« 有彩@西川口 ~ 鶏だし醤油らぁめん | トップページ | らーめん 詩@蕨 ~ 濃厚鶏白湯らーめん »

2017.08.28

【DAZN観戦記】17年第24節:清水 1-2 浦和 ~ 王国浦和ヽ(^o^)丿(何の王国なのかはともかく)

・終わってみればシュート数6対12に比例したスコア。ボール支配率でも浦和が清水を圧倒し、日程面での不利を全く感じさせない試合内容で逆転勝ち。

・先制点を取られて、得点力がガタ落ちになった堀スタイルで逆転できるのかどうか些か心配になりましたが、前半から攻撃の形は出来ているので、あとはフィニッシュに結びつけるだけと自分達を信じて闘った結果後半半ばにして逆転に成功。ミシャ最末期なら先制点を取られた時点で監督も選手も逆上して(アウェー札幌戦が好例)追加点を取られていたかもしれず、選手達が多少なりとも落ち着きなり自信なりを取り戻している意味では浦和は明らかに最悪期を脱しています。

・ACL川崎戦の惨敗が記憶に新しいので全く実感が沸きませんがこれでリーグ戦3連勝。しかもなんと堀監督就任以降リーグ戦は負けなし、というか初戦の大宮戦も間違いなく勝てた試合で、あのぼんやり横パスさえなければと今更ながら悔やまれます。

・もちろん失点に直結した槙野の残念すぎる出来だとか、強い相手なら間違いなくやられていたであろうちょっとした隙だとか、試合運びは盤石とは言い難く、この辺が前節清水に全く何もやらせなかった鹿島との差なんだろうと思います。ただ残留争い組に負けたりATに振り切るのがやっとだったミシャ最末期と比べると監督交代はそれなりに奏功してボトムハーフにはしっかり勝てるレベルにまで浦和の状態は回復したと言って差し支えないでしょう。

・一方ACL川崎戦の惨敗が示すように、現時点では優勝争いしているクラブとの実力差が結構大きいのも事実。残暑厳しい折に日程も厳しく、おまけにトップハーフとの対戦がごっそり残っているので先行きは全然楽観視できませんが、勝ち点は39に到達=J1残留はほぼ確定してとりあえず最低限の目標はクリア。これでACLを含めてカップ戦に全力投球できるある意味気楽な状況になりました。

・清水戦の勝利で最も有意義だったのはミシャ時代の控え組が活躍したこと。特に故障明けの梅崎。浦和は柏木・宇賀神・森脇・ズラタン・那須と主力から主力に近いクラスまで怪我人が続出し、しかも中2~3日での連戦を余儀なくされるので、ある程度選手をローテーションせざるを得ない苦しい状況。そんな中で故障明けかつ超久しぶりのスタメンにも関わらず90分やれたことだけでも十分合格点なのに、決定機に絡む仕事までやってのけた梅崎には感服しました。

・またここ数戦出番はあったけれども上出来どころか往々にして味方の足を引っ張っていた矢島もようやく居所を掴んだような感があり、また独善的なプレーを繰り返して自爆の連続だったラファエルも春先の好調さを取り戻しつつあるように見受けられました。

・さらに矢島が足を攣った時点で逃げ切りの駒に実績十分の青木ではなくリーグ戦出場経験のない長澤を投入したのにはビックリ。ミシャ時代ならまず考えられない采配で、これぞ堀カラー。しかも長澤はその負託によく応えました。こうやってこれまで出番のなかった選手にチビチビ経験を積ませたのが複数のタイトルを並行して闘う上で後々モノを言う。そう信じたいものです。ミシャにはこれが圧倒的に足りなかっただけに。

----------------------------------------

・甲府戦・スルガ銀杯・ACL川崎戦と堀監督就任後シュート数たった4本に終わった試合が連続したので、堀スタイルの攻撃力のしょぼさがいやがうえにも目についてしまいますが、堀監督はFC東京戦に続いてこの試合でも攻守のバランスをミシャスタイルのほうへ戻しつつあるようです。具体的には攻撃時に左右CBがワイドに開いて阿部が最終ラインに下がり、WBが高い位置を取る「古典的ミシャ式」な4-1-5の形をとり、かつCBが攻撃参加する時間・回数が増えてきました。

