・ボールを奪ったら縦パスを長沢に当て、長沢が捌いてアデミウソンが余裕を持って前を向くとSHなり、SBなりが後ろからどんどん追い越してゆく。不用意に最終ラインを上げた相手には遠藤が縦パス一本で裏を取る。そんな攻め口が目に浮かびます。
(浦和の対応)
・関根が警告累積で出場停止。よってWBは宇賀神&駒井の組み合わせしかなくなってしまいました。
・宇賀神をCBで使う余裕がないので、槙野の回復が捗々しくないのであれば、広島戦後半同様遠藤が左CBに入るのでしょう。一時森脇左&遠藤右を試みた時期がありましたが、広島戦の選手交代を見るとミシャもとうとう最終ラインを弄り回すのを止めたみたいで。
・このところCS準決勝では興梠、天皇杯決勝では柏木が不在。前回対戦時は5人もの大胆なスタメン入れ替えを試みて見事自爆しましたが、このところG大阪戦は「代えが効かない選手が誰かしらいない」というのも苦戦の連続の一因になっている気がします。今回も槙野不在でその悪い流れに嵌るのかもしれませんが、今年の浦和は一味違うところを見せてほしいものです。
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<前節:G大阪 3-3 FC東京>
-----長沢-----
倉田--アデミウソン---大森
--井手口--今野---
藤春-金---丹羽-米倉
-----東口-----
得点:15分 大森、18分 長沢、90+1 藤春
HT 今野→遠藤
74分 大森→藤本
81分 アデミウソン→呉屋
<前回:G大阪 1-0 浦和>
----アデミウソン-----
宇佐美--遠藤---阿部
--井手口--今野---
藤春-岩下---金-丹羽
-----東口-----
得点:8分 宇佐美
61分 アデミウソン→パトリック
85分 宇佐美→倉田
・ミシャは出場停止の森脇に代えて、那須ではなく今季全く試合に出ていない加賀をスタメンに抜擢。これだけでもビッグサプライズなのに、ズラタン・石原・関根・駒井と前節から計5人ものスタメンを入れ替え。そして案の定というかなんというか、チームは組織としての体をなさないまま60分近くを徒過。
・スコアこそウノゼロで終わりましたが、浦和に得点の気配がほとんどなかった一方、ポストやバーに救われた大ピンチはあり、実質的惨敗。蒸し暑い中でボールを支配して相手を一方的に敵陣に押し込むもののなんら得点の気配はなく、逆に変に前がかりになったところをカウンターで仕留められてしまうという「夏のフィンケ」の再来みたいなクソ試合。
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