« 火の豚@新越谷 ~ フュージョン | トップページ | うかんむり@練馬 ~ 博多水炊きらーめん »

2018.10.21

【観戦記】18年第30節:浦和 3-1 鹿島 ~ 紅葉踏みわけ泣く鹿の声きく時ぞ秋は楽しき

・代表ウィークを挟んで約2週間ぶりに再開されたリーグ戦。但し、浦和は丸々お休みなのに対し、鹿島はその間ルヴァン杯準決勝を2試合こなし(残念ながら決勝には進めず(笑))らにACL&天皇杯も勝ち残っているため過密日程の真っただ中と、両チーム間でかなり異なる状況下での一戦となりました。

・また鹿島はFWレアンドロ、MF中村、SB内田、SB伊東とけが人が多い上に、FW安部がU-19アジア選手権で離脱中。おまけにMF三竿が出場停止。そんな状況下で中3日で迎える水原三星とのACL準決勝第2戦(アウェー)を睨んでか、大岩監督はMFレオシルバをベンチ外とし、FW鈴木をベンチスタートに留めるという若干駒落ち感のある布陣で浦和戦に臨んできました。しかし、終わってみればこの「若干の駒落ち感」がゲームを大きく左右したと思います。

・浦和は橋岡と荻原が-19アジア選手権で離脱。荻原はともかく、右WB橋岡は今や不動のレギュラー、かつ選手層が極めて薄いポジションなので離脱は痛手ですが、幸いにも森脇が故障から復帰して右WBを穴埋め。布陣も神戸戦から続く3-1-4-2を継続しました。

019

・鹿島はいつもの4-4-2で立ち上がりこそ高めの位置からコンパクトな布陣で浦和にプレッシャーをかけていましたが、これが不思議なくらいに嵌まらずに守備が後手に回り続け、浦和が軽快にパスを繋いで立て続けに決定機を作りました。

・2分GKクォンスンテのキックミスから宇賀神クロス→興梠ポスト→森脇、10分柏木縦パス→長澤→武藤ポスト→長澤、12分武藤が昌子を振り切って前方進出→長澤→武藤エリア内でフリーでシュート。しかし、残念ながらいずれもシュートは枠すら捉えられず。

・プレスが思うように嵌まらない鹿島は前半半ばから自陣に引いて守備ブロックを固める方針に切り替えたのか、浦和は徐々にボールを持たされ気味の展開になってしまい、そうこうしているうちに鹿島のカウンターが炸裂。

・28分スンヒョン→セルジーニョ→安西のロングカウンターは岩波が辛うじて防ぎましたが、38分セルジーニョ→山本→サイコパス野郎と左右に振られた挙句に失点。この場面、中へ斬りこんできた安西に対してマウリシオが前に出て交わされたのが最も拙く、あとはセルジーニョ、山本、さらにはるか後方から走りこんで来たはずのサイコパス野郎まで全員どフリー(つД`) 優勢な時間帯に一点も取れず、逆に相手にワンチャンスを活かされて先制されてしまうという、柏木のいう「レッズあるある」な試合展開になってしまいました。

・ところが、そんな展開になっても浦和があっさり土俵を割らなくなった辺りがモチベーターとして定評があるオリヴェイラ監督の手腕なのでしょう。悪くはなかった前半の試合内容を受けて選手に自信を取り戻させる。簡単そうに見えて簡単ではない仕事をひたすらやり続けて、オリヴェイラ監督はタイトルを獲りまくった秘訣の一つなのかも。もっとも逆転に至った過程は序盤のような鮮やかな崩しではなく、セットプレーとほぼ個人技という意外なものでしたが。

032

・51分森脇縦パス→興梠クロス→中の武藤には合わず、ファーで宇賀神シュートの決定機こそGKに阻まれてしまいましたが、そこで得たCKを巧くマークを外した岩波がヘッドで決めて同点。岩波はマークを外す過程で槙野と共に駆け引きを繰り広げていました。またこのゴールに限らず。この試合ではショートコーナーを試みるなど、再度セットプレーをテコ入れした様子が垣間見られ、この辺は試合間隔が開いたのが幸いしたのかも。

・同点に追いついて勢いづいた浦和はなおも攻勢。60分には青木の縦パスを受けた武藤がいきなり反転してあっさり安西&小笠原を振り切り、しかもこれまたいきなり左足を振りぬいてミドルシュートを相手ゴールに突き刺しました。オリヴェイラ監督は「今日も組織プレーがしっかりとできていたから、個人プレーも生きたのが武藤でした。」と評していますが、あそこで武藤からのパスで崩される可能性があるからこそ、相手の対応が難しくなり、その結果個人技一発でのシュートが決まるという趣旨なのかも。

