【展望】17年第18節新潟戦
・負けても負けても否応なく試合はやってきます。もう目の前の相手を一人一人ぶっ倒してゆくしかないのです。「パンツァーフォー!」なのです(錯乱)。
(成績)
・リーグ戦をちょうど半分終えた時点で勝ち点8(2勝2分13敗)で最下位。15位札幌との勝ち点差は7なのでまだまだ挽回の余地は残っているようにも見受けられますが、残留ラインが昨年のように30とかなり低くても、残り17節で勝ち点22を稼がないといけない(現時点の神戸や仙台並み)と考えるとハードルは非常に高いような気もします。
・昨年J3長野の監督だった三浦文丈氏を招聘したものの、ものの見事に失敗して新潟には珍しく第10節を終えた時点で早々と監督交代を決断。しかし新たに招聘した監督がなんと呂比須。呂比須は既にG大阪で大失敗しただけでなく、ブラジルに戻ってからも短期間でクラブを転々としており、経歴から見れば監督としてとても成功しているとは言えません。しかも新潟には縁もゆかりもない呂比須をなんでわざわざ招聘したのか、傍目には実に不可解。
・第11節浦和戦のみ片渕監督代行を挟んで、第12節から呂比須新監督が指揮を執りましたが、その後の成績はなんと1勝5敗。就任直後に札幌に勝っただけでその後5連敗。しかも負けた試合は全て複数失点で、得点は1点取れるかどうかという悲惨な内容。これまでの呂比須の経歴を見ればさもありなんという結果に終わっています。
・渋谷(大宮)とか森保(広島)とか、どう見ても呂比須よりはマシだろうと思われるJ1監督経験者がゾロゾロとフリーになったので、新潟はもう一回監督を代えるような気がしてなりません。特に森保は過去新潟でコーチ経験があって、呂比須よりははるかに縁深いですし。
(戦力)
・新潟は監督交代&成績低迷を受けて夏の移籍期間でそれなりに動いており、まずFWタンキ(メキシコ2部)とCB大武(名古屋)を獲得。但し、共に登録が7月21日なので浦和戦には間に合わず。
・一方主力に故障者が出ていてGK大谷とCB大野が離脱中。共にリーグ戦序盤は脆弱な守備をなんとか支える役割を担っていただけに、この両選手の離脱は痛手。共に穴埋めに苦労しているようでGKは守田と川浪を併用。CBは富澤を起用していましたが、前節はなぜかベンチ外。
・達也も依然故障中なのか、第4節以降全てベンチ外。
・また運の悪いことに新潟の攻撃の牽引役(決定力は期待できないにせよ)だったFWホニが浦和戦は出場停止。
・監督交代に伴ってスタメンの顔触れにも変化が見られ、左SBに堀米が定着。リーグ戦序盤は左SBだった原が右SBに回り、矢野が右SHに押し出された格好。1トップなのでFW鈴木は基本ベンチスタートに。ボランチは小泉の相方に難儀した挙句、加藤で落ち着いた模様。
(戦術)
・フォーメーションは三浦時代の4-2-2-2から4-2-3-1に変更。攻撃はカウンター一本槍でスピードのある山崎とホニを徹底的に活かす算段。両SHにはどういうわけか一貫してFWタイプを置いています(もはや矢野がFWなのかという問題はさておき)。ポゼッションはほぼ捨てているも同然で、最終ラインから、あるいはガジャルドを経由していきなり縦にポーンと蹴って山崎なりSHなりを走らせる場面が目立ちます。バス数、クロス数ともJ1最低レベルの一方、ドリブル数だけは上位レベルとスタッツにも新潟の傾向がくっきり。
・なにぶんリーグ戦総得点がここまでわずか11と興梠一人分にも満たず、呂比須監督就任後の6試合でも3点と全く結果は出ていませんが、決定機も少ないというわけではなく、FW陣がとにかく外しまくってのこの惨状。もっとも選手個人の能力以前にエリア内で相手を崩しきるような形を作れないので、焦って無理にシュートを撃って惜しいけれども決まらないといったほうが的確かも。
・浦和戦はホニが出場停止なので、CFに鈴木、SHに山崎といった配置になるかもしれません。ロングボールから前線で矢野や鈴木に基点を作られて、山崎に突っ込まれると結構厄介そう。
・守備もリトリート主体。もっと呂比須監督の思惑としては高い位置でボールを奪いたいようで、山崎がせっせと最前線で入り回っていますが、トップ下のガジャルドの守備がややいい加減なためか、ほとんど徒労に終わっている気も。また最終ラインの強度不足は如何ともしがたく、遠くへ弾き返せない、あるいはもう一歩足が出ないという感じで点を取られています。前節磐田戦はSBが本職ではない原の裏を結構狙われていました。