・清水は4-4-2でリトリート主体に守っているので、古典的ミシャ式が一番嵌りやすい相手。清水が時折2トップ&SHが前からボールを奪いに来ても浦和のビルドアップを制約するほどの鋭さはないので、浦和はサイドチェンジを多用して清水のSBの脇のスペースでフリーになっているWB、特に梅崎を軸に何度もサイドから攻撃。清水の左SB松原は攻撃のキーマンである一方、守備にはかなり難があるようで梅崎の仕掛けに抗しきれずに裏を取られることも。

・また清水が不用意に最終ラインを上げてきた際は深い位置からの縦パス一本で興梠に裏を狙わせることもあり、裏を取られた清水両CBは早々とイエローをもらう羽目に。特に矢島の長いスルーパスで裏抜けに成功した興梠を角田が後ろから引っかけた場面は得点機会阻止で一発レッドでもおかしくなかったかと。

・堀スタイルはミシャスタイルほど攻撃にリスクをかけないので、致命的なカウンターを喰らいやすい中央突破にさほど力点を置かないのは確か。特にこの日はコンビネーションに優れたKLMのセットではなかったためか、前半は興梠が孤立する傾向が顕著で、なおさら中央突破が嵌る可能性は小さいように見受けられました。

・よって立ち上がりからなんだかんだと攻撃の形こそできているものの決定機は少なく、前半のシュートはミドルシュートがほとんどで、しかもいずれも大きく枠外。可能性があったのは15分右からのクロスをラファエルがバイシクルで狙った場面だけかな?

・手数は浦和が圧倒しているものの、先制したのは清水。30分にCKから角田ヘッド。槙野があっさりマークを外される大失態。札幌戦では都倉に競り負け、ACL川崎戦ではボールウォッチャーになって小林を見失う失態がありましたが、こんなレベルのCBを代表に選ばないといけないとはどんだけ日本のCBって層が薄いのか(つД`)

 
・先制されてしまいましたが前半の試合内容自体は悪くはなく、後半も依然浦和ペースは変わらず。前半からほぼ一方的に浦和がボールを支配し、かつボールを大きく動かして清水の守備ブロックを左右に振り回しているのが徐々に効いてきて、日程面で有利のはずの清水のほうが先に足が止まりだし、守備はユルユルに。51分に阿部→ラファエル→武藤の鮮やかな中央突破が嵌った(但し武藤がオフサイド)場面がその顕れ。

・清水の守備の綻びを見て取ったのか、63分堀監督はこの日も良いところがなかった菊池を諦めて駒井を投入。かつ梅崎を左WBに配転したことで左右からのサイド攻撃のバランスがぐっと良くなりました。

・同点弾は駒井投入の直後。64分CKからの流れで武藤のクロスを遠藤がぶち込んだもの。遠藤がマーク役の松原の前に上手く入り込みましたが、遠藤が撃つ前に槙野が豪快に空振りしている時点で清水守備陣の足が止まっています(苦笑)。

・68分には梅崎→駒井と大きく振って、駒井の折返しからラファエルに決定機(わずかに枠外)。そして70分梅崎クロス→興梠→ラファエルでついに逆転。ここは興梠がエリア内で鬼キープを見せて4人もDFを惹きつけたところで勝負あり。ラファエルはどフリーでした。CB二見が残念すぎると言ってしまえばそれまでですが。

・堀監督は逆転した時点ですかさず守備固めに走るかと思いきや、清水にさしたる攻め手がないためかそのまま傍観。77分になってようやく脚を攣った矢島に代えて青木ではなく長澤を投入。

・逆転後の浦和のピンチは2回。最もヤバかったのは77分FKで大外の二見にどフリーでシュートを撃たれた場面。ミシャ時代と違ってセットプレーの守備にも練習時間を割いているはずですが、結果はたいして変わらないのか、効果が出るには時間がかかるのか(つД`)

