【観戦記】17年第1節:長野L 1-0 浦和L
・浦和は監督が代わったばかりの開幕戦。浦和は芸風を一変するも、当然ながら完成度は甚だ低く、最後の最後で自爆ボタンを押して敗戦。
・この試合を最大限良く解釈すれば、難しいことをやろうとして未完成なチームがシンプルな戦術で良く鍛えられたチームに挑んだ割にはカウンターを喰らいまくってタコ殴りの憂き目には合わず、ほぼ互角の内容だったというのは先々大いに期待していと思います。
・もっとも悪く解釈すればボールを運ぶルートは昨年から変わったけど、アタッキングサードまでボールを運んでも何も起こらないという事象自体はたいして変わっておらず、噛みあうまで時間はかかりそう。
・しかも、開幕戦で手強い相手に内容は悪くなく、勝ち点1を甘受しても良かった試合なのに最後に盛大に自爆ボタンを押してしまう辺りがいかにも浦和。うーん・・・
・芸風の変化で目に付いたのは両SHがやたら中に絞った位置におり、下がってボールを受ける塩越、盛んに上がってくる猶本を交えながらショートパスの連続による中央突破指向っぽくなっていること。村松監督時代から浦和はずっとサイド攻撃志向だっただけにこの芸風の変化には驚きました。
・SBの攻撃参加は相手が中に固まって行き詰まった時のオプションっぽい位置づけに。27分あたりに栗島が右サイドを深く抉ったところからたて続けに決定機が生まれました。中央を無理やりこじ開けようとしても相手守備陣を広げる工夫がないとすぐに手詰まりになるので、ある程度サイド攻撃も不可欠。中央突破とサイド攻撃のバランス改善がおいおい課題になるのでしょう。この辺はトップチームの出来が素晴らしいだけにちょっと歯がゆい。
・また引いた相手を崩しきらずとも積極的にシュートを撃ちまくるのも顕著な変化。もともとシュートレンジが長めの猶本や塩越、途中投入の菅澤はもちろんのこと、柴田も遠めからシュートを狙い出したのにはびっくり。シュートはほとんど枠外でGKを脅かすには至りませんでしたが、相手を押し込むものの何も起こらないまま時間が徒過するよりはマシかと。ボール保持に拘らず、シュートで終わることを意識しているのかもしれません。
・試合展開は端的に言って前半まずまず、後半低調。前半は相手を押し込む時間帯が長く、前述のような決定機がありましたが得点ならず。後半は立ち上がりから長野のカウンターを浴びる場面が増えはじめ、かつ選手交代が裏目に出てコンパクトな陣形を保てなくなって苦戦。セットプレーからの流れで猶本や高畑に惜しい場面がありましたが得点ならず。逆に最後の最後で筏井のボールロストを機に横山に一気にボールを運ばれて失点。
・浦和のゆるーーい横パスはボールの奪いどころとして長野に狙われていた臭く、後半はそこからピンチが多発して浦和がリズムを崩す一因になっていましたから、最後の「ぽちっとな」は起こるべくして起きたような気もします。
・浦和でレギュラーを取れなかった選手が長野で何人もスタメン出場。戦術への適合不適合があるとはいえ、昨年長野は昇格後いきなり上位に進出する一方、浦和は残留争いにどっぷり両足浸かる羽目になって立ち位置は逆転し、めっちゃ複雑な思い。監督の力量差なのか、いびつな選手編成が良くないのか・・・
・浦和の凋落には複合的な要因があったのでしょうが、負けたとはいえ浦和復権の兆しがちょっこと垣間見られた試合でした。
---吉良--塩越---
-加藤------柴田-
---猶本--筏井---
木崎-高畑--長船-栗島
-----池田-----
得点:86分 横山(長野)
57分 吉良→菅澤
70分 塩越→白木
77分 猶本→水谷
・代表で北川&乗松を壊されて最終ライン、特に左SBが苦しい布陣。何度もカウンターの危機に晒され、しかも横山の突進力が凄まじくて一対一ではどうにもならずに苦戦しましたが、長船が最後の砦として立ち塞がり、また池田も広範囲をカバーして大決壊は免れました。木崎は初めて見ましたがいたって無難な出来。
・塩越は中盤に下がってくることが多いので、布陣は純然たる2トップではなく4-4-1-1ないし4-2-3-1に近い格好。塩越はくねくね、ぬるぬる系のアフリカンっぽい身のこなしによるボールキープが巧みな一方、FWとしては一発ねじ込みに行く怖さがない。
・そこを塩越よりはタスクが単純で点取り屋として期待されているっぽい吉良が補えればいいのですが、吉良の出来がさっぱり。後半立ち上がりに猶本→吉良の決定機がありましたが、シュートは大きく枠外。菅澤は故障明けでコンディションが良くないのかベンチスタートでしたが、石原監督が真っ先に吉良を下げて菅澤を投入したのは当然でしょう。菅澤はまだ体が重そうでしたが。
・ついで塩越に代えて白木を投入。前目で動き回る塩越がちょっとバテ気味だったのを見越しての交代かもしれませんが、結果的にこれが失敗。白木はボールキープどころかボールが足に付かない惨状。正直これはきつかった。
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