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2018.03.08

【観戦記】18年ルヴァン杯第1戦:名古屋 1-4 浦和 ~ 勝ちにいったメンバー構成でちゃんと勝った!

・浦和はホーム広島戦から中2日、さらに週末には中2日でアウェー長崎戦が控えているにも関わらず、大胆なターンオーバーを封印するどころかセンターラインをレギュラー陣で固めた1.5軍っぽい布陣でルヴァン杯初戦に臨んできました。

・一方の名古屋はリーグ戦から休みが浦和より1日多い中3日にも関わらず総とっかえの布陣。端的に言えば開幕からしょーもない相手に不甲斐ない試合の連続でスタートダッシュに失敗して何かと余裕がない浦和と、開幕戦連勝でテストの余裕がある名古屋の差が表れた布陣といってもいいでしょう。

・浦和が日程&ルヴァン杯初戦にしては「過剰」と思える「勝ちに行く」布陣を敷いたのは、ルヴァン杯でも負けてしまうとチームの自信が失われるだけでなく、一気に堀監督更迭の嵐が吹き荒れかねないせいでしょう。そして浦和は勝ちに行ってしっかり勝った。組織レベルといい個々人レベルといい相手が弱すぎてこの試合の意義はそれ以上でもそれ以下でもなかったような気がします。この試合を見て「堀監督が本当にやりたいことがー」なんて語るのは少々大言壮語に過ぎ、せいぜい相手の出方に応じたサッカーをできるようになった(ポゼッションに拘らずカウンター主体)くらいが最大限の評価だと思います。

・もちろんルヴァン杯のレギュレーション(全ての試合において21歳以下の選手を1名以上先発に含める)を踏まえて唯一テスト的な意味合いで起用された荻原の大活躍もこの試合の成果に上げて良いと思います。1点目は難しい体勢から枠内シュートを撃てること自体が驚きでしたし、2点目は対面のSBをスピードでぶっちぎって「一人で出来た!!」。

・対面のSBはどうやらU-18だったみたいで、この試合での活躍を額面取り受け取るのは難しいと思いますが、それでも前目の選手なのに1点も取れずに浦和を去らざるを得なかった先輩が山のようにいることを思えばどんな形、どんな機会であれ公式戦で得点を挙げて浦和にしっかりと足跡を残せたのは喜ぶべきことでしょう。おいおい手強い相手になんも出来ずに終わる日がくるでしょうけれど、その壁にぶち当たるまでのチャンスが与えられないまま終わった先輩がいかに多かったことか。

015

・それにしても歯応えのない相手でした。もともと守備には見るべきものがなく、「攻めてないと、ボールを持ってないと死ぬ!!」みたいな色彩が強い風間スタイルですから、ひとたび受けに回るとどうにもなりません。おまけに川崎時代はベストメンバーじゃないとチーム力がガタ落ちになる傾向が強かっただけに、ここまで面子を入れ替えてしまうとチームとして体をなさないのも致し方ないのかもしれません。

・名古屋の試合の入りは悪くなく、浦和の最終ラインに目一杯プレッシャーをかけてきました。心持ちない浦和のビルドアップに狙いを付けたのでしょうが、残念ながらそれが5分と持たなかったのが名古屋の敗因といっても差し支えないでしょう。最終ラインは極端に浅いのにロングフィードが巧い岩波をフリーにしたのが名古屋の大敗の主因と言ってもいいくらい。

・9分の得点は岩波のロングフィードを受けて李が右サイドを突破したのが契機。李→長澤クロス→興梠どフリーヘッドで先制。名古屋両CBが興梠を全く見ていないのがいやはやなんとも・・・ 15分も岩波→左サイドの興梠が裏抜けをチラつかせながら中へ斬りこんだ荻原へ展開→荻原難しい体勢からフィニッシュ!

