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2017.09.21

【観戦記】第97回天皇杯4回戦:浦和 2-4 鹿島 ~ 監督交代の意義がほぼ失われたような、既視感のある惨敗

・早いうちに見覚えのある形で失点し、その後は攻めまくった割には点が入らず同点に追いつくのが精一杯で、結局大量失点で敗戦。もう試合展開がミシャの悪い時期とそっくり。しかも堀監督は就任時に守備の拙さの是正を期待されていたはずで、実際監督就任当初はそんな意識が濃厚だったにも関わらず、いつの間にやらそれも雲散霧消。鹿島の出来はさほど良いとは思えませんでしたが、好機を確実に活かす能力、そして危ない形を作られても最後はやらせない辺りが段違いで、浦和は一応見せ場は作ったものの、内容はボロ負けに近かったかと。

・結局セットプレーで簡単にやられてしまうとか、そもそも守備が組織として体をなしていないので同じようなやられ方を繰り返すとか、ルヴァン杯第2戦以降の闘いぶりを見るにつけ、わざわざ監督を代えた意義はほぼ失われたと思います。当然ながら来年も堀監督に監督をお願いする必要は全くない。そう断ぜざるを得ないくらい残念な試合でした。もちろんまたしても困難な時期、困難なタイミングで監督を引き受けていただいた堀さんへの謝意を欠いてはいけないと思うので今年一杯は応援しますが。

・マウリシオがなんと天皇杯4回戦では登録外(4月登録〆切らしい)。ラファエルと李が小破し、磐田戦で温存したはずの柏木もどうやらコンディション不良。練習に復帰したらしい宇賀神や那須はまだまだ試合で使える状態にないという苦しい状況。おまけに中2日で鳥栖戦、さらにその後中3日で最重要のACL上海上港戦が控えるため適宜ターンオーバーを取り入れざるを得ないという、経験の浅い監督には難しい状況。

・にも関わらず、堀監督はなぜか4-1-4-1に拘り続け、案の定攻守両面で成熟度の違いを鹿島にまざまざと見せつけられて敗戦。長年3バックをやっていたので本職のSBが全くおらず、さらにマウリシオ不在で4バックのCBを務め得るだけの屈強なCBもいないのに4バックに固執する理由が良く判らない。しかもほぼ消化試合と化しているリーグ戦を利用して熟成を重ねるならまだしも、負けたら終わりのトーナメントで完成度が著しく低いシステムをわざわざ採用するかね???

005

・7分の失点は土居のスルーパス一本で中村に阿部と槙野の間から裏抜けを許したものですが、ACL川崎戦での中村憲→エウシーニョのやられ方とそっくり。レオシルバからの針の穴を通すような鋭い縦パスを土居に通されたのはまだしも、最終ラインの前で土居に簡単に前を向かれてしまった時点で半ば死亡。しかも最終ラインの統率がぐだぐだで遠藤が後ろに残っているのでオフサイドも取れないって、もう守備にもなんにもなっていないんですが。4-1-4-1でどうやって守るのか練習してるのか、非常に訝しくなる失点場面でした。

・大過はありませんでしたが27分にも山本→土居→レアンドロで左サイドの裏抜けを許しかかっており、浦和の守備のぐだぐだ加減を鹿島はすっかりお見通しだったようで。ここでも土居を最終ラインの前でどフリーにし、かつ最終ラインが整っていないという再現フィルム。

・ただ勝った鹿島の出来も良かったわけではなく、案外中盤の守備が緩め。6分の浦和の絶好機(鹿島FKからのカウンター)なんて青木がハイボールを跳ね返し、駒井が繋いだボールへの小笠原の対応が緩慢でズラタンに拾われ、さらにはレオシルバすらもズラタンに簡単に突破されるという普段の鹿島にはあり得ない大失態。もっともこの絶好機でズラタン→高木と上手く繋がらずに浦和は先制に失敗。それどころかその直後に先制を許して、難しい試合になってしまったわけですが。

・鹿島は高い位置で守備ブロックを作ってショートカウンターを狙っている風ではあるものの、前述のように中盤が案外緩いので試合を通じて高い位置でボールを奪う機会はほとんどありませんでした。浦和は残存兵力のかき集めに近い状況ゆえあまり難しいこと、リスキーなことはできず、各駅停車で指差し確認&安全運転っぽいパス回しながら鹿島のたいして厳しくないプレッシャーを巧みに回避してサイド奥深くにまで何度もボールを運べました。前半は専ら右サイドから、後半は左サイドからの攻めが多かったかと思います。

