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2017.03.01

【観戦記】ACL2017・F組第2節:浦和 5-2 FCソウル ~ きっと君は駒井

・浦和は横浜M戦から中2日、しかも中2日or中3日の連続で既に4戦目、かつシドニー往復付き。ソウルはACL第1節から試合がなく、今季2試合目とコンディション面では圧倒的にソウル有利。しかし、浦和は連戦から来るお疲れ感が顕著になる前に怒涛の5得点で試合を決めてしまいました。

・ATになって横浜M戦の再現のような形で失点してしまったため、ちょっぴり後味が悪くなってしまいましたが、この勝利で浦和はグループリーグ突破へ大きく前進。判りやすいアウトサイダーがおらず実力拮抗の「死のグループ」とされたF組でWSWに続いてソウルにも大きく得失点差を付けて勝ち、同日上海上港がこれまたWSWを5-1で撃破したので、このグループは完全に2強に。

012

・ミシャは過密日程を考慮して、横浜M戦からラファエル→武藤、柏木→李、阿部→関根、遠藤→那須と4人を入れ替え。武藤は横浜M戦では完全休養、李も出番がなかったので判りやすい入れ替えですが、全く代えが効かないと目された阿部を思い切ってベンチ外にしたのには驚きましたし、その代わりがなんと駒井でこれまたびっくり。遠藤→那須の入れ替えも含め、このターンオーバーが全て成功したのが勝因の一つでしょう。

・またソウルが攻守とも著しく精彩を欠いていたのにも助けられました。浦和は厳しい日程でヘロヘロでしたが、ソウルはソウルでシーズンインしたばかりのせいかいかにも動きにキレがなく、試合勘不足のためか連携もままならずにビルドアップに四苦八苦しているように見受けられました。さらに球際で浦和に競り負ける場面が少なくなく、ボールホルダーへの寄せも甘く、カウンターを喰らい続けてあれよあれよという間に5失点。

・ソウルは攻撃時4-1-2-3、守備時4-1-4-1でアンカーが時に最終ラインに吸い込まれながらマンツーマン気味に守っていましたが、なぜか最終ラインが今年の千葉ばりに極端に高い。浦和に前から圧力をかけてのショートカウンター狙いと目されますが、なにせマンツーマン気味なので一つの競り負け、一つのミスがたちまち致命傷に。武藤の先制点は李のフリックに反応した興梠が55番(カク・テヒ)に競り勝って裏抜けに成功したところから。

・さらにソウルは中盤といい最終ラインといい、ボールホルダーへの寄せがなぜが甘々。2点目をアシストした関根といい、3点目をアシストした武藤といい、カットインしてきた選手に対して最終ラインはズルズル下がるだけでボールを奪いに行く素振りは全くなく、しかもシュート体勢に入った李や関根は放置。そういえば駒場でのPSMでは5番(オスマール)がアンカーで効いていたように見受けられましたが、この日のアンカーはなぜか15番(キム・ウォンシク)で5番はCBに。そしてこの15番が何の役にも立たない(苦笑)。案の定前半でお役御免。

・もともと最終ラインが極端に高いのに早い時間にビハインドを負ったソウルは格好のカウンターの餌食となり、21分には興梠のポストプレーから李→宇賀神、45分には宇賀神&武藤の高い位置でのボール奪取から李→駒井で追加点。

・著しく精彩を欠いたといえばGKユ・ヒョン。曽ケ端も櫛引もびっくりな挙動不審の連続で、浦和はこのGKに随分助けられました。武藤や関根のゴールなんてまともなGKならまず入らない。ソウルは昨年の正GKが兵役に取られてしまったそうですが、補強しようにも良いGKはことごとくJリーグ勢に引き抜かれてロクなのが残っていないのかも。

・後半に入っても浦和はカウンターで決定機を量産。立ち上がりに武藤→宇賀神(シュートはバーをヒット)、61分にも関根→興梠スルー→宇賀神と決定機があり、さらに途中投入のラファエル→宇賀神→武藤、関根→長澤→ラファエルと決定機がありましたが追加点ならず。

・後半の選手交代はいずれも次節C大阪戦を睨んでのターンオーバー含み以上の意味は持たないと思います。ただラファエルとズラタンの併用はさすがに無理があって前からの守備が著しく緩慢になってしまいました。しかもズラタンを入れた辺りから浦和守備陣の疲労も顕著になり、自陣深い位置でのしょーもないパスミス・ボールロストが続出。