・こうなると名古屋は裏抜けが怖くなって最終ラインがズルズル下がりがちになり、おまけにラインの統率も満足に出来ないのがしょっちゅうギャップを作り勝ちになって、浦和がやりたい放題に。18分の得点はカウンターで右サイドに飛び出した長澤からクロス→なぜか最前線に踊りだした遠藤→興梠がDFを背負って反転シュート! この3失点目での挙動が珍妙だったCBワシントンが名古屋大崩壊の元凶と目されたようで、3点目を取られた後にアンカー内田とポジションが入れ替わっていましたが、そこでも失態を繰り返してしました。

・31分の4点目は先述のように長澤のパスを受けた荻原の「一人で出来た!」。シュートがSBの足に当たったのが幸いしてGKの頭を越えるループ気味の軌道になったのが幸いしましたが、点差もついて気楽に撃って良い局面なので何の問題もありません。

・早々と大差がついたので、堀監督は長崎戦を睨んで早めに興梠を下げる余裕。名古屋は相変わらず前から頻りにプレッシャーをかけてくるものの後ろが付いて来ないので、浦和は前プレさえ交わしてしまえばスカスカの名古屋の中盤を楽々ボールを運べて決定機の山。しかし、58分ワシントンのボールロストからのショートカウンターで長澤→エリア内で李スルー→どフリーの武富シュートをDFにぶち当てという失態があった後は浦和のパス精度が急激に落ち、また選手間の意図も微妙に合わなくなって失速。

・さらに浦和が青木に代えて阿部を入れ、名古屋がとうとうワシントンを諦めてアーリアを投入した辺りから浦和が押し込まれがちになり、最終ライン前でボールを回されて何度も決定機を与えた挙句、とうとう87分に右サイドから途中投入の和泉→押谷裏抜け→折り返しを佐藤で失点。終盤は荻原が足を攣ってしまい、李も慣れないポジションで消耗してしまったせいか両サイドの守備が著しく緩慢になったのも失点の一因でしょう。とはいえ、こんな相手でも完封できないとは・・・・

・試合終了直前にも途中投入の武藤→右サイド遠藤からクロス→中でズラタンと完璧に崩したにも関わらず、シュートはなぜか枠外という一幕があり、正直竜頭蛇尾の感は免れませんでしたが、勝ちにいったメンバー構成でちゃんと勝っただけでこの試合は十分でしょう。

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荻原---興梠----李
--武富----長澤--
-----青木-----
菊池-槙野--岩波-遠藤
-----西川-----

(得点)
9分  興梠
15分 荻原
17分 興梠
31分 荻原

(交代)
36分 興梠→ズラタン
63分 青木→阿部
83分 武富→武藤

・長澤も武富もズラタンも完璧に相手を崩した絶好機を決められず。特に武富は浦和移籍後初ゴールを挙げる好機だったから本人も少々悔やんでいるかもしれません。なぜか右WGで起用された李も含めてダイレクトにゴールへ向かう面子が前目に揃ったのでカウンターに迫力があった反面、興梠や柏木といったタメを作れる選手がいないので攻撃が一本調子で、それが興梠交代後追加点が取れない一因になったかも。相手がアレだったとはいえ、前目はおしなべて合格点でしょう。

・1、2点目を演出した岩波のロングフィードは魅力。これまた相手がアレだったので肝心の守備がどうなのかを確認する機会が少なかったものの、前節マウリシオが「なんだぁ、ピクン??」状態でなぜか著しく不安定だったので、過密日程の過程で岩波の出番は増えるかもしれません。

・普段のベンチ組で唯一精彩を欠いたのは菊池。前がボールをキープせずに自分で行ってしまいがちな荻原なので攻撃参加の場面が少ないのはともかく、右の遠藤と比べるとビルドアップが心もとないのが気になりました。また終盤ちょっと一対一の守備で苦戦しすぎだったような。

・一方遠藤が出色の出来。遠藤はクロスこそあまり期待できないものの、時にボランチ然としたポジション取り、さらには機を見て前線へ飛び出す働きに刮目すべきものがあり、この試合の収穫の一つに上げて良いかもしれません。

026_2

佐藤---押谷---大垣
--玉田---八反田--
-----内田-----
成瀬-ワシントン--櫛引-萩野
-----西川-----

(得点)
87分 佐藤 寿人

(交代)
36分 萩野→秋山(成瀬が右SBへ)
57分 大垣→和泉
63分 ワシントン→長谷川(ワシントンは前半途中からアンカー)

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