浦和2018年の選手補強に関する雑感
・補強の成功/失敗なんて開幕して試合を重ねないと評価できない(思わぬ大化けもあれば、壮大なるババ掴みもあるし、そもそも昨年とやるサッカーが違ったりすると補強に伴う戦力の足し算引き算が困難)というのは正論でしょうが、そもそも補強評価なんて順位予想同様オフの酒の肴みたいなもんですし、それに正論を吐かれてもなぁと思いますので雑感をば少々。
・要点は以下の4点。
(1)ACLなしの中位チームにしては主力流出がなかったのは慶事
(2)「今年は優勝やで!」と踊れるほどの上積みは感じられない。
(3)外国人4人体制は謎過ぎる
(4)SBを補強しなかったのも謎
・従って個人的には(1)を最大限評価してトータルで「合格」とするものの、(2)を考えれば「優」は付かず、(3)(4)もマイナスとみて「良」でもなく「可」どまりかなと評価しました。
(1)ACLなしの中位チームにしては主力流出がなかったのは慶事
・昨年リーグ戦終了時の在籍選手と比較しての流出は、梅崎(湘南)・高木(C大阪)・矢島(G大阪)・駒井(札幌)・那須(神戸)・オナイウ(山口)・田村(福岡)の7選手。
・今年の浦和は残念ながらACLに出場できないので否応なしにA契約選手を27名から25名へ2名削減しなければならず、それゆえ今オフはACL出場を決め、かつDAZNマネーを掴んだクラブから草刈り場となりやすい状況に置かれていました。しかも昨年途中で監督が代わって起用される選手も多少入れ替わり、さらに戦術転換に伴う一層の選手入れ替えもありうる状況でした。
・従ってクラブとして好むと好まざるとに関わらず、主力の流出があっても格段不思議はなかったのですが、終わってみれば流出したのは昨年出番が少なかった選手だらけ。流出組で昨年最もリーグ戦出場時間の長い駒井は堀体制下で出番が激減してますし、堀体制下で出番が増えた矢島はそもそもたいして役に立っていなかったので目先はたいした痛手にはならず。
・よって、置かれた状況を考えれば主力流出を避けられただけでも万々歳ですし、上手く余剰戦力を整理でき、A契約枠を夏の補強が可能なまでに空けられたとも取れる結果となりました。
(2)「今年は優勝やで!」と踊れるほどの上積みは感じられない。
・昨年リーグ戦終了時の在籍選手と比較しての流入は、マルティノス(横浜M)・岩波(神戸)・武富(柏)・山田(湘南)・柴戸(明治大)・橋岡(昇格)・荻原(昇格)の7名。
・堀監督の基本フォーメーションが今年も4-1-4-1であると仮定し、IN&OUTを差し引きすると
①使い道を失っていたSHを減らしてIHを厚くした
②4バックに耐えうるCBと手薄のアンカー候補を補強(遠藤or阿部のアンカー転用含み)
という印象を受けました。
・補強の方向は納得できますが、なにぶん昨年の堀監督の手腕は「ボトムハーフに勝てただけで、中位以上には全く勝てなかった」というなんとも心もとないもの。それを補って余りあるだけの強力な上積みが出来たとはとても思えず。出来不出来というかムラっ気が著しいマルティノスが不発に終わるどころか、ラファエルと「まぜるな危険」になってしまえば今年も中位止まりでしょうなぁ・・・
(3)外国人4人体制は謎過ぎる
・外国人枠を余らせることが多かった浦和には珍しく、アジア枠なしでの外国人を4人も採用(ラファエル・マウシリオ・ズラタン・マルティノス)。ラファエルが今夏に海外へ流出することを見込んでいるならともかく、そうでないのであればこの体制は謎過ぎます。
・正直マルティノスを採るのであれば、昨年ほとんど途中出場止まりだったズタランとの入れ替えであって然るべきでしょう。
・またA契約枠が空いているので、今夏に急遽外国人選手をテコ入れしようにも、もう4人もおるで!となるとどうにもなりません。
・4人体制になることにより、必然的にベンチ外になる選手をどう扱うのか気になります。昨年の駒井を見ると、堀監督はレギュラーから外れた選手へのフォローが上手くないような気がしてなりませんが・・・
→ と、ここまで書いたのですが、結局予想よりはるかに早くラファエルが移籍する運びとなり、謎は悪い方向で解消しました。
(4)SBを補強しなかったのも謎
・長年3バックを採用していたのでSBの本職がいないのが浦和の悩みの種。昨年こそ基本的に左に槙野、右に遠藤を転用して凌いだものの、今オフにSBを補強するのだろうと予想していましたが、意外にもSBの補強はゼロ。
・昨年の苦し紛れの転用に堀監督が妙な出応えを得たのかもしれませんが、少なくとも槙野が代表で不在になるのが確実の左SBの補強がないのは非常に不思議でした。
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