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2018.08.20

【DAZN観戦記】18年第23節:清水 3-3 浦和 ~ 浦和らしからぬまさかの撃ち合い

・清水に三度先行を許しながら、その度に同点に追いついての引き分け。双方ヘロヘロになりがちな真夏の酷暑下の一戦ならともかく、秋の気配が感じられる気候の下でかかる撃ち合いになったのは予想外でした。またそもそもオリヴェイラ体制下の浦和は「点はあんまり取れないが、まずは守備から入る」というスタイルを志向しており、ミシャ体制下のような派手な展開にはなりにくいはずですが、終わってみればオリヴェイラ監督自身も予想しなかったであろう展開に。

・シュート数は浦和13vs清水15、CKは浦和8vs清水6とほぼ互角なので引き分けは妥当な結果なのかもしれませんが、個人的には浦和の出来は芳しくなく、引き分け御の字、勝ち点1で甘受せざるを得ないという印象を受けました。

・浦和の出来が芳しくなかった主因はオリヴェイラ監督にしては珍しい大胆なスタメン変更でしょう。オリヴェイラ監督は前節出場停止のマウリシオをスタメンに戻しただけではなく、森脇→橋岡、宇賀神→菊池と前節から両WBを入れ替え、さらに柏木をベンチスタートとして阿部をボランチ起用。

・宇賀神・森脇はベンチにもいなかったところを見ると、中2日後の天皇杯を相当意識したスタメン構成と推察されます。前節磐田戦で柏木を早々と下げ、さらに点差がついてから菊池を試運転したところを見ても、このスタメン構成が早くから念頭になったものと目されます。

・リーグ戦はACL圏も降格圏も同じような距離という中位中の中位にいる以上、オリヴェイラ監督が今年残された唯一のタイトル=天皇杯に注力するのは至極当然。相手はJ2の東京Vとはいえ、ルヴァン杯でJ2甲府相手にまさかの不覚を喫した記憶も生々しいだけに、天皇杯に万全を期すべく清水戦のメンバーを少々落としたのでしょう。

・ところが、このスタメン変更が見事に裏目に。左WBで久しぶりにスタメン出場の菊池は全くいいところがなく、79分にとうとう見切りをつけられて、しかもあろうことか既にシャドーで酷使されているはずの武藤に入れ替えられる始末。前節お休みをもらった橋岡のリフレッシュ効果は前半しか持たなかったようで、後半はすっかり消えてしまいました。

・そして残念だったのは阿部の出来。直接FKをぶちこんだ場面こそ眼福ものでしたが、ドウグラスに競り負けた2失点目に象徴されるように守備で残念な場面が続出。オリヴェイラ監督が磐田戦後「珍しい宝石」と評した阿部を中3日で使うのはもはや難しいと感じざるを得ない出来でした。幸いにも中3日・中2日という強行日程は次週で終わり、やむを得ず阿部を無理使いする局面はもうないと思いますが。

・スタメン変更が見事に裏目に出てサイド攻撃は42分橋岡→武藤→ファブリシオ&興梠が唯一無二の決定機で、それ以外はさっぱり。柏木不在が祟って前半はロングカウンターはほとんど成り立たず。守っては超積極的に前からプレッシャーをかけてくる清水に対して球際での競り負け、走り負けが相次いでセカンドボールを拾われ、押し込まれる時間が長くなった上に、なんとかボールを奪い返しても前線に繋げない場面が続出。それでもセットプレーと敵失に助けられてなんとか勝ち点1を拾ったのですから、最低限のタスクは果たしたと評していいと思います。

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・引いて守る相手には苦戦しがちなのが浦和の現状ですが、積極的に前から出てくる清水にも苦戦を強いられたのは衝撃的でした。清水の基本フォーメーションはいつもの4-4-2ですが、かなり積極的に前からプレッシャーをかけてきました。この手合いは久しぶりなためか、浦和の立ち上がりは芳しくなく、3分に浦和右サイドを簡単に突破されて危ない形をつくられ、6分には河井→北川→金子とシンプルにパスを繋がれてあっさり中央を割られて失点。失点場面は北川を槙野が放してしまい、自由にワンタッチパスを許したのが最も残念でしたが、阿部が金子にあっさり振り切られるという失態も。

