【観戦記】17年さいたまシティカップ:浦和 1-1 FCソウル
・昨年ACLで死闘を繰り広げたFCソウルを迎えて開催された「第10回さいたまシティカップ」。開幕前にACL出場レベルの相手とひと叩きしておくこと自体は悪くありません。
・ただ、間が悪いことに今年のACLはソウルと同組になってしまいました。しかも同組になるのが決まったのは天皇杯決勝の結果を受けてなので、対戦相手の変更等今更どうにもならず。浦和が主催した試合ではないとはいえ、この「間の悪さ」がいかにも浦和。2週間後に再戦するのが判っているのでお互いやりづらく、ハーフタイムで浦和は全員、ソウルも大半の面子を入れ替えて、まるで練習試合モード。
・また浦和は前日沖縄キャンプから戻ったばかりで、およそ試合ができるコンディションではなかったのかもしれません。ソウルに出足で負け、球際の競り合いで負け、パスミスは頻発と全く良いところなく、非常にしょっぱい試合になってしまいました。失点は森脇が自陣深い位置でボールをコントロールしきれずに掻っ攫われたところから。さらにフィニッシャーに対する宇賀神の寄せの甘さのおまけ付き。まぁ起こりうべくして起こった失点でしょう。
・後半はソウルもぐだぐだになり、終盤長澤のゴラッソでなんとか同点に追いついて、親善試合に相応しい結果で試合終了。
・21日のACL初戦(アウェーWSW戦)までにコンディションを上げれば十分なので、この試合の塩加減を云々してもあまり意味はないかと。ただ結果度外視&調整途上のPSMなのにチケット代がリーグ戦並み、いやさらに割高っちゅーのはないわ。特に割高なバック1F中央はガラガラでテレビ的に非常に見栄えが悪くなる始末。間が悪いだけでなく、勘違い感ムンムンの「第10回さいたまシティカップ」でした。
・MOMに相応しいのは長澤ではなく、三菱重工のCMでしょうなぁ、どう見ても(苦笑)
<前半>
-----興梠-----
--武藤-----李--
菊池-阿部--柏木-関根
-宇賀神-遠藤--森脇-
-----榎本-----
得点:38分 イ サンホ
・菊池と榎本が入っただけで、それ以外は昨年の基本スタメンがずらり。その割りにお粗末な試合内容で、浦和のチャンスらしいチャンスは36分に一回あっただけ。しかもその好機に武藤のシュートは弱い上に枠外という惨状。
・ソウルは4-1-4-1の布陣で前から厳しくプレッシャーをかけてきましたが、浦和はビルドアップに四苦八苦しつづけて前半終了。強風のせいかサイドチェンジが全くと言っていいほど通らないのには参りました。またボランチの片方が最終ラインに下がらず、ほとんどの時間帯で3バックのままでボール回ししていたように見受けられましたが、どういう意図だったのかな?
・菊池は前半唯一の決定機に絡んだ一方、ワロスあり、簡単に裏を取られる場面ありと、まぁそんなもんなかという印象。もっとも左サイドは菊池出来云々以前の問題としてコンビネーションに難を抱えていましたが。
・西川を見慣れると榎本の足元はちょっと怪しげ。もっともこれは榎本自身の問題というより、最終ラインとのコンビネーションの問題のほうが大きいのかもしれません。
<後半>
-----ズラタン-----
--矢島----オナイウ--
駒井-長澤--青木-平川
-槙野--那須--田村-
-----岩舘-----
得点:83分 長澤
・ミシャは予告通りハーフタイムで全員入れ替え(ベンチ入りベンバーで伊藤だけ出場機会がありませんでしたが、怪我で沖縄キャンプでも練習試合に出てなかった以上已む無しか)。動き自体は前半の面子よりは多少マシかなと思いましたが、当然ながらコンビネーションが壊滅的。ただソウルの出来も浦和に合わせて(?)馬なりっぽくなり、相対的に後半のほうが個々人の出来不出来が良く判るようになりました。
・ゴラッソを決めた長澤。ボランチにしてはポジションが前目で、積極的に好機に絡んでくるというのは千葉での役割そのもので、後半立ち上がりにもドリブルで自ら持ち上がってオナイウの決定機を演出する一幕も。その反面後方で広範囲にパスを捌く仕事は苦手そうで柏木の代わりにはならないけれども、ドン引き相手のあと一押しには使えるかもしれません。
・両シャドーは共に不出来。矢島はほとんど何もできないまま。オナイウは全力で空回りという印象。
・田村はなぜか右サイドに張りっぱなし。青木が下がって槙野・青木・那須の3バックでボールを回していた時間が長く、田村は後方からのビルドアップにあまり関与していないように見受けられました。また攻撃参加も少なく、妙なポジションにいるストッパーという印象でした。ミシャスタイルの習熟はまだまだこれからなのかなぁ?
・コンディションが上がらないと噂された槙野ですが、45分だけなら何の問題もなさげでこの面子だとダントツの出来。単に90分出来ないということなのかも(それはそれで非常に困りものですが)。
・故障明けの駒井を45分使ったのにはびっくりしましたが、駒井はボールが足に付かないのか、槙野の絶妙な縦パスを受けて好機になりかかりながら転倒すること2度、3度。守っては対面の相手に抉られかかる場面もあり、コンディション回復には時間がかかりそう。もっともそれは駒井に限ったことではないのですが、ポジション柄悪目立ちしてしまいました。
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