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2018.06.07

【TV観戦記】18年天皇杯2回戦:浦和 3-0 YS横浜 ~ とりあえず勝てばよかろう(虚しい・・・

・ほとんど良いところがなかった前半に半ば以上儲けもののような恰好で2点転がり込んだ一方、圧倒的に優勢だった後半には1点しか取れず、総じてなんだかなぁな試合でした。試合中どころか試合前から雨との予報だったので、この日はスカパー観戦にしましたが、結果的にそれで大正解。しかし、浦和同様リーグ戦で下位に沈むG大阪や名古屋がアップセットを喰らった話を聞くと、何かと難しい天皇杯初戦でカテゴリーが2つも下の相手にどんな内容であれきっちり勝てたことを率直に喜ぶべきなのかも。

・不可解だったのはこの日のスタメン。甲府とのルヴァン杯プレーオフ第1戦から中2日、かつ第2戦が中2日で続くので天皇杯は第1戦に出場しなかったメンバーをフル活用してターンオーバーするものと思い込んでいた(実際甲府は天皇杯でフルターンオーバー)のですが、オリヴェイラの選択はなんと李→阿部と一人入れ替えたのみ。布陣も4-2-2-2から4-2-3-1へ微調整。

・3連戦の後はまた長い休みなので無理が効くと判断し、メンバーほぼ固定で戦術理解なりコンビネーションなりの熟成を優先させたとの前向きな評価も出来ますが、単にACLに通じる天皇杯のほうがルヴァン杯より優先度が高いだけ、身も蓋もない言い方をすればルヴァン杯第2戦はほぼ諦めているともとれるスタメン構成です。もちろん監督が真意を明かすわけがありませんが、第2戦の結果次第ではひと悶着ありそう。

・で、ルヴァン杯第1戦とほぼ同じ面子でJ3のYS横浜に挑み(!)ましたが、前半の試合内容は残念ながらルヴァン杯からさほど改善したようには見えず。4-4-2の布陣で前から積極的にプレッシャーをかけてくるYS横浜に対して、浦和はこの試合もビルドアップが怪しげ。なんとか興梠なり両SHなりにボールを運んでもそこから後方へののリターンがミスになってカウンターを食らう場面が再三見受けられました。

・またCBが引いたFWに妙に前に食いつきすぎて、出来た最終ラインのギャップを突かれてしまう場面もチラホラ。食いつかなかったらなかったで、最終ラインと両ボランチの間のスペースを自由に使われてしまう。菊池のポジショニングはどうにも怪しく、さらにそして何でもないところで守備が軽すぎる「岩波劇場」はこの試合でも健在。J2の甲府だから2失点で済み、J3のYS横浜だから無失点だったという、カテゴリーの差でなんとか助かっているけれども、オリヴェイラの4バックは攻守とも依然課題山積という感がありありの前半でした。

・しかも運が悪いことに19分長澤が負傷退場。シュートを放った後の手の付き方が悪かったのか右肩を脱臼した模様でオリヴェイラはやむなく直輝を投入。直輝は投入直後こそ後方と前線のつなぎ役として機能していましたが、監督が試合後「山田と阿部にはより(興梠)慎三の近くでサポートをしなさい、という指示を出しました。」と明かしていた通り、時間の経過と共にしょっちゅう下がったりサイドに流れたりするのが災いして興梠の孤立化を招いていたような気がしました。

・従って浦和は決定機らしい決定機がないまま時間が徒過しましたが、34分菊池クロス→マルティノスが後方へすらしたボールが相手オウンゴールを誘発し、非常に思いがけない形で浦和先制。

・さらに前半終了間際の岩波劇場で死にかかった直後のカウンター。武藤クロス→興梠ヘッドはいったんGKにセーブされたものの、そのクリアボールがなんと横浜SB(9番大泉)のエリア内ハンドを誘発してPKゲット。興梠が決めて追加点ともう儲けものというか、浦和はここで今年の運を使い果たしたのではと思えるくらいラッキーな形で、内容はしょっぱいのに2点リードで折り返すことができました。

・後半になるとYS横浜の運動量が幾分落ちて、浦和はビルドアップが容易になっただけでなく横浜の守備ブロックの間で簡単にボールを受けられるようになって一気に大攻勢。48分宇賀神が左サイドを深々と抉ったのを皮切りに良い形をこれでもかこれでもかと作りましたが、相手を崩しているにも関わらずラストパスがわずかに合わない、シュートを撃ちきれない場面だらけでなかなか追加点を奪えず。

・さらに前掛かり気味になった相手に対して興梠に代わって1トップに入ったマルティノスの裏抜け攻撃が猛威を奮ったものの、これまたラストパスがわずかに合わない、シュートを撃ちきれない場面だらけ。

・このままなんだかなぁなまま試合が終わろうとしていたところ、AT突入直前のカウンターでマルティノス→武藤のシュートが相手にブロックされて流れたところをファーで直輝が詰めてようやくダメ押しの3点目。これは直輝がさぼらずに動いたことへのご褒美でしょう。浦和復帰後の直輝のゴールがようやく見られたということで、雨の中駒場へやってきた4000人余の観客はお祭り騒ぎ。

・3回戦の相手は残念ながらくまモンではなく、何かとめんどくさい松本に決定。あー、めんどくさい・・・

-----興梠-----
武藤---長澤--マルティノス
---青木--阿部---
宇賀神-マウリシオ-岩波-菊池
-----西川-----

(得点)
34分 オウンゴール(6番宗近)
45+2分 興梠
90分 直輝

(交代)
19分 長澤→直輝
66分 興梠→柏木(マルが1トップ、直輝が右SH、柏木がトップ下)
74分 宇賀神→森脇(森脇が右SB、菊池が左SB)

・前述のようにトップ下に入ったはずの直輝がしょっちゅう下がったりサイドに流れたりして全然興梠のサポートにならないので、途中からマルがえらく前に出て2トップっぽくなってたり、さらには興梠とポジションが入れ替わったりしてたように見えましたが、これはどこまで意図的だったのかどうか。直輝はマルティノス1トップになってから再び後方と前線のリンクマン的な動きをし始めましたが、トータルの評価はちょっと微妙・・・長澤故障でようやく巡ってきた好機を活かせるかどうか。

・トゥーロン国際大会で活躍中の橋岡(U-21代表)をルヴァン杯第2戦に向けて急遽呼び戻したところを見ると、オリヴェイラの右SBとしての菊池の評価はかなり厳しいということなのでしょう。菊池が先制点に繋がったクロスしか良いところがなかったのに対し、宇賀神が後半左サイドで躍動したのがこの試合の良かった探し。

・得点にこそ直結しませんでしたが後半のマルティノスの躍動ぶりを見ると本当に使い方が難しいというか、使う場面が限られるけれども、嵌れば威力があるのは確かなんだよなぁ・・・

・柏木と森脇の投入はルヴァン杯第2戦へ向けての試運転以上の意味は持たないと思います。でも柏木のシュートがががが(つД`)

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