【観戦記】16年2nd第14節:浦和 4-0 G大阪 ~ こんなに弱いガンバってめっちゃ久しぶり!!!
・試合内容にスコアほどの差はなかった広島戦と違って、スコアでも試合内容でもG大阪を粉砕!!! 長年ここぞという試合で、しかもあろうことかホーム埼玉スタジアムで再三煮え湯を飲まされ続けたG大阪を完膚なきまでに叩きのめして実に愉快痛快。
・G大阪のシュートはたった3本。しかも枠内シュートは前半の倉田のミドルシュートが西川の真正面に飛んだものだけで、全くと言っていいほど得点の可能性はなく、西川はたこ焼き片手に守っていても何の問題もなかったくらい(笑) いやはやこれほど弱いG大阪が見られるとは!
・G大阪は金が出場停止&岩下が怪我明けで無理できない状態でCB岩下の相方に困り、かつ今野も故障明け後コンディション不良で守備面で大駒を2枚欠いている状態。さらに遠藤が絶不調と多少同情の余地がありましたが、そこは控え選手のやりくりではミシャよりも一日どころか十年くらいの長がある長谷川監督。これまでなら苦しい台所事情でもそれなりに勝ち負けに持って行けたのではないかと思うのですが、終わってみれば浦和に手も足も出ない惨敗。
・一方、昨年まで控え選手の活用がとにかく下手で、レギュラー陣がシーズン終盤に疲弊→チーム失速を繰り返してきたミシャもついに控え選手の活用法を会得。この試合では1stステージでは全くと言っていいほど戦力にならなかった高木&駒井が共に大爆発。
・さらに怪我や五輪後遺症で主力がスタメンから外れても特段問題ないレベルにまでサブのレベルが上がり、主力を無理使いしなくて済むので当然ながらシーズン終盤になっても疲弊しないという好循環が発生。ここまで来るのに5年もかかったのか!という気がしないでもありませんが、浦和がこれといった不安材料がない状態でシーズン終盤を迎えらえるようになるとは長生きしてみるもんですなぁ・・・
・同日川崎が神戸に大敗したため、ついに浦和が年間勝ち点1位を奪取(かつ一応2ndステージも2位神戸に勝ち点5差をつけて首位堅持)。もっとも最後に1位に立つのが最重要で、この時期の1位なんて無意味も同然。あの日の悔しさ、あの日の屈辱を晴らすために、来週のルヴァン杯を含めて目の前の相手を一つずつぶちのめして前に進み続けてほしいものです。
・G大阪は長沢&アデミウソンが横並びっぽい形の4-4-2でリトリート主体で守ってカウンターを狙うといういつも通りの対浦和戦術。ところが2トップの前からのプレッシャーはさほどきつくはなく(特にアデミウソン)、さらに不思議なことに前回対戦時とは対照的に両SHはほとんどプレッシャーをかけてきませんでした。コンディションに差が出るような日程ではないはずなのに、G大阪の出方が実に消極的だったのがこの試合の謎。結局いつもの対浦和戦術が上手く嵌ったのは前半40分くらいに浦和が自陣深くでボールを失った場面だけかと。
・これだと浦和のビルドアップを阻害する要因はないに等しいので、浦和は普段通りにビルドアップして中から外、外から中と細かく繋ぎながら相手の隙を伺ういつも通りの攻めを繰り出すだけでOK。そして前半6分に右サイドの駒井の仕掛けを基点に柏木→武藤→高木であっさりG大阪守備陣を崩して先制。どうしたガンバ、脆い、脆すぎる!
