【DAZN観戦記】17年第32節:鹿島 1-0 浦和 ~ 結果は逆だが内容はほぼ広島戦のリプレイ
・勝つには勝ったが内容はいたって低調だった広島戦をほぼなぞったような試合。ただ相手は広島より格段に強いので広島戦で決まった「かいしんのいちげき」はチャンスすら与えてもらえず、逆に広島が外しまくったような決定機をきっちり決められる。ただそれだけの試合でした。「残留争い組にはなんとか勝てるが、中位相手には引き分け止まり。そして上位相手にはホニャラララ」という堀の法則の鉄板ぶりを確認しただけの試合と言っても差し支えないでしょう。
・鹿島は優勝目前で是非とも勝ち点3が欲しい立場なのに対し、浦和は数字上ACL圏入りの可能性を残しているだけのほぼ消化試合。よってスコアレスのまま終盤にもつれ込めば勝ち点3欲しさに焦る鹿島にカウンターでワンチャンスあるかも!と低調な試合内容にも関わらずわずかに望みを繋いでいましたが、そこはさすが鹿島。最後まで慌てる素振りを見せず、終盤に巡ってきた決定機をしっかり決めて、後は楽々逃げ切り。
・守備陣はそれなりによく頑張りました。よって強い相手に対してスコアレスドローで終えられたならACL決勝へ向けて評価できたかもしれません。しかし守るのが精一杯で反撃はままならず、負けてしまえばこの内容では何も残りません。シュート数はたった3本。点が取れる可能性は無いも同然で、勝てる要素は皆無の残念な試合、しかも広島戦の試合内容からすれば十分予測の範囲内でしかない試合でした。
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・浦和はマウリシオがスタメンに復帰して宇賀神がベンチスタートとなり、現状のベストメンバー。序盤は鹿島に一方的に押し込まれ、9分遠藤康のFKに西川が逆を取られてヒヤッとした他、18分レオシルバ→金崎などバイタルエリアでしっかりパスを繋がれて決定機を作られた場面が2、3度あったかと思います。ただそれでも前半はかろうじてDF陣が最後の最後でなんとか寄せて西川を脅かすようなシュートは撃たせませんでした。
・52分にロングカウンターを喰らってレアンドロ→土居のミドルシュートという決定機を許した以降は、鹿島にこれといった攻め手を与えず。ここままスコアレスで推移すればそんなに悪い試合でもないと総括できたかもしれませんが、残念ながら74分青木にアクシデント。終わってみればこれが試合結果に微妙な影を落とすことに。
・ベンチにアンカーができそうな選手が一人もおらず堀監督の対応策を注視していたところ、なんと長澤がアンカーに。森脇を右SBに入れて遠藤航をアンカーに上げる策とどちらがマシなのか判りませんが、堀監督は最終ラインを弄りたくなかったのかもしれません。
・もっとも失点を喫した後に森脇を右SBに入れて遠藤航をアンカー、長澤をIHに戻したところを見ると、青木故障時の代替プランはなくただ迷走しただけのような気も。ただでさえ今のシステムは機能しているとは言い難く、選手の個人能力でなんとかしているに過ぎないからこそ複数人の配置転換を伴う選手交代が全く苦にならないという皮肉な現象。
・80分の失点はロングボールを昌子が跳ね返したところからのロングカウンター。浦和左サイドから西がクロス→ファーのレアンドロがフリーでゴール。フリーのレアンドロに気がついた柏木が鈍足を飛ばして必死に追いかけるも遠く及ばず。クロスをファーの選手に合されて失点というパターンはミシャ時代から見慣れた光景。
・1失点は喫しましたが鹿島に山のように決定機を許した挙句の失点というわけではなく、曲がりなりにも粘り強く守れるようにはなった。これがこの試合の最大かつ唯一の収穫でしょう。一方話にならないのが攻撃。広島戦の出来をみれば予想は付きましたが、90分を通じて全く何も出来ませんでした。まぁ相手の攻撃を凌ぐのが精一杯で反撃に繋がるような「良いボールの奪い方」が出来ていないので攻撃も成り立たないとも言えますが。
・鹿島は高い位置から猛然とプレッシャー。それに引っかかってショートカウンターを喰らう愚こそ犯さなかったものの、浦和は安全地帯でゆっくりボールを回すだけ。試合の流れからすれば意外なことにボール支配率は浦和のほうが上でしたが、縦パスを入れられずに相手にとって何の怖さも感じないところでひらすらパスを回しているだけなので、ボール支配率に積極的な意味はありません。
・そして思い出したように縦ポンで興梠なりラファエルなりを走らせての裏狙い。広島戦でもこの単純極まりない攻撃が目立ちましたが、広島にすら通用しなかった(ラファエルに決定機がありましたが)この攻撃が鹿島に通用するわけがない。いつから浦和は「兎ぶつかれ木の根っこ」みたいな攻撃で満足するようになったのか??
・たまにカウンターの機会を掴みそうになるものの、そこは鹿島のズル賢さ、イエロー覚悟のファウルでしっかり阻止。
・広島戦の得点に繋がった人数をかけたサイド攻撃が見られたのは序盤に遠藤航のクロス→興梠ヘッドがあっただけ。しかもこれが前半唯一のシュートだったというお笑い種。いやはや、攻守のバランスが決定的に崩れてぶっ壊れてしまったチームが、まるで攻撃が成り立たないという形で再度壊れるとは(苦笑)。
・お先真っ暗な試合内容でACL決勝を迎える羽目になった浦和。おまけにどうでもいい親善試合になんと5人も選手をぶっこぬかれ、リーグ戦中断期間中にロクに修正もできないどころか、下手をすると中2日でACL決勝第1戦に臨む選手も出かねないという苦しい状況に立たされました。しかし、それでもACLではリーグ戦とは違ったスイッチが入る。そう信じたいものです。
P.S.
・DAZNの解説は三浦俊也氏。「シルバが良いですねぇ!」とどちらのシルバだか判らないフレーズを連発して、相方の西岡アナが対応に難儀していたのはともかく、最近の浦和の試合を全然見ていないのではないかと思われるコメントが多くて閉口しました。
-----興梠-----
ラファエル-長澤-柏木--武藤
-----青木-----
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----
(交代)
74分 青木→ズラタン(負傷による交代。ズラタン1トップ、興梠IH、長澤がアンカーへ)
83分 柏木→高木(高木が左SH、武藤がIHへ)
88分 武藤→森脇(森脇右SB、遠藤がアンカー、長澤がIHへ)
---金崎--土居---
レアンドロ-------遠藤
---シルバ--三竿健--
山本-昌子--植田--西
-----曽ケ端----
(得点)
80分 レアンドロ
(交代)
78分 土居→鈴木
81分 遠藤→伊東
88分 レアンドロ→永木
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