・ただいくらサイドから攻撃の形を作り、いくら可能性がありそうなクロスが上がろうとも、そのクロスが誰にも合わない、あるいは鹿島守備陣に簡単に弾き返されるの連続でCKを取るのが精一杯という惨状。ミシャスタイルと違って攻撃にバリエーションが乏しく、またターゲットも所詮ズラタンしかいないので相手は中を固めてクロスを弾き返せば良いと割り切ってしまえるからか、あるいはメンバーがコロコロ変わるので選手間のタイミングが合わないのか、とにかく攻めている割には点が入らない。前半は16分長澤→駒井クロス→ズラタン撃ちきれずが惜しかったくらいでしょうか。

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・先制されたとはいえ滅茶苦茶悪いわけでもない状況下で折り返したものの、後半の立ち上がりにまたしても失点。左サイドからの金崎縦パスを機に、中村スルー→土居→中村→レアンドロと繋がれ、最後にエリア内に突入してきたレアンドロを榎本が飛び出して防いだかと思われたところでPK与。ここは流動的に動く鹿島攻撃陣に槙野なり阿部なりが前に攣りだされて最終ラインが3バック化しており、最後に右サイドがぽっかり空いてレアンドロに飛び込まれるというお笑い種。個人の責任ではなく、組織ぐるみでダメダメでしょう、これは。

・2点ビハインドからようやくやる気を出すのは堀監督の仕様なのか、58分に高木に代えて矢島を投入し、武藤を左SHに配するという一見珍妙な選手交代を敢行。しかもその直後に矢島CKからの流れでズラタンが1点返したのだから不思議なもの。

・武藤を左SHに配した効果が表れたのは69分の2点目。カウンターチャンスで長澤→遠藤のクロスに対して大外でどフリーになった武藤が曽ケ端の股間をぶち抜いたもので、あれが高木のままだったらそもそもあの位置にいなかったかもしれないし、冷静にぶちこめなかったかもしれない。また遠藤のクロスに対して矢島や途中投入の興梠が中に飛び込んで鹿島DF陣を釣っているのも効いており、実に見事な得点場面でした。

・ところがいくら良い形で得点を取り、2点ビハインドから同点に追いついて気分アゲアゲになろうとも、すぐにこれまたしょーもない形で失点しては元も子もありません。自陣深い位置での鹿島スローインからレオシルバがヒールパスで槙野と青木を間を通してエリア内でどフリーの土居に繋いだ時点で半ば勝負あり。土居はバイタルエリアでこれまたどフリーの中村に繋ぎ、中村のシュートを榎本も弾ききれずに失点。浦和は肝心なところで集中力がないというかなんというか・・・

・それでも浦和は77分性懲りもなく攻撃参加を繰り返す槙野のポストプレーから矢島のシュートがポストを叩いたり、86分武藤のクロス→最後に投入されたオナイウが際どいヘディングシュートを放ったりと見せ場を作ってなおも反撃。さらに88分、90分とエリア内に突入した武藤の折返しがわずかに誰にも合わず、逆にカウンターを喰らって致命的な4点目を与えて事実上試合終了。帰りが心配な観客はここでどっと席を立ちました。

・4点も取った鹿島のシュートはなんとたった6本。外れた2本も前半のレアンドロと後半のレオシルバで、特に後者はエリア内でどフリーで撃たれており、外れたほうが不思議なくらい。いかに鹿島が好機を確実にモノにしていたか、あるいは浦和の守備がその時点で完全に崩壊していたかを如実に物語るスタッツでしょう。

015

-----ズラタン-----
高木-武藤--長澤-駒井
-----青木-----
槙野-阿部--遠藤-森脇
-----榎本-----

(得点)
59分 ズラタン
69分 武藤

(交代)
58分 高木→矢島(武藤が左SHへ)
66分 ズラタン→興梠
80分 駒井→オナイウ

・やられ方はいずれも組織として体をなしていないといって差し支えないレベルなので、あんまり個人の不出来を責めても仕方ないと思いますが、たいして効果がないばかりかSHのスペースを消しているだけに終わり、しかもなかなか守備に戻ろうとしない槙野は困ったもの。しかもそれを放置している堀監督もどうかと思います。

・あえてこの試合の収穫を上げれば青木の奮戦と駒井が最悪期を脱した臭いのと、武藤不在時に長澤が代わりになりうる可能性を示したくらいでしょうか。

023

---土居--金崎---
中村-------レアンドロ
---シルバ--小笠原--
山本-昌子--植田-伊東
-----曽ケ端----

(得点)
7分  金崎
51分 金崎(PK)
74分 中村
90分 土居

(交代)
58分 金崎→鈴木
81分 小笠原→永木
87分 中村→安部

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