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2016.09.01

【TV観戦記】16年ルヴァン杯準々決勝第1戦:神戸 1-2 浦和 ~ 大幅駒落ちにも関わらず、ほぼフルメンバーの神戸にまさか(?)の完勝

・西川・柏木・遠藤が代表招集で離脱し、槙野・平川が故障離脱中。特にレギュラーCBが2人いないためスタメン構成が非常に難しくなったルヴァン杯初戦。

・そしてふたを開けてみるとスタメンにはCBが那須と森脇しかいない一方、サブにはなぜかCBが3人もいるという珍構成。さらに興梠と李がベンチスタート。これを見た時にはまたしてもミシャが「慣れない面子で慣れないフォーメーションを組む」、往々にしてカップ戦でやらかしがちな悪癖を出してしまったのか!と思い込んで頭がクラクラ。

・一方の神戸はGKと左WBを入れ替えただけでほぼフルメンバー。こりゃ土曜日のリーグ戦で完敗を喫したばかりの相手に大苦戦は免れないだろう、昨年の新潟戦のように第2戦を待たずして事実上準々決勝敗退が決まってしまうような事態が避けられれば御の字といった、いたって消極的というか退嬰的な姿勢でテレビの前に座っておりました。

・ところが意外や意外、試合の入りこそ芳しくなく、またGK大谷の大チョンボで同点に追いつかれる一幕もありましたが、終わって見れば試合はほぼ浦和ペースで推移しての完勝。敢えて難癖をつければ後半追加点を取って、事実上準々決勝勝ち抜けを決めてしまえなかったのが惜しまれるくらい。リーグ戦の完敗を受けてミシャも選手達も修正すべきところをしっかり修正したのが目を惹きました。もっとも神戸が主審と森脇相手に苛立って自爆を繰り返したのにも助けられた気もしますが。

・スタメンこそ見慣れない面子がゾロゾロ並んでいましたが、フォーメーションは奇策を弄さず、いつもの3-4-2-1。ただペドロ・ジュニオールと対峙する左CBに宇賀神を配したのにはびっくり。宇賀神はお世辞にも屈強とは言い難く、それこそペドロとの競り合いで吹き飛ばされたら一巻の終わりでCBは無理すぎるとばかり思っていたのですが、なんとなんと宇賀神がペドロ相手に大善戦。高さ勝負を仕掛けてくる相手ではないのも幸いして、ここはミシャの大博打が成功。

・また土曜の対戦では神戸の3トップ、特にレアンドロへの対応が甘々で、レアンドロにいとも簡単にボールキープを許したのがカウンターを喰らいまくる一因になっていましたが、さすがに今回は那須ががっつりレアンドロに食らいつきに行きました。右サイドでは再三森脇が渡邉と小競り合いを繰り返しながら完封。左では宇賀神が善戦。この辺はリーグ戦の敗戦を受けての修正がはっきり確認できた部分。

・さらに土曜は浦和の動きが概して芳しくなく、ボールを失った直後の高い位置でのボール奪回なんてほとんどできませんでしたが、今回はそこも修正し、前半はセカンドボールを浦和が一方的に回収。2点目は高い位置からプレッシャーをかける姿勢が産んだもの。ここは中3日で神戸はほぼ同じ面子だったのに対し、浦和は相対的にフレッシュな面子が多かったのが効いたのかも。

・もっともさすがに後半はプレスが効かなくなり、最終ラインも下がってしまいましたが、中盤スカスカになりかかったところで青木が大奮戦。

・守備のテコ入れが奏功した一方、攻撃もこの面子でできることを完遂。さすがにこれだけ面子が入れ替わるとビルドアップのぎこちなさは否めず、手数をかけた厚みのある攻撃なんて期待薄だっただけに、那須からの縦ポン一発による先制点(神戸最終ライン裏へ飛び出した武藤→ズラタンスルー→高木)は実に貴重でした。その後も高木が神戸最終ラインへ飛び出すチャンスがあり、再三裏狙いをちらつかせたのが神戸の守備陣形の間延びを誘い、前半の浦和優勢をもたらしたのかも。

・追加点はショートカウンターから。伊野波→峻希へのパスを高木がカットしてズラタンがゴール=土曜日の神戸にやられたパターンをそっくりそのまんまお返し。

・神戸の守備網に引っかからない攻め口で早めに先制点が入り、大谷の大チョンボで同点に追いつかれてもさほど時間を置くことなく突き放しに成功。よって浦和が慌てて攻めざるを得なくなる必要がほとんどなくなり、神戸の狙い=カウンターを浴びる可能性も低くなった。守備は土曜の敗戦を教訓にそれなりに修正。煎じ詰めればこの日の完勝はそういうことなのでしょう。

