・3試合連続でウノゼロの敗戦。スタメンを見る限り、ACL決勝から中3日・中2日で続いた川崎戦&横浜M戦はCWCへ向けての調整試合と割り切った風でもあり、監督もチームも結果はほとんど気にしていないのかもしれません。この試合は前半だけにせよ得点機はそれなりにあって、川崎戦よりはマシな試合が出来たと案外満足しているのかもしれません。
・しかし、結果はまたしてもウノゼロの負け。開幕戦の焼き直しみたいな格好で失点し、その後相手が引いて中央を固めてしまってからは手も足も出ず。「残留争い組にはなんとか勝てるが、中位相手には引き分け止まり。そして上位相手にはホニャラララ」という「堀の法則」はこの試合も鉄板。リーグ戦ホームゲームで勝ったのは8/19の第23節FC東京戦が最後で、それから3カ月以上勝ちなし。
・第20節大宮戦からの14試合で得た勝ち点はわずか20(5勝5分4敗)で、順位も一つ上げただけでフィニッシュ。堀監督がもたらした勝ち点を34試合に換算すると奇しくも今の勝ち点とほぼ同じ49弱。リーグ戦だけを取り出せば試合内容は非常に貧弱で、選手の個人能力でなんとか形にしているという意味でなんとなく2008年のゲルト期と似た面持ちがあるような気がしてなりませんが、そのゲルト期ですら勝ち点は53。
・選手達が今のやり方に表立って不満を口にしないどころか、それなりに手応えを感じている風なのが救いといえば救いで、年が明けてキャンプでチームの立て直しに成功する可能性もなくはないのですが、正直この4カ月の試合内容を見る限り個人的には甚だ期待薄。試合後淵田社長は来年のACL圏入りを目指す旨を明言していましたが、しょっぱい試合の後では悪い冗談としか思えず。
・ゆえに今オフによほど強力かつ的を射た補強を敢行しないかぎり、来年は良くて中位、下手をすれば残留争いに巻き込まれる可能性が高いと思います。補強に失敗して5位から一気に最下位にまで転落した隣の残念すぎるクラブの轍を踏まないとも限らないわけで。補強どころか、来年W杯期間中に監督を挿げ替える羽目になる可能性もかなり高く、その結果2007年ACL優勝以降しばらく迷走状態に陥った歴史を繰り返すのかも。

・スタメンを聞いてびっくり!!川崎戦から中2日。何がなんでも勝たないといけない試合ではないどころか、順位が大きく変動するわけでもない純然たる消化試合。従って「CWCへ向けて極力レギュラー組の無理使いは避け、川崎戦&横浜M戦でレギュラー組を交代で休ませる」趣旨なんだろうなとは思いましたが、川崎戦で良いところがなかった高木&矢島を引き続き使う一方、川崎戦で出来が良かった森脇がベンチなのはどうにも解せず。また阿部を休ませないのも不思議。
・スタメン構成に違和感を抱きつつも前半の試合内容は悪くなく、結果は残念でしたが勝機は十分ありました。この試合でも攻撃時はアンカーが最終ラインに下がり、IHがボランチの位置に下がる一方、SHが中へ入ってSBが高い位置を取ることで、4-1-4-1が3-4-2-1っぽいフォーメーションに変化するやり方を採用。
・前半は横浜Mの守備がいかにも中途半端でしっかり前からプレッシャーをかけるでもなく、引いて守備を固める風でもなかったので、浦和は下がった柏木なり矢島なりを軸に易々とビルドアップ。24分柏木→宇賀神→興梠→エリア内で高木シュートの場面がこの試合一番の好機で、それ以外にも惜しくもオフサイドになってしまいましたが、5分柏木→宇賀神クロス→興梠ボレー、17分柏木→矢島縦パス→興梠裏抜けという良い形も作っていました。39分左に開いた矢島クロス→ファーで平川シュートという実にミシャっぽい攻撃も。