・また鹿島にしてみればバイタルエリアで2枚武藤に付いていながらあっさり振り切られたのが痛恨の極み。序盤プレスが全く嵌まらない辺りに鹿島らしくない中盤の緩さが見て取れましたが、これが60分の武藤のゴールに直結したような気もします。小笠原ではなく三竿かレオシルバがボランチの一角だったら、武藤にあれほどあっさり振り切られることもなかったでしょうに。

・1点ビハインドに陥った鹿島は62分小笠原→鈴木、66分遠藤→小田と立て続けに選手を代えて猛反撃。投入されたばかりの鈴木が西川に対して「どこに出しても恥ずかしい」狼藉を働いてしまう辺りに鹿島の焦りが見て取れましたが、それでも鹿島の圧力は相当きつく、71分にはエリア内で縦パスを受けた土居を長澤が後方から押し倒してしまうPK臭い場面も。

・またセットプレーの守備も相変わらず怪しく、75分には鈴木のヘッドがポストを叩くなど、単に相手のシュートが枠に飛ばなかった=運が良かったとしか思えない場面もちらほら。

・オリヴェイラ監督は怪我明けで90分持たない森脇を諦めて72分に柴戸を入れ、さらに78分長澤→阿部、85分興梠→ナバウトと矢継ぎ早に選手を入れ替えるものの、防戦一方で有効なカウンターをなかなか繰り出せずに苦しい試合展開。とはいえ、セットプレー以外では鹿島に決定機を許しておらず、クロス攻撃は淡々と跳ね返せていたので辛うじて逃げ切れるという雰囲気が漂い出したATに飛び出したのが武藤のビッグプレー。

・自陣深い位置でボールを受けたナバウトから武藤へ浮き球の縦パス。武藤が受けた位置もハーフライン手前の自陣でしたが、そこから武藤がなんとスンヒョン、永木をドリブルでぶち抜き、さらに追いすがる昌子をも制してGKの股抜きゴール!! 常に攻守に奔走し続けてヘロヘロのはずの武藤にこんな走力が残っていること自体が驚きで、シュートを撃って追われれば上出来と思っていただけに、ゴールまで奪ってしまうとは、いやはや恐れ入りました。

・この勝利により浦和は暫定5位に浮上(6位札幌、7位C大阪が1試合少ない)し、3位FC東京&4位鹿島との勝ち点差がついに1に縮まりました。くそ暑いアウェー名古屋戦でボコボコにされ、続くホームC大阪戦でしょっぱい内容で連敗を喫しただけでなく、絶好調だったCFファブリシオを故障で失う惨事に見舞われた時には再度残留争いへの逆戻りコースが見え隠れしましたが、今にして思えばその直後に短い中断期間を挟んだのが浦和にとって良かったのかも。

・神戸戦から布陣を3-1-4-2に代えて、武藤が2トップの一角に定着。ファブリシオが健在であれば、武藤はファブリシオの分まで守備のタスクを負わされて得点なんて望み薄だったと思いますが、ファブリシオの長期離脱に伴うチャンスを見事に活かして急に点を取り始めた辺りに、妙な巡りあわせを感じます。最も喜んでいるのは「がってん寿司」を展開するRDC様かもしれませんが(笑)

003

---武藤--興梠---
---柏木--長澤---
宇賀神--青木---森脇
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
52分 岩波
60分 武藤
90+3分 武藤

(交代)
72分 森脇→柴戸
78分 長澤→阿部
85分 興梠→ナバウト

018

--セルジーニョ--土居---
安西--------遠藤
--小笠原--永木---
山本-昌子--スンヒョン--西
-----クォンスンテ----

(得点)
38分 西

(交代)
62分 小笠原→鈴木
66分 遠藤→小田(小破?)
82分 山本→山口(安西が左SB、山口が左SH)

|

« 火の豚@新越谷 ~ フュージョン | トップページ | うかんむり@練馬 ~ 博多水炊きらーめん »

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【観戦記】18年第30節:浦和 3-1 鹿島 ~ 紅葉踏みわけ泣く鹿の声きく時ぞ秋は楽しき:

« 火の豚@新越谷 ~ フュージョン | トップページ | うかんむり@練馬 ~ 博多水炊きらーめん »