鶏めし@大館・花善
大館の有名駅弁「鶏めし」を久しぶりに賞味。全国的に駅弁業者が衰退する中で、花善は大館駅前で今なお健在。
併設しているレストランは改装工事のため休業中でしたが、その傍らで駅弁を販売。というか、弁当をせっせと作っている作業場の片隅に販売窓口を設けていて、なんか作業を中断させてしまったようでちょっと申し訳ない感じ。
醤油味の鶏肉の煮汁で炊いたご飯を主とするシンプルな駅弁。駅弁は冷えても美味いように味を濃い目に作るのが通例ですが、鶏めし自体は甘味こそ強いもののそれほど味が濃いという感じはせず、、乗せものの鶏肉を濃い目に煮込むことで補っている感じ。従ってシンプルな造りの割には飽きが来ないし、しつこくもない。鶏からほんのりにじみ出る脂が鶏めしの旨みを増している気も。
ただ副食のかまぼこや鶏つみれはまだしも、鶏めしに合わせるのにがんもどきはちょっとしつこいかと。山菜があると良いのですが。
花善の公式サイトによると、
「先代社長が戦後まもなくの頃、物資不足から、配給が米・砂糖・醤油・ゴボウしかなくまとめて炊いてみたことから、その味が好評を得て原型が生まれました。」
「のち昭和22年に商品化する際に、昭和15年頃に販売していたキリタンポ弁当の売れ残りの鶏肉を、甘辛く煮付けて賄い食としていたことを思い出し、ご飯と合わせることにより当時80銭で販売を開始しました。」
とあり、しかもその後パッケージや容器等は変遷したものの、頑に味付けだけは守り通しているとのこと。なんかめちゃ原価安そうな気がしますが(苦笑)、有名駅弁なのに今でも1000円未満で頑張れる所以でしょうなぁ。
新幹線から遠く外れているのでなかなか行く機会がない大館ですが、「鶏めし」は今や大館に行かないと売ってないわけではなく、秋田の主要駅や秋田空港、新青森駅、はては仙台駅や東京駅でも売っていて、入手難というほどでもないのですが、駅弁というのは現地に行ってこそ旨味が増すような気がしてなりません。
| 固定リンク