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2016.10.23

【観戦記】16年2nd第15節:新潟 1-2 浦和 ~ 復活、全農にいがたのおにぎりパワーだ!最後の最後で新潟を突き放す

・新潟とはなぜか極端に相性が良く、リーグ戦ではわずか1敗しかしたことがない相手ですが、楽勝だった試合は少なく毎度毎度辛勝どころか「勝てたのが不思議」としか言いようがない試合も少なくありません。そして今回もまたしてもいつもの新潟戦の展開に。

・戦前予想で3週間試合のなかった新潟を「浦和戦に向けて準備期間が十分取れた反面、試合勘がまるでないかもしれない」と評しましたが、試合展開はほぼその予想通りに。立ち上がりは試合勘のなさを露呈して早々に失点。しかし森脇の大失態で早い時間帯に同点に追いついた後は周到に準備された浦和対策が見事に奏功して、間違いなく勝ち点1は掴める流れになっていたと思います。

・しかし最後の最後で勝ち点3に色気を出し、関根を完璧に封じていた小泉を外して指宿を入れたのが仇となって、残留争いを勝ち抜く上で是非とも必要な勝ち点1すら奪えない最悪の結果に。もちろんその失点の直前の武蔵ヘッドが決まっていたら片渕采配ズバリになっていたわけでその辺は所詮結果論なのかもしれませんが、「勝ち点3に色気を出して勝ち点1すら奪えずに終わる」あたりがいかにも新米監督

・悪い試合ではなく、敗れても新潟の選手を野次る声はほとんど聞こえなかったのは頷けますが、もはや内容なんてどうでも良くて勝ち点だけが重要な時期だから、新米監督にとって痛すぎる敗戦かと。

・一方浦和の出来は良くありませんでした。120分&PK戦に及んだルヴァン杯決勝のダメージは殊の外大きく、宇賀神が負傷欠場した上に柏木も足首捻挫でベンチスタートながら事実上使えない状態。さらに関根も右足つま先を傷めたまま出場。こういった明らかな故障者・負傷者がいるだけでなく全体に動きが良くなく、最近の浦和には珍しく玉際での競り負けも少なくありませんでした。もっとも競った相手が往々にして中央を駆けまわるレオシルバで「相手が悪かった」という気もしますが。

・同点に追いつかれた後の浦和の攻撃は時間の経過と共に手詰まりに陥って、どう見てもドロー已む無しといった展開に。それでも勝ち点3を焦ってむやみに前がかりになることなく粘り強く闘い、大ピンチの直後に訪れたカウンターチャンスを生かして最後の最後で新潟を振り切っての辛勝。万全には程遠いチーム状態でも勝ち点3を掴み取れるようになったあたり、浦和も強くなったものだと感涙に咽ぶことしきり。

001

・新潟は基本4-4-2ながら、守備時には右SH小泉が最終ラインに下がって5-3-2、さらには成岡も2列目に下がって5-4-1の守備ブロックを作る前回対戦時と同様の浦和対策。吉田前監督が埼スタから勝ち点1を持ち帰った策をほぼ丸パクリしたようなもので、この辺りに丸3週間も試合がなかった新潟の用意周到さが見て取れました。

・但し、前回対戦時よりは立ち上がりの最終ラインはかなり高めで、それなりに前からプレッシャーをかけてきました。この「それなりに」というのが曲者で、悪く言えばいかにも中途半端。遠藤からの縦パス一本で興梠に最終ラインの裏を取られてたちまち失点。ボールの出し手にたいしてプレッシャーがかかってないのに最終ラインが高い時にありがちな失点パターンで、この辺が新潟の試合勘のなさを露呈したような気がしました。

・毎度毎度難しい試合になる新潟戦で早々と点が取れたため、その後はやむなく前に人数をかけざるを得なくなった新潟相手に淡々とカウンターをお見舞いするだけと軽く考えていたのですが、そんなお気楽ムードを木っ端微塵にしたのが森脇の大失態。遠藤への緩いバックパスをいきなりラファエルシルバに掻っ攫われるというこれ以上ない大失態。さらに遠藤もあっさり交わされてラファエルシルバは楽々独走でゴール。

・早目に同点に追いついた新潟はやや最終ラインを下げ、かつリトリート主体に切り替えて来たためか、浦和の最終ライン裏狙いは奏功しなくなりました。楔のパスなんてほとんど入った試しがなく、浦和の攻撃はロングボールでいきなり両WB、特に駒井へ展開してのサイド攻撃一本槍に。

・しかし、クロスは全部中央で弾き返されて決定機に至らず。それどころか攻めきれずにカウンターを食らう場面が増え始め、森脇と駒井にイエロー。特に森脇は大失態を犯して以降大暴走してしまい、特にレオシルバに絡まれてボールを失う場面が目立ちました。

