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2017.08.04

【展望】17年第20節大宮戦

・自ら自爆ボタンを押したも同然の札幌戦敗戦を受けてとうとうミシャのクビが吹き飛び、堀新監督を迎えての初戦はなんと「さいたまダービー」。新監督には少々荷が重い一戦ですが、それでも降格寸前でチームを引き受けた前回よりは格段にマシな状況でしょう。もはやリーグ戦は「J1残留」が唯一の現実的な目標になってしまっただけに、残留を確実なものにするためには降格圏を彷徨う相手に最低でもドローで終えたい一戦。ダービーでダブルを喰らうという最悪な展開だけは避けねばなりません。

(成績)

・勝ち点15(4勝3分12敗)の16位。大宮は第13節柏戦に敗れた直後に渋谷監督を解任し、合わせて黒崎ヘッドコーチをも解任して伊藤コーチが内部昇格。渋谷前監督同様、トップチームの監督経験が全くない方の内部昇格という安易な方策ゆえ前途多難と思われましたが、監督交代はどうやら吉だった模様。

・監督交代後の成績は2勝2分2敗と全くの5分。最下位にまで低迷したのに、一時は札幌を抜いて降格圏から脱出するところまでこぎ着けました。特に残留争いのライバル新潟と広島に勝ったのがでかかったかと。15位甲府との勝ち点差はわずか1なので降格圏脱出は時間の問題かも。

(戦力)

・昨オフの補強に失敗したのが今季成績不振の主因なのが明らかなのに、いざ降格が現実的なものになると無尽蔵に金が沸きだしてくるのがリアル金満大宮の恐ろしいところ。さすがは天下のNTTグループ。成績不振の責任を監督一人に押し付けて、あとは半ば頬被りみたいな隣のクラブとは対照的に、大宮は監督のクビを飛ばすだけでなく、壮大な外国人ガチャを敢行しました。

・獲得したのはFWマルセロ(済州)、MFカウエ(モレイレンセFC@ポルトガル)、DFキム・ドンス(ドイツ4部)。マルセロはACLで対戦して厄介な選手なことは判り切っており、神戸戦で早速スタメン出場してゴールを決めています。カウエはまだコンディションが整っていないようで79分から出場。

・代わりにすっかり怪我がちになってしまったFWムルジャと、大宮では最後まで良いところがなかったMFペチュニクを放出。

・主力の怪我人はFW瀬川くらい。

・監督交代で大卒2年目のCB山越がベテランの河本に取って代わられたのが目を惹く他、序盤使い道に困っていた大前と途中出場止まりだった大山がここ5試合スタメンに定着。代わりに金澤が出番を失っています。

・GKがどういうわけが不定。なにかと失態が多かった塩田が監督交代を機にベンチ外となり、その後しばらく松井を起用したものの、前節神戸戦では加藤に変更。

(戦術)

・監督交代に伴い、基本フォーメーションをこれまでの4-4-2から4-1-4-1に変更。

・前節神戸戦を見たところ、守備時は高めの位置にコンパクトな守備ブロックを作るものの無理に前から奪いには行かずにスペースをきっちり埋め、相手が縦パスを入れてきたところでボールを奪いに動くような感じ。ただアンカー大山は守備面で無理があるような。一見守備が整備されているように見えますが、監督交代後完封試合は広島戦しかなく、スタッツだけ見ると特に守備の立て直しに成功しているとは言い難いかと。

・ボールを奪ったら素早く攻守を切り替えてスピードのある江坂頼みのカウンター発動。カウンターにはキレ味があり、新加入のSHマルセロがパサーとしてもフィニッシャーとしても動き回っているので結構面倒。

・家長がいなくなって今年の大宮はビルドアップに難を抱えていましたが、マルセロはサイドに張りっぱなしではなく、結構中へ入ってボールの預けどころとして機能しているようで、ビルドアップの問題は幾分マシになっている模様。もっともボールを保持したところで特に何が起こるでもなく、サイドから速いクロスを江坂へ入れるのがせいぜい。

・前回対戦時の大宮は守備時というかほとんどの時間帯で金澤が最終ラインに下がって5-3-2で自陣に引きこもっての徹底したカウンター狙い。その策が見事に嵌ってカウンターで何度か決定機を作ってついに一点をもぎ取り、最後は5-4-1にシフトして逃げ切り成功。渋谷監督の最末期、目先の勝ち点欲しさの対浦和スペシャルな戦い方で当然その後の試合になんら結びつきませんでした。今の大宮はそこまで悲惨な状況ではないだけに出方は蓋を開けてみたいと判りません。

(浦和の対応)

・なにせ監督が代わったばかりの初戦なので、浦和の選手起用及び戦術的な変化はその場になってみないと全く判りません。堀監督は試合前々日&前日練習を非公開としたのでなおさら予想困難。内部昇格という安易な道を採用した以上、これまでのスタイルを抜本的に弄るような大胆な手を打つとは思えず、選手起用なり、動きに多少注文をつけるなりのマイナーチェンジに留まると見るのがフツーでしょうが。

・喫緊の課題は槙野出場停止&那須故障で危機に瀕した最終ラインの再編。ミシャならおそらく宇賀神を左CBに下げる策を取ると予想しますが、堀監督はどう出るのか。また2日の練習中に遠藤が負傷したとの報もあり、万が一遠藤も不在となると阿部がCBに下がり、ボランチに長澤を入れるくらいしか手が無くなってしまいます。さすがに獲得したばかりのCBマウリシオのいきなりのデビューはないと思いますが。

・就任直後の会見で堀新監督が語った「本当の意味での競争」「本当に戦う準備のできている人間」とは何なのか。さいたまダービーでのスタメン、ベンチ入りメンバーでその真意が明らかになると思えばワクワクして来ます。

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<前節:神戸 3-1 大宮>

-----江坂-----
大前-長谷川-茨田-マルセロ
-----大山-----
和田-菊地--河本-岩上
-----加藤-----

(得点)60分 マルセロ

(交代)
58分 大前→マテウス
58分 長谷川→横谷
79分 茨田→カウエ

<前回:大宮 1-0 浦和>

---江坂--瀬川---
長谷川-------茨田
---岩上--金澤---
和田-河本--山越-渡部
-----塩田-----

(得点)63分 茨田

(交代)
HT 長谷川→大山
72分 瀬川→清水
87分 江坂→高山(高山が最終ラインに入り、金澤がボランチに上がって本格的な5-4-1へシフト)

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