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2016.10.21

【展望】16年2nd第15節新潟戦

(新潟の現状)

・勝ち点30(8勝6分17敗)で年間14位。1stステージが勝ち点18の13位、2ndが勝ち点12の14位と年間を通じて低迷しており、降格圏にいたはずの名古屋が監督交代&闘莉王復帰で急激に勝ち点を積み上げてきたため、新潟は熾烈な残留争いに巻き込まれてしまいました。

・第13節鹿島戦に敗れてリーグ戦今年2度目の4連敗を喫した時点でとうとう吉田監督の解任を決断。往々にして「ポゼッションのためのポゼッション」に堕してしまいがちな吉田監督が伝統的にカウンターに持ち味がある新潟に来てもなかなか結果は出ないだろうと多くの人が予測してところ、結果は案の定。

・後任は片渕コーチが内部昇格。基本的に下部組織畑の方で、トップチームの指揮は初めて。

・残留争いの渦中にあるチームなので、スタッフは「得点は少なく、失点は多い」という悲惨なものですが、残留争いにあるチームの中では相対的に失点が少なく、またやたら1点差負けが多いので得失点差も極端に悪くはなく、その分ちょこっとだけ水面上に顔を出している感じ。

(戦力)

・1stステージから成績不振だったにも関わらず夏の移籍期間中にこれといった補強はなく、前回対戦時から戦力に変化なし。移籍市場でレオシルバにちょっかいをかけられたり、逆に川又にちょっかいをかけたりと名古屋と小競り合い(苦笑)がありましたが、それも新聞紙上を賑わせただけで終了。

・年間を通じてしょっちゅう主力に怪我人が発生。直近では大野&舞行龍とレギュラーCBが2枚とも故障してしまい、代わりに出た選手はどう見てもJ1レベルになくて横浜Mに惨敗。舞行龍は既に戦列に戻っていますが、浦和戦は第11節から離脱中の大野が戻ってくるかどうかが鍵。

・監督が代わってまだ1試合しか消化しておらず、監督交代が選手起用に及ぼした影響は見定めがたいのですが、武蔵が五輪から戻ってきたあおりを受けてか達也は第9節から出場なく、ベンチ外の試合も増えてきました。

(戦術)

・新潟は前節からなんと3週間も試合がありません。中断期間を利用して嬬恋キャンプを張るなど新監督の下でのチーム立て直し&浦和対策の時間が十分取れたのは好材料とも受け取れますが、逆に言えば試合勘がまるでないという見方も出来ます。いずれにせよ、新潟の出方はやってみないことには皆目判りません。

・吉田末期には3-4-2-1のフォーメーションを試行していましたが結果はボロボロで、監督交代初戦では再び4-2-2-2に変更。但し、柳下時代のように敵陣でも遮二無二プレッシャーをかけてゆく様子はなく、ハーフライン付近からガッとボールを奪いに行く感じ。ボールを奪ってからは吉田監督の時よりは明らかに縦に速く攻める意識が高まっていて、縦パス一本で相手最終ライン裏を狙うこともしばしば。端的にいえば吉田路線を捨てて伝統的な新潟のスタイルに回帰途中みたいな。

・前回対戦時は吉田監督の策が見事に奏功して超苦手の浦和相手にスコアレスドロー。基本4-4-2ですが、守備時には5-3-2、ないし2トップの一角も下がって5-4-1へシフト。5バックに変わる際にボランチが1枚下がるのではなく、必ず右SHが下がるのが少々ユニークでした。しかもガンガン前からプレッシャーをかけて来た柳下時代から一変してリトリート主体。

・片渕監督がこの策をそのまま踏襲して、少なくとも前半はセーフティーに試合を運んでも何ら不思議はありません。残留争いの渦中にいるけれども降格圏にいるわけではないので、首位のチーム相手に勝ち点1を確実に取りに行くと考えるのが普通でしょう。

(浦和の対応)

・休養十分だが試合勘がまるでない新潟とは対照的に、毎週コンスタントに試合がある浦和。ルヴァン杯決勝はPK戦にまでもつれ込む激闘となり、前半のうちに小破退場した宇賀神はもちろん、興梠を筆頭に疲労困憊のあまり途中で動けなくなった選手も続出し、そのダメージは新潟戦にまで残る可能性は少なくありません。

・前回対戦時は今年序盤の目標だったACLグループリーグ通過が決まり、かつ連戦に次ぐ連戦が終わってチーム状態が目に見えて下降線を辿りはじめた中での一戦でした。今回もルヴァン杯奪還という目標を達成した後の一戦になります。まさかルヴァン杯決勝がピークだったという感じにはならないでしょうが、コンディション調整が少々難しいかもしれません。

・優勝の喜びが疲労感を多少なりとも吹き飛ばしはするでしょうが、選手のコンディション如何でミシャが多少選手を入れ替えてくるかもしれません。今年のミシャにはそれだけの余裕があります。

・何分相手の出方が判らないので、浦和も序盤は慎重にならざるを得ないでしょう。前回対戦時から一変して新潟が前から厳しくプレッシャーをかけて来ても、慌てずにボールを繋いでプレッシャーを交わし続ければ、新潟が疲れる後半に勝機あり。ルヴァン杯決勝の失点場面のように軽率に攻めに出てショートカウンターを喰らうのが一番バカらしい。

・残留争いしているチームはリーグ戦終盤になると往々にして「窮鼠猫を噛む」勢いで立ち向かってくるので楽な試合にはならないでしょうが、十分準備期間はあったとはいえ、相手はトップチームを率いるのが初めての新米監督。90分の間にチームの熟成度の差をどこかで見せつけることができれば問題ないでしょう。

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<前節:磐田 1-2 新潟>

---ラファエル--指宿---
成岡--------加藤
---小林--レオシルバ--
コルテス-西村-舞行龍-松原
-----守田-----

得点:22分 レオ・シルバ(PK)、89分 山崎

65分 成岡→山崎
72分 指宿→鈴木
83分 ラファエル・シルバ→野津田

※小泉が出場停止

<前回:浦和 0-0 新潟>

---山崎--平松---
達也--------小泉
---レオシルバ-加藤--
前野-大野-増田-舞行龍
-----守田-----

68分 達也→端山
82分 平松→野津田
84分 山崎→成岡

・4バックがボールサイドへスライドして、空いた逆サイドをSHが下がって埋めて5バックになるというのは時々ありますが、ボールの位置とは無関係に特定のSHが下がるというのはちょっと記憶にありません。しかも普段ボランチの小泉がSHで、普段SHの加藤をボランチに配する奇策付き。

・しかもリトリート主体の守備だったのも予想外。新潟のスタイルならてっきり4-4-2のまま前から遮二無二追ってくると思ったのですが、前からはせいぜい2トップが追ってくるくらいでSHはさほどでもなく。吉田監督から見ればもうちょっと高い位置でボールを奪いたかったのでしょうが、結果的にはズルズル押し込まれてドン引きに。ただ新潟は押し込まれてからが粘り強く、浦和は時間の経過と共にほとんど決定機らしい決定機を掴めなくなってそのまま試合終了。

・吉田監督は柏時代に浦和戦で勝ちこそないものの、すべての試合で善戦していて浦和対策には自信を持っているのでしょう。浦和の選手達のパフォーマンスが良くなかったのもさることながら、吉田監督の策が見事に嵌りました。

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