・「半ばボールを持たされるような状態になり、焦って攻めてカウンターを喰らう」というのがG大阪戦の浦和の典型的な負けパターンなだけに、先制点が入って焦って攻める必要がなくなったのは実にでかかった。
・一方先制されたG大阪もギアチェンジして積極的に反撃に転じる風でもなく、前半はだらだらと時間が徒過。G大阪がボールを奪っても最終ラインを上げて高い位置からプレッシャーをかけてくる浦和の守備に苦しんでまともなビルドアップができず。いつもの遠藤なら相手が多少寄せて来ても平然とその裏を取るようなパスが出せるはずですが、この日は出しどころを見いだせずに長考に沈んだ挙句ボールを失う場面が目立ちました。
・苦し紛れに長沢に放り込んだところで、長沢は槙野なり遠藤なりに封じられて何もできず。これほど何もできない1トップというのも珍しい。この出来では「長沢待望論とは何だったのか???」と首をかしげざるを得ず、2ndステージで突如ブレイクしたのは単に相手が弱かっただけではないのか疑惑が急浮上。ビルドアップは出来ず、長沢のポストプレーが機能しないようではアデミウソンも前を向きようがなく、消えたも同然の状態で前半終了。
・さすがにこれではまずいと思ったのか、長谷川監督は後半頭から大森に代えて藤本を投入し遠藤を2列目に上げてきました。遠藤の不振を補うべく、藤本を入れてボールの出しどころを増やしたつもりなのかもしれませんが、これが裏目に。G大阪のなんら攻撃は活性化されることなく、ただでさえ守備に穴が開きかかっているのに、全然守れない藤本を入れたことでさらに穴が広がる始末。
・50分の浦和2点目は武藤がバイタルエリアから急襲したもの。西野に当たってわずかに軌道が変わる幸運もありましたが、前節FC東京戦を見てもG大阪のバイタルエリアがゆるゆるで中島や河野にミドルシュートを撃たれまくっていたので、武藤のゴールは半ば必然。武藤に形ばかり寄せていたのが投入したばかりの藤本だったというのが実に笑える。
・さらにアデミウソンが槙野ともつれ合って転んだ際に槙野をどついて一発退場。これで長谷川監督はこの試合を諦めて、水曜日のルヴァン杯への準備に切り替えたのでしょう。遠藤を下げて呉屋を投入っていくら遠藤が絶不調とはいえ、アデミウソンも遠藤もなしに攻撃の組み立てができるはずがありません。思い出したように縦にポーンと蹴って呉屋を浦和最終ライン裏に走らせるだけって、浦和はいくらなんでもJ3じゃないんだから(笑)
・川崎や昨年の広島と違って、しょぼい相手から大量得点で得失点差を稼げないのが浦和の悩みでしたが、この日は一味違いました。G大阪の反撃とも言えないような反撃をひとしきり右から左へと受け流して終盤に大反撃。83分駒井→森脇クロス→宇賀神で3点目。サイド攻撃を仕掛けて逆サイドのWBが決めるという「ミシャスペシャル」って4バックの相手が往々にして喰らいがちなパターンですが、この大一番で炸裂するとは! 勝ちが見えていた状況ゆえ多少気楽だったせめかもしれませんが、ダイレクトボレーできっちりゴール隅に持って行くなんて実に宇賀神らしくない(苦笑)
・4点目は噴飯物。駒井のクロスをかろうじて止めたもののそのまま倒れ込んでしまった李。李の回りにはアホほどG大阪の選手がいるのにボールを奪いに行ったのが西野だけで、しかも奪えずにズラタンに繋がれる大失態。ズラタンに付いた丹羽はこれまたいとも簡単に反転を許してズラタンゴールって、こんなゴールはG大阪の集中が切れてないと普通入らんって!!!
-----興梠-----
--高木----武藤--
宇賀神-阿部-柏木-駒井
-槙野--遠藤--森脇-
-----西川-----
得点:6分 高木、50分 武藤、83分 宇賀神、87分 ズラタン
66分 興梠→ズラタン
69分 高木→青木
84分 柏木→李
・きっと君は駒井。前節柏に苦戦を強いられ、早い時間帯に交代を命ぜられた駒井。この日も対面が藤春で、駒井が絶えず藤春に背後を脅かされるような試合展開になるとまずいと思ったのですが、G大阪がそもそもロクにボールを前に運べないので藤春は前に上がるに上がれず。こうなると「攻めダルマ」と化した駒井は実に頼もしく、逆に藤春をチンチンに。駒井自身の得点こそありませんが、得意のドリブルだけでなくクロスも良ければ、いつの間にか視野も広がり、周囲との連携も著しく向上してMOMといっても差し支えないくらいの働きでした。
・この日は那須に代えて遠藤がスタメン復帰。長身の長沢相手にわざわざ遠藤を使う意図が謎で、ルヴァン杯で槙野不在になるのを見越して那須を休ませたのかもしれないと思いましたが、遠藤は全く危なげなく長沢に対応。最終ラインを高く保って中盤のプレッシャーを強めるだけでなく、後方から広範囲へ配球ができるという遠藤のストロングポイントも随所で披露。遠藤もようやく五輪後遺症から抜け出したようで、この出来ならルヴァン杯も視界良好。
・同じ故障明けの槙野。この日の攻撃は右サイド偏重で、地上波中継を意識して槙野が調子をこぐ場面は少なかったかと思いましたが、最後の最後で高木も柏木もベンチを下がってしまったのをいいことに久しぶりに直接FK。しかもそれが珍しく枠内に飛んで東口がファンブルするという一幕が。こんなところで運を使うなよ・・・
-----長沢-----
倉田--アデミウソン---大森
---遠藤--井手口--
藤春-西野--丹羽--オ
-----東口-----
HT 大森→藤本
62分 遠藤→呉屋
72分 長沢→今野
・思い通りにならない試合展開にイライラしてか、G大阪は随所でラフプレーを連発。アデミウソンが一発退場になってしまいましたが、それ以外のカードが遠藤と藤本だけだったというのはG大阪にとって相当運が良かったかと。審判によってはもうちょっとカードを喰らってもなんら不思議はなかったかと。
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