・浦和は11分阿部の直接FKですぐに同点に追いつくも、その後も清水の鋭い出足の前に球際で競り負けがちで、セカンドボールを拾われて苦戦。浦和はカウンターを上手く発動させられないので、どう見ても相手にボールを持たせているというより、単にゲームを支配されている状況に陥って、28分には武藤のボールロストを契機に石毛が浦和右サイドからカットイン&シュート、31分には縦パスでドウグラスに抜けだされて決定機。

・後半も戦局は好転せず、51分深い位置からの角田FK→阿部がドウグラスにあっさり競り負けて失点。その後も55分青木のボールロストからのカウンターで北川、57分岩波のパスミスからドウグラスと危ない形を作られたところで、さすがのオリヴェイラ監督もたまらず5岩波に代えて柏木を投入。61分武藤→ファブリシオのロングカウンターによる同点劇には直接柏木は絡んでいませんが、柏木投入によって前半さっぱりだったカウンターの形が見え始めたのは確か。

・ところが追いついたのもつかの間、63分北川への縦パスを簡単に許したのが響き、北川のシュートがバーに当たった跳ね返りを金子に蹴りこまれてまた失点。阿部の北川への対応はちょっと緩すぎないかなぁ・・・しかも阿部のシュートブロックで軌道が変わってシュートがバーを直撃する不運付き。

・清水の運動量は終盤になっても全く衰えず、中盤での競り負け傾向はなんら変わりないまま浦和劣勢のまま推移しましたが、72分セットプレーからの流れで青木のロングフィード→ドウグラスに競り勝った槙野バックヘッドで三度同点に。

・その後共に相次いで選手を代えたもののさしたる効果はなく、試合終了間際に橋岡がエリア近くでハンドを取られた後のFKでヒヤリとしたくらいで双方決定機はなく試合終了。清水目線から見れば、間違いなく勝てた試合をなぜかやたらオープンな試合にしてしまった挙句に追いつかれるという、まるでミシャが憑依したかのような試合運びの拙さが惜しまれました。その辺はやたら若い選手が多いチームゆえの問題なのかもしれませんが。

-----興梠-----
-ファブリシオ----武藤--
菊池-阿部--青木-橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
11分 阿部
61分 ファブリシオ
72分 槙野

(交代)
59分 岩波→柏木(マウリシオが3バックの右、阿部が中央へ)
74分 興梠→李(李がシャドー、ファブリシオの1トップ)
79分 菊池→長澤(長澤がボランチ、武藤が左WB、柏木がシャドーに上がる)

・やっとチャンスをもらったのに全く生かせなかった菊池。攻め上がりのタイミングが良くないせいか、縦パスといいサイドチェンジといい、ボールはなかなか受けられず、なんとかボールを持っても無難な選択に終始。おまけに随所で守備の軽さを披露。守れないもの同士ならより攻撃面に秀でた荻原が宇賀神の控え候補筆頭になりそうな気がします。巡ってきたチャンスをなんとかものにしようというがむしゃらさが菊池から感じられないのが残念でした。

・柏木と共に宇賀神不在を痛感させられた一戦。宇賀神個人は派手なプレーはしないというか全く出来ませんが、宇賀神がいること自体でなぜか周囲がやたら活性化するという意味で宇賀神は「浦和の二酸化マンガン」なんでしょうなぁ・・・

--ドウグラス--北川---
石毛--------金子
---河井--白崎---
松原-角田-ファンソッコ-飯田
-----六反-----

(得点)
6分 金子
51分 ドウグラス
63分 金子

(交代)
81分 石毛→クリスラン
87分 北川→デューク

・清水はドウグラスがスタメンに復帰し、クリスランがベンチスタート。出場停止のフレイレに代えて角田がスタメン。こちらはサプライズなし。

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