・セットプレーに弱いのも相変わらず。
・またボールを保持して休む時間帯を作れないせいか、終盤に運動量が落ちてボコボコにされる傾向がある模様。ここまでの総失点37のうち11失点が75分以降に記録されています。
(浦和の対応)
・前回はリーグ戦&ACLと3連敗、しかも全部ウノゼロ。さらに前節鹿島戦で森脇がくそくだらない言い争いの過程で相手を侮辱したとやらで2試合の出場停止を喰らい、まさに泣きっ面にハチのチーム状態での対戦でしたが、今回も川崎戦で惨敗。おまけにミシャが「新潟戦に勝ち(続く天皇杯も)連勝できなければ、私が一番最初にここから出て行く」と言い放ってしまう顛末までついて、まさに崖っぷち状態での対戦になってしまいました。
・今回は遠藤が出場停止。代わりに間違いなく那須が入ると思いますが、那須は高い最終ラインを保つのが遠藤ほど得意ではないので、前目の選手があまり前から突っかけると中盤が間延びしてしまいがち。那須は縦パス一本で裏を取られた際の対応にも難があるので、チームとしてどのような格好でボールを奪いに行くのかしっかり意識統一しておかないといけません。もっとも今の遠藤の状態だと、遠藤が那須に代わったところで大差はないような気がしますが。
・また新潟は週央に試合がなかった一方、浦和は川崎戦から中3日と日程面で浦和は不利。従って遠藤以外にもスタメンの入れ替えを考えざるを得ないでしょう。中3日でなくても槙野や興梠などどう見てもコンディション不良としか思えない選手がゴロゴロしているだけに、少々戦術理解が怪しかろうがコンディションの良い選手を優先して使って個人能力で押し切って苦境を凌ぐべきかと。
・といっても、前節エドゥアルドの悪質なファウルを受けて負傷退場した李は結局長期離脱を余儀なくされ、さらに前節謎のベンチ外となったズラタンのコンディションも整わないようなら比較的余裕があった前目すら駒が怪しくなってきます。こうなると天皇杯でさっぱりだった高木なり矢島なりの奮起に期待したいところ。
・相手は徹底したカウンター狙い。しかも「点は取れていないが決定機自体はそれなりにある」ので、一歩間違えれば広島戦のようにほとんど点が取れていなかった相手にまさかの大量得点を与えてしまう展開になりかねません。必要以上に前がかりになった挙句に攻めきれずにカウンターを喰らう、あるいはCKでリスクをかけすぎてカウンターを喰らうといった今年の浦和お決まりのパターンで失点を重ねるようだとミシャの首が飛んでもなんら不思議はないかと。それがより悲惨な結果を招こうとも。
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<前節:新潟 0-2 磐田>
-----山崎-----
ホニ---ガジャルド-矢野
---加藤--小泉---
堀米-ソン--西村--原
-----守田-----
63分 ホニ→鈴木
75分 ガジャルド→成岡
83分 山崎→端山
<前回:新潟 1-6 浦和>
---鈴木--山崎---
加藤------ガジャルド
---フランク--小泉---
ソン-大野--富澤-川口
-----大谷-----
55分 ロメロ フランク→堀米(堀米が左WB、加藤がボランチで完全に5-4-1化)
64分 鈴木→ホニ
76分 チアゴ ガリャルド→成岡
・片渕監督代行は前回対戦時同様基本4-4-2ながら、守備時にはSH加藤を一枚下げて5-4-1となる浦和対策を敷いてきました。しかし、これがまるで機能せず。
・そして新潟にとって致命傷になったのはセットプレーでの失態の数々。浦和ってセットプレーからの得点が少なく、特に「浦和CKは相手のカウンターの絶好機」という噂すらまことしやかに囁かれるくらいの惨状なのに、浦和にセットプレーで3点も取られるってどんだけ新潟は酷いのか。
・ところが前半だけで大差がついた試合なのに浦和は試合を落ち着かせられず、終盤なぜか殴り合いモードに突入。
・今にして思えば、この試合も相手が弱くて助かっただけで「リードしている状態での試合運びの拙さ」ははっきりと露呈しており、その後ほとんど修正されずに今日の惨状に。
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