021

・浦和右サイドが2人とも前半のうちにイエローをもらってしまう非常事態に直面したミシャは、メロメロだった森脇を前半だけでクビチョンパにする大英断!対面に攻撃だけは元セレソンの匂いを微かに残しているコルテースがいるだけに、右サイドで退場者が出てしまう、あるいはイエローを恐れて対応が軽くなるのを恐れての大英断なのでしょう。もっともそれは遠藤が右CBで使える目処が立っているからこそ成り立つ算段なのでしょうが。

・ミシャはさらに武藤→ズラタン、高木→李と早めに交代枠を使い果たしましたが、いずれも奏功したとはいえず。この日久しぶりにスタメン出場の機会を得た青木はルヴァン杯ほどの活躍を見せられなかったどころか終盤失速の気配著しく、後方から高精度のパスを配球できる柏木不在の影響が如実に出て、前目を入れ替えてもそこに良いボールが出ない。

・さらに時間の経過と共に両WBがキレを失い、ボールロストを繰り返すようになって浦和は完全に攻め手を失ってしまいました。森脇を外したことで守備の穴は塞がりましたが遠藤は攻撃参加を自重したためか駒井が孤立がちになり、逆に新潟のボールの奪いどころになってしまった感も。

・興梠の2点目に至るまでの浦和のチャンスは阿部の縦パスを受けた興梠が倒れながらエリア内で粘って駒井が巻いてシュートが惜しかったくらい。一方成岡に代えて武蔵を投入し、虎視眈々とカウンターの機会を伺う新潟に2度絶好機がありましたが、77分松原→武蔵ヘッドは惜しくもオフサイド。さらに89分にも松原→武蔵ヘッドのビッグチャンスは西川が片手で辛うじてセーブ。

・ところがこのビッグチャンスの直後に2次攻撃を仕掛けたレオシルバがボールを奪われたのが新潟の命運を分けた格好に。浦和はレオシルバ不在を奇貨として素早く関根に展開し、関根が対面の松原&加藤の間に上手くパスを通して興梠が仕上げ。カウンターを喰らって守備のバランスを崩しているので致し方ないのかもしれませんが、逆サイドの加藤がやむなく松原に加勢しているあたりがいかにも苦しい。

・この場面、興梠の前で李が舞行龍を抑え込みながらスルーをかましたのが効いています。李は高木に代わって早目の時間帯に投入されたものの全くと言っていいほどいいところがなかったのですが、最後の最後で大仕事。しかも李の「俺が俺が」が悪いほうに転んで強引にシュートを撃うのではなく、きっちり興梠のシュートをお膳立て。興梠との相性の良さを思い出したかのような好プレーが最後の最後で飛び出すとは! やはり今の李は何かを持っている。

・同日川崎も勝ったため、浦和の2ndステージ優勝は次節以降へ持ち越し。また年間勝点1も堅持しましたが、川崎との差はわずか1のまま。

022

-----興梠-----
--高木----武藤--
関根-阿部--青木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----

得点:7分 興梠、90分 興梠

HT 森脇→那須
63分 武藤→ズラタン
69分 高木→李

・大チョンボを犯した後に我を忘れてしまったかのような振る舞いを見せた森脇をミシャが前半だけでひっこめただけでも十分驚きですが、それ以上に驚いたのは故障を抱えた柏木を無理使いしなかったこと。かつて興梠を無理使いして痛い目に遭ったG大阪戦に象徴されるように、これまでのミシャは信頼できる選手と心中しがち。特に森脇や柏木はコンディションの良し悪しに関係なくミシャが使いたがる選手の代表格なだけに、この日のミシャの采配には心底驚きました。

・ルヴァン杯決勝でアデミウソンに簡単に入れ替わられてしまったのに続き、この試合ではラファエルシルバにいとも簡単に抜け出されてしまった遠藤。Jリーグトップクラスの外国人選手に立て続けにやられてしまい、この感じでは正直A代表定着は難しいのではないかと。

・興梠はこの日の2ゴールで見事J1リーグ100ゴールを達成。在籍期間は鹿島より浦和のほうがはるかに短いにも関わらず、前所属の鹿島でのゴールが49、浦和でのゴールが51とゴール数が逆転。まぁ鹿島ではファーストチョイスではなかった一方、浦和では鉄板のスタメンという位置づけの差がなせる業でしょうが、興梠を無料で提供していただいた鹿島には今後とも足の裏を見せつけながら寝ようと思います

・そしてその興梠をエリア内で松原が後方から倒した場面はPKじゃないのか??? また新潟が壁を作っている間にFKを蹴ってしまった阿部になぜかイエローが出ましたが、イエローを出すかな、フツー・・・

023

---成岡--ラファエル---
加藤--------小泉
---レオシルバ-小林---
コルテス-西村-舞行龍-松原
-----守田-----

15分 ラファエルシルバ

59分 成岡→鈴木
76分 ラファエルシルバ→野津田
87分 小泉→指宿

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