【展望】17年第14節柏戦
(成績)
・シーズンの入りは第6節まで2勝4敗と芳しくなかったものの、第7節からなんと7連勝。勝ち点27(9勝4敗)で暫定首位に浮上しました。7連勝のうち完封勝ちがなんと4試合もある一方、3点以上取った試合は前節大宮戦しかなく、どちらかといえば守備的色彩が強いチームです。
・リーグ戦が好調に転じた一方、ルヴァン杯は1勝2分3敗の勝ち点5と振るわず、最終節を待たずにグループリーグ敗退決定。ルヴァン杯はリーグ戦で出番がない選手を積極的に使っているようですが、結果を見ると選手層の薄さを曝け出しているようで。
(戦力)
・ハモンロペス(仙台)が補強の目玉で、開幕前はクリスティアーノ&D・オリヴェイラと共に「ブラジル人3トップ」が猛威を奮うと期待した向きもありましたが、どうやら完全にハズレ。ハモンロペスは第1節に出た後すぐに故障していしまい、故障から戻ってもリーグ戦での出番はほとんどなし。さらに昨年の主力だったD・オリヴェイラも第7節から出番がなくなり、ブラジル人の併用を諦めてからチームが勝ちだすという選手の組み合わせの妙としか言いようがない結果をもらしています。
・3月下旬になって細貝を獲得し、狙いどころは悪くないと思ったのですが、今のところ終盤の守備固め的な起用に終わっていてこれまたなんとも微妙。
・ハモン・ロペスや細貝が期待外れっぽい一方、手薄だった右SBを山口から獲得した小池が埋めていて地味ながら当たり。また茨田や秋野がいなくなったボランチをユース上がり2年目の手塚が埋めています。
・とはいえ、MF茨田・MF秋野・CB増嶋・SB山中・SB湯澤・FW田中順と昨年それなりに試合に出ていた選手、実績がある選手がごっそりいなくなって層が薄いのは否めず、ルヴァン杯の不振がそれを傍証しています。
・故障していた大津は消化試合だった先日のルヴァン杯で復帰。U20杯代表で不在だった中山も大会敗退で戻ってくるものと目されるので、リーグ戦に出てくる選手には目立った怪我人・離脱者はいない模様。
(戦術)
・フォーメーションは4-2-3-1というか4-4-2のFW縦並びみたいな感じ。後方から飛び出してくるちっこい中川が結構厄介で、いかにも浦和が掴まえづらいタイプ。
・平均年齢が若いチームらしく、前から前から厳しく鋭くプレッシャーをかけに行く積極的な守備が持ち味。FC東京や大宮のようにビルドアップが上手くないチームはひとたまりもありません。ただG大阪のように同様にプレッシャーがきつい相手だと球際で負けてしまう場面も多く、C大阪のようにロングボールを多用するチームにはプレスが上手く嵌らずに苦戦しました。
・さらに長沢@G大阪に対するやられっぷりを見ると中谷&中山の若輩CBコンビがそれほど強力とは思えず、要するにGK中村が超絶ミラクルスーパーセーブを連発しているだけじゃないかという気も少々。
・攻撃は快足のSH伊東を軸に専らサイドから。両SBがかなり高いポジションで活発に攻撃参加してくるあたりはちょっと鹿島っぽいかも。サイドに攻撃の基点を作ってから中へ中川なり武富なりボランチなりが飛び込んできます。ただ往々にしてクリスティアーノまでサイドに流れて中が薄いせいか得点力はあまり高くありません。大砲クリスティアーノがいるので警戒すべきなのはむしろセットプレー。
・昨年の対戦では下平監督は特段浦和向けに特殊なことはやらず、いったん綺麗な4-4-2を敷いてから前に厳しくプレッシャーをかけにゆくような守備スタイルで臨んできました。FW中川なんて前から追い掛け回すことだけがタスクじゃないかと思われるくらいの徹底ぶり。今回も同様と思われます。
(浦和の対応)
・消化試合が一つ少ないとはいえ、勝ち点差4を付けられている相手なので敗戦だけは避けなければいけないところ。浦和はホーム済州戦の激闘から中3日、柏も5/31にルヴァン杯(アウェー札幌戦)があって形の上では同条件ですが、既にルヴァン杯グループリーグ敗退が決まっていた柏はスタメン総入れ替えで臨んだので、実質的には浦和が圧倒的に不利。厳しい闘いになります。
・故障が癒えずに済州戦に間に合わなかったラファエルと、体調不良で済州戦を回避した宇賀神が柏戦に出場できればスタメン選考は若干楽になりますが、この両名が引き続き出場できないと非常に難しくなります。特に駒井と関根は済州戦で足を攣って途中交代を余儀なくされてしまいましたから、柏戦でフル出場を望むには無理でしょう。
・昨年はACLラウンド16・ソウル戦で延長戦にもつれこむ激戦になったにも関わらず、中3日で続く鳥栖戦でなんとソウル戦と全く同じスタメンで臨んで案の定とんでもない塩試合に。そしてその後チームはリーグ戦3連敗。スタメンを代えるべき時に代えず、ようやく代えたと思ったら必要以上に弄ってしまうミシャの悪癖がもたらした3連敗。
・今年は既に昨年より負け試合が増えているだけに、それなりに実績を積んでいる控え選手をなんとか上手く活用してほしいものです。それに加えて、今回同様日程面で不利だったFC東京戦のような割り切った闘い方も必要でしょう。
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<前節:柏 4-2 大宮>
----クリスティアーノ----
武富---中川---伊東
---手塚--大谷---
輪湖-鎌田--中谷-小池
-----中村-----
(得点)40分 伊東、59分 武富、64分 武富、67分 クリスティアーノ
(交代)
69分 伊東→D・オリヴェイラ
79分 手塚→細貝
86分 小池→今井
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