・失点場面直前にもエリア直前でFKを与える場面がありましたし、失点は遅かれ早かれ免れなかったと思います。ただ失点の仕方が横浜M戦とそっくりだったのが極めて印象を悪くしただけで。失点はなぜか関根が中途半端に前に出て裏を取られたのがきっかけ。でもバイタルエリアにいるデヤンを掴まえていないのは横浜M戦の失点場面とそっくりで参りました。

010

-----興梠-----
--武藤-----李--
宇賀神-青木-駒井-関根
-槙野--那須--森脇-
-----西川-----

(得点)
9分 武藤:右サイドに流れた興梠クロス→武藤ヘッド
11分 李:関根カットイン→李
15分 関根:武藤カットイン→関根
21分 宇賀神:李のシュートのこぼれ玉→宇賀神ダイレクトボレー
45分 駒井:李がエリア内でためる→中央に走りこんだ駒井

(交代)
66分 興梠→ラファエル
75分 駒井→長澤
78分 李→ズラタン

・この日のビッグサプライズは駒井のボランチ起用。スタメンが発表された際には基本フォーメーションが皆目判らず、前日4バックの練習をしていたとの報もあいまって、機能した試しがない「なんちゃって4-1-4-1」に再挑戦するのかも?と思ったのですが、蓋を開けてみればなんのことはないいつもの3-4-2-1で駒井が青木と並んでボランチ。

・駒井のボランチは昨年の広島戦といい、先日の横浜M戦といい良いイメージがあまりなく、正直不安だらけでしたが、終わってみれば大過ないどころか柏木とは全く違う持ち味を存分に披露。柏木のように広範囲に長いパスは出せない代わりに長い距離を自分で持ち上がれる。守っては柏木同様に運動量が多く、柏木より足が速い!! 後半裏を取られてGKと一対一になりそうだったところを駒井が駆け戻って防ぐ場面がありましたが、あれは柏木にはできない(苦笑)。

・ただ深い位置からのドリブルでの持ち上がりはカウンターを誘発しやすいですし、そもそも広範囲のパスが出せないと浦和らしいピッチを広く使ったサッカーができません。遠藤と比べて展開力が低い那須を起用したのを考え合わせると、ミシャはソウルをスカウティングした上で前から嵌めてカウンター一本槍でなんとかなると踏んで駒井や那須を起用したのかもしれません。

・途中投入のラファエルはカウンター要員として凄まじい威力を発揮。投入直後に深い位置からドリブルでいとも簡単に相手をごぼう抜き。そのまま強引にフィニッシュまで持って行くかと思いきや、どフリーの宇賀神にパスを出すという完璧な仕事ぶり!!しかし宇賀神→武藤と繋いだところで武藤がボールコントロールに失敗して全部ワヤにしてしまい、この武藤の失態を見て「次は自分で撃とう!」と堅く心に誓うラファエルであった。

・一方、同じく途中投入のズラタンはまたしても良いところなし。せっかく複数人で攻撃を仕掛ける体制ができているのに角度のないところからシュートを撃ってしまった場面を見るとラファエルの大活躍でズラタンに焦りがあるような。

・青島麦酒はWSW戦に続いて李。5点も入ったのに得点者がバラバラという辺りがいかにも浦和。得点パターンも多彩でチーム成績がいくら良くてもリーグMVPがもらえない体質は今年も健在で青島麦酒もMOMの選定に頭を痛めたかもしれませんが、相手を完璧に崩している2点目と5点目での李の働きが好印象だったのかも。

002

11---10----8
--6-----13--
-----15-----
7--5---55-17
-----1------

14分 10(パク・チュヨン):直接FK
90+2分 9(デヤン):浦和右サイドからクロス→バイタルエリアからズドン

HT 15(キム・ウォンシク)→34(マウリーニョ) :6がアンカー、11がIHに下がる
75分 13(コ・ヨハン)→9(デヤン)
82分 55(カク・テヒ)→キム・クナン:負傷による交代

・パク・チュヨンの直接FKはお見事。でも壁の間に11番に入られ、その上を狙われましたから、浦和の対応が拙かったともいえ。

・大敗したにも関わらず、試合終了後ソウルはピッチにゴミをまき散らすような愚行は犯さず。この辺は浦項のような田舎クラブとは大違いですなぁ・・・

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