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2018.04.02

【観戦記】18年第5節:磐田 2-1 浦和  ~ 法多山死の彷徨

・シーズンオフのキャンプを経てもチーム状態を好転させられなかったのに、たかだか2週間かそこらの時間があったところでチーム状態が劇的に良くなるわけがなかろうと何の期待もせずにエコパまでノコノコでかけましたが、案の定というかなんというか、浦和のパフォーマンスはその甚だ低い期待値すら下回る惨状。今後W杯による中断期間まで延々と繰り広げられるであろう「浦和の地獄絵巻全15巻」の巻頭を飾るにふさわしい、壮絶なシロモノと相成りました。

・端的に言ってしまえば「儲けもののPKを得て先制したものの、あとは座して死を待つだけ」というだけの試合内容。PKのおかげで一応試合にはなりましたが、その後の浦和の決定機は前半ATにクリアボールを拾った柏木のシュートがポストを叩いた場面と、47分に武藤→興梠があっただけ。もっとも磐田もレギュラーを多数欠いているせいか出来も芳しくはなくてパスミスが続出し、正直これがJ1の試合なのかとボヤキたくなる時間帯も長かったかと思いますが、セットプレーを含めて磐田のほうが決定機は多く、スコアは手数の差を反映した妥当なものでしょう。アダイウトンがいたら終盤のカウンターで大差がついていたかと。

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・今の浦和の何が酷いってロクにパスを繋げられなくなってしまったこと。布陣を4-4-2に変更して選手間の距離が近くはなったものの、その近い距離間ですら恐る恐るゆるゆると足元から足元へパスを繋ぐだけ。磐田の前からのプレッシャーを交わすのが精一杯で、いったん相手に守備ブロックを作られてしまうと、相手が凡ミスを犯さない限り手も足も出ません。しかも往々にしてミスを犯すのは相手ではなく浦和のほう。

・「ここにボールが入ったら他の選手はこう動いているはず」というチーム間の約束事なんて全然ない、あるいはあったとしてもチームに落とし込まれていないのでしょう。選手間で同じ絵が描けていないので、パスを受けたその先の一手が誰にも見えておらず、たちまち行き詰まってしまう。パターン化され、自動化が進んだミシャ式のパス回しを長年見てきたせいか、あまりにも緩く、あまりにも拙くなってしまった浦和の現状には涙が出てきます。こんな緩いパス回しを続けているうちに有望な選手もどんどん下手になってゆくんだろうなぁ・・・

・最初は4-1-2-3で「今年はとにかくマルティノスで殴りまくるで!」みたいなサッカーを志向するのかと思ったら、長崎戦で早々に行き詰まったのを気に病んでかいきなりマルティノス自体がお蔵入り。ポゼッション志向&4バックの横浜M相手に前からハメることを企図して突如4-4-2を始めたのは良かったとしても、特にポゼッションに拘るわけではない&3バックの磐田相手にもなぜか4-4-2を継続して良いところなく玉砕。キャンプでの仕込みを早々にかなぐり捨てて右往左往しているようでは「同じ絵を描く」なんて夢のまた夢。

・言い換えれば堀監督のやりたいサッカーなんてものはなかった。いや「ラファエルなんとかしてくれ!!」以外の何物でもなかったのでしょう。そして予想外に早かったラファエルの離脱で全てが雲散霧消。「堀監督のやりたいサッカー」に合わせて選手を集めても、そもそも堀監督のやりたいサッカーなんて無いも同然なのだから集めるだけ無駄。ああ、早々と塩漬けにされたマルティノスが可哀そう・・・

・攻めるにしても守るにしてもほとんど組織化されていないので、ボールを受けるにしても穴を埋めるにしてもとにかく個々人が我武者羅に走って頑張るしかない。前半はそれでなんとか取り繕っていても終盤はバテてどうにもならない。陣形は間延びしてやたらオープンな試合になってしまう。この繰り返しに選手達も虚しさを感じているのでしょう。81分に逆転された瞬間、何人もの選手の心が折れたのがはっきりと判りました。もうこのチームはぶっ壊れたようです、残念ながら。こうなると選手を入れ替えようが、戦術を練り直そうが、チーム再建は無理でしょう。

・選手以上にベンチがぶっ壊れているのか、ビハインドなのに交代枠を一つ余して試合終了。結果的に点は入らなかったがチャンスは何度も作れているので交代しなかったなら理解できますが、既に戦況は絶望的で、しかも武藤や興梠を筆頭にヘロヘロになっている選手が続出しているのに交代枠を余らせるとは。試合前の準備が不十分な上に、試合中の調整も出来ない。いやはや、これが浦和の地獄絵なのか!!

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---興梠--武富---
武藤--------長澤
---青木--柏木---
槙野-マウリシオ--阿部-遠藤
-----西川-----

(得点)
8分 興梠(PK)

(交代)
70分 武富→ナバウト
79分 長澤→李(武藤が右SH、ナバウトが左SHへ)

・宇賀神が代表で故障したので、槙野が久しぶりに左SBに回り、CBには阿部がスタメン入り。残念ながら阿部の出来は酷くて2失点に関与。試合開始早々簡単にぶち抜かれたのを皮切りに怪しげなプレーを連発。最初の失点では川又への対応が軽すぎ、2失点目は前でボールを奪おうとして及ばずに川又に入れ替わられてしまいました。もっとも最初の失点はクロスに飛び込んできた高橋がフリーなほうが問題で、2失点目は青木のパスミスが引き金なので阿部だけが悪いわけではありませんが、阿部は「燃え尽き」が懸念されるくらい今季不振続きで残念です。

・右SBには故障を抱えたまま欧州遠征に帯同した遠藤が復帰しましたが、遠藤の出来も散々。阿部共々右サイド炎上の一因となり、クロスもロングフィードも悉く精度を欠きました。

・故障明けの森脇がスタメンに復帰するかと思ったのですが、キャンプ中から故障続きでコンディションが上がっていないのか、故障再発を恐れて慎重になっているのか、この日はベンチにも入らず。もっとも浦和の疾患はもはや森脇復帰でどうなるものではないと思いますが。

・PKは武藤→武富からのクロスが大井のハンドを誘発したもの。広げた手に当たっているので大井が不用意としか言いようがなく、儲けものみたいなPKですが、不当なPKではありません。ただ武富は興梠に最前線でボールを収めてもらってから飛び出すのが得意な選手なので、興梠が厳しくマークされ、あるいはバテテしまうと武富も消えてしまいがち。

・武富に代わって新外国人ナバウトが投入され、投入直後は右サイドでナバウト縦への突破を活かそうという企図が見て取れましたが、すぐに沙汰止みに。そういえば序盤は磐田最終ラインの裏狙いが散見されましたが、それも続かずに沙汰止みになっちゃったなぁ・・・

013

-----川又-----
--松浦----山田--
宮崎-上原--田口-櫻内
-新里--大井--高橋-
-----カミンスキー----

(得点)
45分 川又
81分 川又

(交代)
66分 松浦→中野
75分 山田→中村
84分 中野→松本

・故障していた中村がなんと浦和戦でベンチ入りし、かつ終盤に登場。どうせ負けるなら中直接FK一閃でばっさりと介錯してもらいたかったのに。でも投入直後のFK→川又でいきなり見せ場。

・名波監督は後半途中投入の中野を逆転直後にいきなり下げてしまう鬼采配。大卒新人選手なので非常に気の毒ですが、なんだかんだとめっちゃ人望があるらしい名波監督なので、その後のフォローも完璧なんやろうなぁ・・・

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