・ところが良かったのは前半だけ。さすがはモンバエルツ監督、後半はしっかり修正して浦和に何もやらせず、弱点をしっかり突いて先制した後はそのまま難なく逃げ切り勝ち。
・失点場面は開幕戦にやられまくった形とほぼ同じ。高い位置を取るSBの裏を狙われる & バイタルエリアがぽっかり空いてしまうというミシャスタイルの失点パターンの焼き直しで、52分柏木の縦パスをカットされてからのカウンター。高い位置にいた宇賀神の裏のスペースを使われて易々とボールを運ばれ、青木が最終ラインに吸い込まれて最後はバイタルエリアで前田を誰もマークしていないという有り様。ミシャスタイルより点が入る気配はずっと薄いのにやられ方はそっくりって何なん、これ?
・先制した横浜Mは引き気味に構え、中央をしっかり固めてカウンター狙い。浦和は中2日の連戦の影響もあったでしょうし、突如スタメンに抜擢された平川はそもそも90分出るのがしんどいということもあって失速著しく、守備を固める相手に手も足も出ず。選手交代も全く効果なし。サイドからのクロスは悉く相手に弾き返され、パス交換で中央突破を試みようにも各駅停車的な同じリズムでの、緩急もへったくれもない攻めの繰り返しでどうにもならず。興梠への縦パスなんて後半は相手に読まれまくってましたし。スタジアムが沸いたのは終了間際、松原のクリアボールを拾った宇賀神のシュートだけでしょうか。
・今日も今日とて塩試合。ホーム最終節恒例のスタジアム一周&社長あいさつの後、幼子をゾロゾロ引き入れてパパに抱っこされ、あるいはお手手つないでスタジアムの雰囲気を和ませてその場を誤魔化してしまう荒業には参りました。
・見所に乏しかったホームの連戦。それもこれもCWCのための準備と割り切ってしまう、メリハリを付けられる漢、堀監督すげぇぇ!!! となると良いのですが・・・

-----興梠-----
高木-矢島--柏木-梅崎
-----青木-----
宇賀神-槙野-阿部-平川
-----西川-----
(交代)
63分 梅崎→武藤
71分 矢島→長澤
79分 高木→ズラタン(武藤左SH、柏木SHの4-4-2?)
・川崎戦からやり始めたミシャテイストを加味した様な堀式可変システム。その試み自体は悪くないのですが、選手起用は大いに疑問。単に選手繰りの関係でやむを得ないのかもしれませんが、矢島と高木を重用するのが非常に不思議。
・川崎戦に続いてこの試合も矢島は引いた位置から一発スルーパス狙いの連続という簡単なお仕事に終始。同じような仕事は柏木もしてました、柏木は相手の厳しいプレッシャーを受けながら高い位置からの組み立てを試みたり、前からなんとかボール奪取を試みたりとしんどい仕事もこなしていました。矢島の縦パスは後半相手に読まれまくって途中でカットされ、カウンターの引き金になっていただけ。柏木と矢島を併用する意味は全くないかと。
・高木は攻撃時IHの位置に入るこのシステムだと相手のボールの奪いどころになるだけ。ミシャでシャドーをやった際にも馴染むのに非常に時間がかかりましたが、その際よりもさらに苦戦している印象しかありません。
・後半阿部が致命傷になりかねないミスを連発。特に後半立ち上がり早々のボールロストで前田にフィニッシュまで持って行かれた場面は肝を冷やしました。なんで阿部を休ませないのかも不思議。

-----ヴィエイラ----
山中---バブンスキ--前田
---扇原--仲町---
下平-朴---中澤-松原
-----飯倉-----
(得点)
53分 前田
(交代)
68分 前田→遠藤
77分 バブンスキー→伊藤
90+2分 ヴィエイラ→シノヅカ
・喜田、天野、マルティノスと主力が3人も出場停止。天野不在でセットプレーによる得点の可能性が減り、また斎藤が大怪我で離脱中で、横浜Mご自慢の両SHが不在な中での攻撃のイメージがさっぱり沸きませんでしたが、本職SBの山中をSHで起用した策が見事に嵌りました。
・扇原&仲町のボランチは前半堀式可変システムに戸惑いがちで矢島や柏木を自由にさせ過ぎた感がありましたが、後半は見事に修正して相手に何もやらせないどころかしばしば攻撃に関与。