駒井善成選手 北海道コンサドーレ札幌へ期限付き移籍
・先日、駒井善成選手の北海道コンサドーレ札幌への期限付き移籍が公式発表されました。
・リーグ戦終了と同時に札幌の監督にミハイロ・ペトロヴィッチ氏が就任することが明るみになり、それからさほど日を置かずに札幌が駒井にオファーを出していることが報じられました。暮れには札幌へのレンタルが内定したとの報もあり、公式発表が年明けまでずれ込んだのが不思議なくらいです。
・駒井は堀監督就任後出番が激減し、終盤はベンチ入りすらできませんでしたから、出場機会を求めて札幌からのオファーに飛びつくのは道理。期限付き移籍なのは単に浦和との契約が残っていて、札幌に移籍金を払う体力がないだけの話で、そのまま札幌に「借りパク」されてしまう可能性は少なくないと思います。駒井本人も「札幌でより力をつけて帰ってこられたらな」と、浦和自体が戻すつもりもなさげなニュアンスのコメントを残していますし。
・駒井は2016年に京都サンガから完全移籍。ミシャ体制の下では右WBが主戦場となりましたが周囲の選手との連携や守備に難があって加入当初は後半途中からの出場がせいぜい。しかし年終盤に同ポジションを争う梅崎が故障離脱したこともあってレギュラーに昇格。左WBに回った関根共々サイドから鋭いドリブルで敵陣に脅威を与え続けました。駒井も高木同様、同年のルヴァン杯で著しく伸びた一人です。
・しかし翌2017年は宇賀神が再び左WBのレギュラーに回帰し、再び関根と右WBの座を争う形になり、どちらかといえば関根が表、駒井が裏のローテに。
・7月末にミシャが解任され、堀監督が就任すると駒井の立ち位置は一変。ほぼ同じタイミングで関根が海外移籍したので駒井にかかる期待は極めて大きかったはずですが、広島戦(7/1)に痛み止めの座薬を入れたまま出場してたことが判明したことに象徴されるようにどうもコンディションを著しく崩していたようで全くいいところがなく、関根の穴が実にでかいことを実感させる結果に。
・さらに堀監督が第25節柏戦から基本フォーメーションを4-1-4-1に大転換すると、駒井はさらに苦しい立場に。天皇杯4回戦(鹿島戦)・鳥栖戦と立て続けに右SBでスタメン出場の機会を得ましたが、鳥栖戦では不用意なボールロストを繰り返して失点に絡んだ挙句、60分にお役御免。これ以降駒井はベンチに入ることすら叶いませんでした。
・せっかくの出場機会で良いところを見せられなかった以上出番がなくなるのは致し方ありません。しかし、堀監督就任後出場機会を得た矢島や菊池が全然良いところがなくても引き続きチャンスを与えられ、また今般浦和を去ることになった高木や梅崎も出場機会はあったことと比べると、駒井の扱いは些か酷に過ぎる気がします。これでは堀体制が継続しているかぎり駒井の浦和復帰はないでしょう。
・今オフで堀体制で出番が少なくなった選手、しかも年齢的に中堅どころの選手が続々浦和を去るのを見ると、ミシャと違って堀監督はベンチ暮らしの選手へのフォローがものすごく下手なのではないかという気がしてなりません。もっとも堀監督が悪いというより、その手の気遣いについてミシャの力量が凄すぎたというべきでしょうが。
・ドリブル得意とはいえ使い方があまり効果的でなく、特に関根のように自らシュートをねじ込みに行く力がないのが残念。またクロス精度がイマイチな上に、ファーストチョイスが常にドリブルという感じなので相手が慣れると対処されやすいという難点もあり、おまけに好不調の波がでかい選手なので有り余る才能の割には使いづらい選手なのかもしれません。しかし、かなり不幸な形でとりあえず浦和を出ることになったのは残念です。
・札幌はもともと右WBが手薄だったので駒井獲得は実に合理的。浦和戦には出られない契約なので、浦和戦以外での活躍を楽しみにしています。恩師というほどミシャの下での経験が深いわけではなく、主力というには微妙な立ち位置だったので、ミシャスタイルの伝道者としてはあまり適任ではないと思いますが。
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