・次いで86分遠藤からのパスをカットされたところから北川にエリア内侵入を許した場面。マウリシオがカバーして事なきを得ましたが、そもそもなんで遠藤が勝っている終盤にリスキーなパスを出すのかが不可解。

・従って逃げ切り方は必ずしも盤石ではありませんでしたが、前回対戦時のようなオープンな展開になることはなく、浦和にカウンターのチャンスがあってもせいぜい遠藤がしゃしゃりだすくらいで攻め急がず、総じてボールをしっかり回して敵陣に近いところで時間を潰しながらじっくり攻めに出たのは良かったかと。また大宮戦やFC東京戦のように終盤自陣に引きすぎて清水得意のサイド攻撃を喰らう場面はありませんでした。

・小林監督は逆転されてから頻りにFWを入れ替えましたが全く効果なし。そもそも頼みの綱の松原が守備に忙殺されて(しかもたいして役に立っていない)攻撃参加する暇がなく、59分にラファエル&梅崎をぶち抜いて角度のないところからシュートを撃ったのが唯一無二の見せ場。得意のクロス攻撃も17分に浦和右サイドからのクロスをファーで枝村が合わせたのが多少可能性があっただけで、次いで46分浦和左サイドからデューク→金子の決定機くらい。

・小林監督はわざわざデュークを普段の左SHではなく、右SHに配して松原のクロスを浦和のマークが頻繁に外れる大外(要は槙野なり菊池なりが穴扱い)でデュークに狙わせる算段だったのかもしれません。ただデュークが前半だけで守備で疲弊して後半早々にイージーミスを連発した時点でその構想は半ば瓦解。それでも小林監督は最後までデュークを諦めませんでしたが、デューク砲が火を噴くことはついにありませんでした。他の小口径の砲に至っては何をか況や。

-----興梠-----
--ラファエル----武藤--
菊池-阿部--矢島-梅崎
-槙野--マウリシオ--遠藤-
-----西川-----

(得点)
64分 遠藤
70分 ラファエル

(交代)
63分 菊池→駒井(梅崎が左WBへ)
77分 矢島→長澤
89分 武藤→李

・故障した柏木の代役は青木ではなく矢島。矢島は柏木より明らかにポジションが前目で、ボールを捌いた後に前に出る傾向が強い感じ。後方からの広範囲への配球は遠藤が担う場合が多くなるのはともかく、前に出た矢島をチームとしてどう生かすのかが現時点では判然とせず、悪く見れば前で渋滞を引き起こしていだけかも。

・また矢島が前に出たところで中盤に穴が空き勝ちになるので、後半はストッパーが前半ほど大きく開かず&阿部が下がらないことでバランスを取る場面が増えたような気がしました。いずれにせよ矢島流のボランチ像確立はまだまだ途上。もっとも前に出た矢島がそのままさぼって守備に戻らない愚だけは犯しておらず、それだけでもこれまでの試合よりは格段に良くなったように見受けられました。

・故障明けの梅崎が上々の出来だったので、依然としていいところがない菊池の立場は俄然苦しくなってしまいました。宇賀神が戻ってくるまでに何らかの長所を披露できないとまたもやベンチ入りすら難しくなってしまいます。

---長谷川--金子--
枝村-------デューク-
---竹内--六平---
松原-二見--角田-鎌田
-----六反-----

(得点)
30分 角田

(交代)
68分 長谷川→北川
71分 枝村→白崎
80分 金子→村田

|

« 有彩@西川口 ~ 鶏だし醤油らぁめん | トップページ | らーめん 詩@蕨 ~ 濃厚鶏白湯らーめん »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【DAZN観戦記】17年第24節:清水 1-2 浦和 ~ 王国浦和ヽ(^o^)丿(何の王国なのかはともかく):

« 有彩@西川口 ~ 鶏だし醤油らぁめん | トップページ | らーめん 詩@蕨 ~ 濃厚鶏白湯らーめん »