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2018.05.17

【観戦記】18年ルヴァン杯第6戦:浦和 1-0 広島 ~ 一度は崩壊したチームが、ああ堂々の首位通過!!

・他の試合の動向に関係なく、最低引き分けでもグループリーグ通過が決まるこの一戦。後半は撃ち合いの様相となりましたが、浦和は李が難しいゴールを一つ決めたのに対し、広島は頼みのパトリックが不発に終わって浦和の完封勝ち。浦和はグループリーグ終盤3連勝がモノを言ってなんと堂々の首位通過。第2節ホームG大阪戦を1.5軍仕様で臨んだにもかかわらず立ち上がりに粉砕されて大敗した時点で今年のルヴァン杯は終わったと思っただけに、この結果は存外の喜びといっても差し支えありません。

・一方広島は連勝スタートだったにも関わらず終盤3連敗でまさかのグループリーグ敗退。両者の明暗がくっきりと分かれました。

・たった6試合しかないグループリーグですが、終わってみれば第3節アウェー広島戦のスコアレスドローがいろんな意味で転機でした。磐田戦の惨敗を契機に堀監督が更迭されて大槻新監督に与えられた準備機会はわずか2日&遠距離移動付きの試合。しかもその後にはこれまた中2日でリーグ戦仙台戦が控えているという難しい状況で、大槻監督はスタメンを磐田戦から全員入れ替える「暴挙」に出ましたが、これが見事に奏功。勝ち点1をゲットしたしたこと以上に控え組のモチベーションを劇的に向上させたのがその後の3連勝に繋がったといっても良いでしょう。

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・李の一発がモノを言って浦和が勝つには勝ちましたが、試合自体はどちらかと言えば広島ペースで進んだと思います。この試合広島は勝利が必須だったにも関わらず、スタメンでレギュラークラスは左SB稲垣とGK林だけで第3節の対戦時と大差がないルヴァン仕様。ただベンチにパトリックと柏が控えており、ロースコアのまま試合を進めてから終盤この両名を投入して一気に勝負に出るのだろうと推察されました。

・一方浦和はGK福島を西川に代えるサプライズがあっただけでなく、レギュラー組をなんと槙野・橋岡・遠藤・長澤と計5名も起用。中2日でリーグ戦G大阪戦が控えていることを考えれば随分思い切った起用で、ルヴァン杯への取り組み姿勢はスタメン構成を見る限りどう見ても浦和のほうが前のめり。しかも浦和は「引き分けを狙ってプレーをすると、それが敗戦につながりますので、私たちは勝利を目指してプレーしました。」との監督の言葉通り、序盤から積極的に打って出ました。

・しかし、その姿勢は悪くないにしても、どちらかといえば前半は広島の思う壺だったような。広島は判りやすい4-4-2で自陣に守備ブロックを作っている時間こそ長いものの、鳥栖と違って最終ラインは高めで、しかも浦和のボールホルダーにかなり厳しく寄せてきました。浦和の攻撃を高めの位置で寸断してのショートカウンター狙いと目されます。

・そのため前半の浦和はビルドアップに四苦八苦し、攻撃の形らしきものが作れたのは31分阿部縦パス→李裏抜けかかってポスト→長澤シュートくらい。広島を押し込んでもその中央が非常に固く、浦和はその硬いところにわざわざ突っ込んでいるような感すらありました。90分を通じて広島の守備は強固で、なんで前節G大阪に2-0から逆転負けを喫したのか実に不可解。というか、浦和の攻めがそれだけしょぼいということなのか・・・前半のマルティノスは密集の中で呻吟するばかりでしたし。

・攻め切れないだけならまだしも、広島の狙い通りにカウンターを食らいかかる場面も散発。カウンター時の広島は右SB馬渡がキーマンで、菊池がその馬渡に終始苦戦気味で怪しさ満点でしたが、37分菊池はとうとう緩い横パスをティーラシンに奪われるという大失態を犯してしまいました。槙野を交わしたティーラシンを菊池は後方から倒してしまったように見え、決定機阻止=一発レッドでも不思議はないと思われましたが山本主審の判定はティーラシンが勝手にこけたと判断したのかノーファウル。この試合山本主審は橋岡やマルティノスになんだかよく判らないイエローカードを出しましたが、この判定で全て水に流しても良いと思えるくらい(苦笑)

