【TV短感】ロシアW杯H組第3戦:日本 0-1 ポーランド ~ 何もかも運任せ、コロンビア任せ(苦笑)
・ポーランドはグループリーグ連敗に終わったのも当然と感じられるトホホな出来でしたが、なぜかスタメンを一気に6人も入れ替える暴挙に出た日本の出来も褒められたものではなく、双方低調な試合内容ながら後半ついにセットプレーで失点。裏カード「セネガルvsコロンビア」が双方「談合」の末ドローに終わってしまえばセネガルが1位、コロンビアが2位でグループリーグ突破、日本はグループリーグ敗退が決まるという厳しい状況に立たされてしまいました。
・ところがコロンビアが1位通過を欲張ったのか、突如「談合」を破棄して74分にセットプレーで先制。この時点で日本とセネガルは勝点、得失点差、総得点で並び、警告などのフェアプレーポイントで日本が2位でグループリーグ突破という珍しい状況が生じました。
・ATを含めて残り時間10分程度となった時点で西野監督はなんとポーランド相手に攻めずに0-1のスコアを甘受し、コロンビアが同点に追いつかれないことに賭けるという大博打に打って出ました。
・確かに後半の日本は大迫、乾投入の甲斐もなく、酷暑も手伝ってか運動量が激減してほとんど得点の気配がないどころか、ポーランドのカウンターを浴びて追加点を取られかねない場面が目立ちました。それゆえ無理に点を取りにいって致命的な2失点目を食らう愚を犯す(しかもその可能性が高いことははっきりしている)よりは、自分ではコントロールしようがない他会場のスコアに賭けるという判断は、賭けの分としてはそんなに悪いものではなかったと思います。
・ただその賭けに敗れた場合、西野監督はこれまでのキャリアが全部無になるくらいの激しい批判を浴びたことでしょう。勝つ可能性が相対的に高い選択肢を選んだに過ぎないのだが、失敗した時の失うものの大きさを考えれば、この賭けは相当の強心臓の博打打ちじゃないとできません。この点だけは西野監督に脱帽します。そして西野監督はその賭けに見事勝ちました。
・この「目の前の試合の負けを甘受して、他会場の結果に身をゆだねる」という賭けはスペクタクルな試合を期待する向きからすれば腹立たしいでしょうが、残念ながらこの試合は結果が何より大事。結果が全ての試合でしょっちゅう結果が残らなかったクラブを応援している身としては、西野監督の大博打とそれに勝った強運を批判できません。
・ただ、この試合で納得できないのは「最善の手を尽くした上で、最後はやむを得ず大博打に打って出た」という風には見えなかったこと。端的に言えばスタメンをなぜか一挙に6人も入れ替えたのは謎としか言いようがありません。2試合終えた時点でグループリーグ突破を決めている強豪国がやりがちな「16強を見据えての大胆なターンオーバー」なんて訳がなく、単に2戦をスタメン固定で戦った挙句に大消耗して大幅に入れ替えざるを得なかっただけでしょう、これは。
・そしてこの入れ替えは全員失敗。ある者はボールをこねくり回してチャンスを潰し、ある者は守備に大穴を開け、ある者は攻めに出ても何もできず、ある者はしょっちゅう判断を誤り、ある者は案の定故障。また柴崎は前2戦の活躍で日本の生命線であることがバレでしまい、柴崎本人の疲れもあって何もさせてもらえませんでした。ゆえに立ち上がりこそポーランド最終ラインのミスを突いて決定機を2度作りましたが、その後は著しく尻すぼみに。
・引き分けでいい試合だったのに、引き分けすら難しい状況に追い込まれたのは半ば以上自業自得でしょう。2試合で戦力を使い果たして3試合目を戦う余力が日本にはなかったと言い換えることもいいでしょう。
・この「6人替え」の暴挙を見る限り、西野監督にそもそも3試合通じてのゲームプランなんてあったかどうか甚だ疑わしいような気がします。結局ほぼ90分間10人だったコロンビアになんとか勝っただけで、11人相手には1分1敗。それでもグループリーグ突破と戦前の予想を良い意味で大きく裏切る結果になりましたが、この大会で得るものがあったかどうか、先に繋がるものがあったかどうか・・・
・しかし、結果的にこの6人替えが「16強を見据えての大胆なターンオーバー」になったという西野監督の強運ぶりには苦笑を禁じえません。まさに結果オーライ。
---武藤--岡崎---
宇佐美------酒井高
---柴崎--山口---
長友-槙野-吉田-酒井宏
-----川島-----
(得点)
59分 ベドナレク
(交代)
47分 岡崎→大迫
65分 宇佐美→乾
82分 武藤→長谷部
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