-----ズラタン-----
--高木----武藤--
関根-阿部--青木-梅崎
-宇賀神-那須--森脇-
-----大谷-----

得点:6分 高木、41分 ズラタン

66分 ズラタン→李
66分 武藤→興梠
90+4分 梅崎→加賀(故障による交代)

・この日1ゴール1アシストと大活躍の高木。落ち着きがあって視野が広く、走りこむべきところに走りこんで、ピンチにはしっかり自陣深くまで戻ってくる。別人ではないのか?と訝しくなるくらいの出色の出来。無理にドリブルで突っかけて潰され、DFに詰め寄られるといとも簡単にボールを失い、往々にして守備はサボりがちといういつもの高木は何処へ??? この出来がコンスタントに発揮出ればスタメンとまではいかなくても途中投入の一番手にはなると思いますが。

・一方、興梠は五輪出場で調子を落としてしまったのか、高木→興梠の決定機でシュートが枠にすら飛ばなかっただけでなく、終盤何度かあったカウンターチャンスで李との呼吸が合わずにチャンスをフイに。李共々、中盤スカスカになってきたところで運動量回復を企図して投入されたようなものなので、守備という最低限の仕事はやっていたかと思いますが、興梠不振は土曜日の敗戦の一因でもありちょっと残念。

・残念といえば大谷。森脇からのバックパスを受け、猛然と詰めて来たレアンドロに対して余裕をかましすぎたのが仇となってボールを奪われる大失態。西川ですらたまーにやらかしてしまう、GKからでもしっかりボールを繋ぐミシャスタイルにありがちな大チョンボで、当の大谷のみならずパスコースを作ってやらないDF陣の責任も問われるのでしょうが、そもそも勝っている局面で無理に繋ぐ必要があるとは思えず。なんでこうなるの?欽ちゃんならずとも首をひねらざるを得ません。

・試合終了間際に梅崎が負傷退場。このところWBの優先順位で宇賀神・関根はおろか駒井にさえ抜かれてしまった感がある中、久々のスタメン出場で90分なんとか無難に終わろうとしていただけに、長期離脱に至らねばいいのですが。

・ミシャは試合終了直前の宇賀神に難癖をつけていますが、これは甚だ疑問。もっとも「我々は4点、5点取って、今日で試合を決定づけなければいけないゲーム」だったのは同意しますが、そこで責められるべきは前述の興梠であり、後半立ち上がりの高木→武藤の逸機でしょうに。特に武藤の逸機は埼玉県じゅうの寿司屋が三枝ばりに椅子から転げ落ちたかと

-----レアンドロ----
--渡邉----ペドロ--
松下-ニウトン--三原-峻希
-高橋祥-伊野波-岩波-
-----徳重-----

得点:35分 レアンドロ

HT 松下→相馬
59分 三原→藤田
59分 渡邉→中坂

・代表招集のGKキム・スンギュに代えて徳重。また左WBには土曜に故障した田中雄に代えて途中から投入された松下を据えただけでほぼフルメンバーの神戸ですが、全くいいところなく敗戦。決定機は試合開始直後に阿部の横パスをカットしてからのカウンターと、後半浦和のラインコントロールが乱れてレアンドロが裏抜けに成功した場面くらい。

・浦和の最終ラインが下がった後半はボールを支配する時間が長くなりましたが、ボールを持たされると攻め手がないのが神戸の現状。ネルシーショの早め早めの選手交代もどれ一つとして効果なし。怪我明けの相馬はいかにも試合勘なさげでしたし。

・この日笑ったのが82分のペドロの退場。神戸に不利とみられる判定が相次いで、後半渡邉・レアンドロ・ペドロと立て続けにイエロー。森脇と直接対峙せざるを得ない渡邉はもちろん、至る所でちょろちょろ森脇が神戸の苛立ちに関与しているのがミソ。とうとうペドロが傷んで転がっている森脇を蹴ってしまい、2枚目のイエローで退場。

・さすが相手、特にブラジル人選手を苛立させる能力だけはワールドクラスの森脇。これで第2戦にペドロは出場停止。森脇は実に良い仕事をやってのけました。痛がって転んでいる森脇はブービートラップみたいなもので触ったもの負け。チームメイトですら触らないのに(苦笑)。

・峻希は相当関根が苦手かな? 序盤に関根にいきなりぶっこ抜かれ、その後も岩波共々関根&高木のコンビネーションに翻弄され続けました。

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