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・九死に一生を得た感のある浦和に対し、城福監督は後半頭からパトリックを投入。投入のタイミングは私の予想より早めでしたが、広島優勢と判断して一気に勝負に出たのでしょう。そしてこの投入から戦局は一気に流動的になりました。

・浦和は初めて右サイド攻撃が機能して54分橋岡クロス→武富ヘッドの決定機を作った一方、広島は53分マルティノスのボールロストからのカウンターで川辺→ティーラシン、さらに59分浦和が攻めきれずにカウンターを食らい、川辺→パトリックと決定機を作ったものの、いずれも枠外。特に59分の逸機は終わってみればこの試合の勝敗の分かれ目だったと思います。

・浦和が右SB橋岡を下げたのを見て、広島は左SH柏を投入。ここまでは城福監督の算段通りだったでしょうが、予想外だったのは浦和右サイドでスペースを得たマルティノスが暴れだして、柏が思うように攻撃参加できなくなったことでしょう。

・思わぬマルちゃん効果で反撃に出た浦和は66分広島を押し込んだところから阿部のパスをエリア内で森島が愚かにもバンザイで防いでしまい、言い逃れのしようがない形でPKをゲット。しかしこのPKを志願して蹴った李のシュートはコースも甘ければスピードも緩いというありさまでGK林が難なくキャッチってなんやねん・・・(つД`)

・さらに73分浦和CKの流れから途中投入の荻原が意図不明の縦パスを入れたのが仇となってカウンターを食らう大ピンチがありましたが、これまた途中投入の青木がなんとか最後までパトリックに食らいついたのが奏功したのか、パトリックのシュートは枠外。

・流動的というかかなりドタバタした戦況にピリオドを打ったのが76分の李のゴール。マルティノスがロストしたボールを自ら必死に奪い返しにゆくという、あまりマルらしくない献身的なプレーが奏功して高い位置での再奪回に成功。マルがボールを奪回した相手が柏だったというあたり、右サイドの攻防が勝敗を分けたという見方もできましょう。

・そしてこぼれ玉を拾った李がバイタルエリアから強襲してゴール!!前に丹羽がいてシュートコースは狭く、しかも野上が追いすがってくる中での難しいゴールをよく決めてくれました!PKをクソみたいな形で失敗しても全然凹まない李のメンタルの強さが生んだといっても良いゴールでした。

・終盤になって広島も柏のクロスを武器に攻め込んできましたが、上げた先では槙野がパトリック相手に奮戦。さすがG大阪時代から「パトリック・バスター」として鳴らしただけのことはある男、この日も見事パトリックを封殺。また危ない場面では西川が無難にパンチングで逃れ、事故的な失点が起こりやすいゴール前でのごちゃごちゃした局面を作らせませんでした。もっとも2点必要になった広島の攻撃が雑になったのにも助けられたような気もしますが。

・また浦和は先制後も守備一辺倒に陥らず、少人数ながらカウンターで追加点を狙い続けて広島の攻勢を寸断し、ATになってようやく鹿島って逃げ切り勝ち。先制後の試合運びはミシャ時代と違って囲碁でいう「紛れ」の要素が少ない実に堅実なもの。この辺はさすがオリヴェイラ。

・今年のルヴァン杯はグループリーグを首位通過してもなぜかプレーオフがあるという奇怪なレギュレーションで、プレーオフの相手はなんとJ2の甲府(B組2位)。今年は甲府に行く機会がないと思っていただけに、願ったりかなったりの相手です。

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-----李------
武富---長澤--マルティノス
---遠藤--阿部---
菊池-槙野--岩波-橋岡
-----西川-----

(得点)
76分 李

(交代)
57分 長澤→武藤
62分 橋岡→荻原(菊池が右SB、荻原が左SB)
72分 遠藤→青木

・この試合の選手交代は3人とも中2日で続くG大阪戦を睨んでレギュラー選手を「ちょうど時間となりましたぁー」とばかりに下げたという意味合いしか持たないと思います。よって途中からリーグ戦で出番が少ない選手がゾロゾロ出てくる展開になりましたが、それでも大崩れしなかったのは第3節以降の控え組の積み上げが効いたのでしょう。

004

--ティーラシン---渡---
シウバ--------川辺
---松本--森島---
稲垣-吉野--丹羽-馬渡
-----林------

(交代)
HT 渡→パトリック
63分 フェリペ・シウバ→柏
73分 松本→野上

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