【TV観戦記】16年2nd第12節:FC東京 1-3 浦和 ~ 試合内容は芳しくなかったが、またしても相手監督の選手交代下手に助けられる!
・積極的に前からプレッシャーをかけてくるFC東京(以下「瓦斯」)に対して浦和は前半からミスを連発してピンチの連続。後半開始早々にとうとう中島にエリア内突入を許したのを機にPKで失点してしまいましたが、何を思ったのか篠田監督は早々に守備的な選手を相次いでつぎ込んで5バックに移行。選手交代で良い流れを自らぶち壊す点ではミシャの右に出る者がいないと思っていたら、なんとミシャの右に篠田がいた!!!
・この選手交代&布陣変更で浦和は思い切って攻めに転じられるようになり、両サイドから再三再四猛アタック。10分ちょっとの間に瓦斯守備陣をいとも簡単にこじ開けての逆転勝ち。浦和の状態がどんなに悪かろうが、毎度毎度勝ち点をくれる瓦斯の優しさに感☆RUI。秋が深まってきたらせっせと煮物でも作って、お礼代わりに盛大に東京ガスを使うつもりです(笑)
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・まるで予定調和のように勝つには勝ちましたが、瓦斯が自爆ボタンを連打するまでの試合内容は決して褒められたものではなく、複数失点を喰らっていてもなんら不思議はなかったお粗末なもの。後半橋本の飛び出しを許した場面で追加点を取られていたら、せいぜい同点止まりで終わったかもしれません。幸いこの大ピンチは西川の好守で事なきを得ましたが、中島にPKを取られた場面も然り、この試合は後方からの飛び出しを許した場面が少なくなく、このままでは次節シャドーの飛び出しが強みの広島相手に苦戦は免れないでしょう。
・篠田監督は特に浦和対策らしきものは講じず、いつもの4-2-3-1で浦和に対峙。ただ前の4人が浦和の最終ラインどころか西川にまで積極的にプレッシャーをかけに行ったのが奏功。浦和は自陣深い位置でのボールロストでピンチに陥ることしばし、特に前田のエリア内突入の場面でヒヤリ(但し前田がシュート空振り)。また西川のキックが珍しく不安定で直接相手に渡ってしまうことも2、3度あり、中島に決定機を作られる一幕も(西川セーブで自作自演)。
・ピッチ状態が良くないこともあってか、浦和は瓦斯の積極策の前にロクにビルドアップが出来ず。、前半のチャンスは西川→武藤裏抜け&こぼれ玉をズラタンが惜しかったのと、駒井に大きく展開してからのサイド攻撃が見られたくらい。30分くらいからようやく浦和らしいパス回しが見られはじめ、両サイドから、あるいは中から分厚く仕掛け始めるもこれといった決定機は作れず。
・失点は柏木が梶山と競り合ってボールを失ったところから。そのまま前に出て来た梶山への応対が間に合わず中島へスルーパスを出され、那須が後方から中島を引っかけてPK。森重が難なく決めて瓦斯先制。
・ここまでは瓦斯やや優勢。もっとも立ち上がりから前4人&橋本あたりまで飛ばしまくったので文字通り「瓦斯欠」も早かろうとは思いましたが、篠田監督は何を思ったのか丸山を投入して早々に5バック化。さらに後方からの飛び出し要員として機能していた中島まで下げて高橋を投入して後半半ばにして守備固め。
・瓦斯は別に4バックに危機が迫ったわけでなく、お疲れの前目の選手を順次入れ替えるだけで十分だったように思うのですが、瓦斯はこの選手交代で攻め手を失ってしまいました。やや優勢とは言え、瓦斯の攻撃は概して前で引っかけてのショートカウンター頼み。ボールを持たされると前田へのロングボールが目立ち、しかもそれは2列目の選手が拾ってナンボ。拾い役・抜け出し役の中島&河野を下げて前田が孤立無援と化してはどうしようもありません。
・この瓦斯の退嬰的な選手交代に助けられ、浦和は瓦斯の反撃を恐れることなく左右からタコ殴りモードに突入。しかも珍しくミシャの選手交代が冴えわたる! 関根クロス→ズラタンヘッドがバーを叩いた辺りから浦和に得点の臭いが漂い出し、関根→後半頭から投入の李ヘッドでまず同点。李に前に入られているのが守備固めで入れたはずの丸山だというのが笑いどころ。
・とにかく浦和に負け続ける瓦斯。負け癖というのは恐ろしいもので、同点に追いつかれただけで瓦斯には沈滞ムードが蔓延。案の定終盤に瓦斯欠を起こしたことも相まって、とうとう守備が大決壊。迫力に乏しい攻撃を仕掛けてはカウンターを喰らい、柏木縦パス→ズラタン裏抜け&シュート→秋元が弾いたボールが東に当たってオウンゴール(笑) なんで飛び込んできた関根に東が付いているのかが謎すぎます。
・逆転に成功したミシャはいきなり青木投入。でも最近の青木は単なる守備固めではなく、ユルユルになった相手に中盤を蹂躙し始めるから恐ろしい。こぼれ玉を拾った青木がそのまま前に突進して駒井と絡み、駒井クロス→途中投入の興梠が珍しく(!)イージーなチャンスをしっかり決めてダメ押し。逆転された時点で瓦斯は負け犬も同然になってしまったようで、青木や駒井に食らいつく選手はおらず、興梠も一瞬見失っているテイタラク。
・同日川崎が大宮との乱戦&乱闘の末に敗れたため、川崎との勝ち点差は2に縮まり、残り5試合で年間勝ち点首位に立つ目が出てきましたが、あまり先のことを考えるとロクなことがない。目の前の相手をとにかくぶちのめして一歩ずつ。
-----ズラタン-----
--高木----武藤--
関根-阿部--柏木-駒井
-宇賀神-那須--森脇-
-----西川-----
得点:77分 李、85分 OWN GOAL(東)、87分 興梠
HT 高木→李
64分 武藤→興梠
86分 柏木→青木
・槙野が先週の練習中に再び小破した模様でベンチ外となり、左CBには宇賀神、右WBに駒井というルヴァン仕様の布陣。瓦斯は前田以外は前目に高さがなく、宇賀神CBで心配なのはセットプレーだけ。宇賀神はこの試合でも文句ない働きを見せて瓦斯の右サイドからは何もさせず。遠藤のコンディション不良でCBの駒不足に悩むミシャには嬉しい誤算。いや、誤算といっては宇賀神に失礼か。
・駒井は序盤徳永にぶち抜かれて守備の不安を露呈してしまいましたが、瓦斯の退嬰的姿勢に助けられて思い切り攻められるようになるとその良さが出てきます。ミシャのスタイルにようやく慣れ、闇雲にドリブルで仕掛けるだけではなく、ドリブルを見せておいてクロスを入れる等、絶えず複数のオプションを持ち、それらを状況に応じて使い分けられるなりつつあるかと。
・五輪から戻ってから大不振の興梠もようやくゴールでひと安心。くだらないボールロストもありませんでした。ズラタンがルヴァン杯以降好調をキープしているだけにいきなりスタメン復帰は難しいと思いますし、興梠自身も現状スタメン落ちやむなしと認めているようですが、興梠復活が待ち遠しいところ。
・一方さっぱりだったのが高木。特にガツガツ来る相手ではなかったはずですが、ほとんどボールは収められず、たまに好機がやって来てもボールコントロールに失敗。こうも出来不出来が激しいとスタメン定着は難しい。基本カウンター要員、ボールを持たせても大丈夫な相手にのみスタメンの可能性が出るくらいなのかも。
・2度好セーブがあったとはいえ、西川のキックが珍しく不安定。そしてまたしてもPKストップならず。この日は先に動かなかっただけマシでしたが(つД`)
-----前田-----
中島---東----河野
---梶山--橋本---
徳永-森重--吉本-室屋
-----秋元-----
得点:48分 森重(PK)
58分 河野→丸山
67分 中島→高橋
80分 梶山→ユ・インス
・篠田新監督のリーグ戦成績はここまで4勝1分1敗と一見監督交代の効果絶大のようですが、やはり相手に恵まれただけのようで、攻守とも特に強い感じはせず。浦和・G大阪・広島・鹿島と続く4試合で相当勝ち点を落としそう。
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