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2018.11.11

【DAZN観戦記】18年第32節:札幌 1-2 浦和 ~ 幻に終わった「厚別公園死の彷徨」

・例年なら雪が降り始める11月にも関わらず、札幌ドームは先約があって使用できないという大失態により試合会場はなんと厚別に。下手をすると吹雪の中を待機列で、そしてスタンドで立ち尽くす羽目になるのではないかと恐れをなして、この試合はDAZN観戦にしました。しかし、ふたを開けてみると今年の札幌は冬の訪れが遅く、少々天候が不安定だっただけで恐れていたほど寒くはなかった模様。これは赤者の日頃の善行の賜物なのでしょう、たぶん(苦笑)。

・試合は共にACL圏入りを目指した一戦。但し札幌は自力での3位浮上が可能な地位にいる一方、浦和は残り3試合全部勝った上での他力本願という厳しい状況。そういう置かれた状況の差もあってか、浦和は序盤から積極的に中盤でプレッシャーをかけに行きました。そして結果は浦和が優勢な時間帯に2点奪い、札幌の反撃を1点に抑えてなんとか逃げ切り勝ち。

・とにかく3連勝しか道はない浦和にとって今更内容を云々しても仕方ありませんが、スコア通りの辛勝だったのは間違いありません。ジェイの出場停止がなければ、終盤の都倉投入=ツインタワー形成で押し切られた可能性が高かったようにすら感じました。

・実は仙台戦以降「前半優勢、後半ぐだぐだ」という傾向が続いています。大槻監督が選手を脅してシバキ上げて勝利を重ねていた時期もそんな感じでした。オリヴェイラ氏の監督就任後W杯による長い中断期間を使用してフィジカルを徹底的に鍛え上げたのが奏功してしばらくは失速癖がなくなったかのように見えましたが、ここに来てまたゾロ失速癖が顕著に。

・そして前半の優勢な時間帯ですら往々にして失点してしまうのが実に腹立たしい。仙台戦では前半のうちに追いつかれたことで流れが一変し、G大阪戦でにいたっては常に相手に先手を取られて惨敗してしまいました。この試合は前半で再度突き放しに成功しましたが、後半の失速ぶりを見るにつけ、前半のうちに2、3点取って事実上勝負をつけてしまわないと今の浦和に盤石の勝利は望めないようです。

・もちろんミシャの残り香にすがった大槻時代と今とではやっているサッカーがだいぶ違うので、「後半失速」という表面上の現象は同じでも原因は全然違うのだろうと思いますが、オリヴェイラ監督が残り2試合&天皇杯に向けてここにどうメスを入れるのかが気になります。

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・浦和は青木の故障(左ハムストリングスの張り)が癒えずに前節に引き続いて阿部がスタメン入り。U-19アジア選手権から戻った橋岡もスタメンに復帰して森脇がサブへ。同じく代表帰りの荻原もベンチ入りという想定内の構成。一方札幌は出場停止のジェイに代わって都倉がスタメン入りし、さらに契約上出場できない駒井に代わって早坂が右WBへ。こちらもスタメンにサプライズなし。ただ前節出場停止の深井が今節もベンチ外となり、ボランチの一角に兵藤が入ったのは少々意外でした。

・札幌は試合開始早々に都倉目掛けてのロングボールでCKを取ったのを見て、対浦和戦用にロングボールを多用してくるものと思いましたが、どうもそればオプションに過ぎなかったようで、基本的にはいつも通りにショートパスを丁寧に繋ぐ形。これは中盤でのハイプレスが持ち味の浦和には好都合で、6分中盤でのパスカットからのショートカウンターで長澤縦パス→武藤が胸トラップ&左足一閃でいきなり先制。

・その後も14分柏木縦パスを受けて左サイド深くにフリーで侵入した長澤クロス→武藤(シュートがDFがブロック)、22分左サイドで上手く早坂と入れ替わった宇賀神がフリーでクロス→長澤シュート(GK正面)と決定機があったが決めきれず。

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・逆に20分過ぎから早くも失速の気配が表れ始めて高い位置でボールが取れない、セカンドが拾えないどころか危険なボールロストも増加。22分縦ポンを最前線で都倉が胸でポスト→拾った三好ががら空きのバイタルエリアを突き進んでシュートという極めて危険な形を作られ、さらには25分槙野が三好を前でつぶせなかったのが災いして、三好にドリブルでバイタルエリアをいいようにかき回され、三好→福森クロス→進藤で失点。浦和右サイドの福森へ展開される前に阿部が三好を潰せないのも残念でした。

・ところが札幌の反撃ムードをへし折ってしまうのがいかにもミシャらしいザル守備。35分宇賀神が左サイドを抜け出したものの、相手の守備ブロックは完全に整っている状態。これでは得点は難しかろうと思っていたところ、宇賀神のグラウンダーのクロスへの札幌DF陣の対応が雑過ぎて運よく武藤に通り、浦和が再度突き放しに成功。40分には阿部→宇賀神→柏木エリア内突入の決定機を作りましたが、ここはGKク・ソンユンが好セーブ。

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・浦和はこの決定機を最後に後半からしばらく防戦一方に。51分センターサークルでマウリシオの不用意すぎるボールロストからショートカウンターを食らい、それまで完全に消えていたチャナティップが際どい一発。54分槙野、長澤と球際で競り負けて札幌の攻勢を寸断しきれずにチャナティップ→三好→荒野と繋がれてヒヤリ。さらに56分自陣深い位置で橋岡が菅に絡まれてボールロスト→エリア内に侵入した都倉が誰にも合わないほうが不思議なほど決定的なクロスを上げられてしまいました。

・この時間帯の浦和はとにかく攻守の切り替えで札幌に完敗。球際での競り負けも目立ち、札幌のシュート精度の低さにも助けられながら5-4-1の守備ブロックを作って自陣深く引きこもり、札幌の攻勢を最終ラインで辛うじてはじき返すのが背一杯。セカンドボールを全然拾えないので札幌の波状攻撃を浴び続ける羽目に陥ってしまいました。高さがあり、空中戦に強い札幌に対してドン引きになるのは本来悪手のはず。ただこの日はジェイがおらず、都倉一枚だけならマウリシオ&槙野でなんとかなったのが粘り勝ちの主因でしょう。

・逆に言えば札幌は一方的に浦和を押し込んでいた時間帯に一点も取れなかったのが敗因。オリヴェイラ監督は阿部→柴戸、橋岡→森脇と代えてついに反撃開始。特に柴戸投入の効果が絶大でようやく札幌の攻撃を中盤で寸断できるようになり、82分には高い位置で森脇がボール奪取→で武藤がエリア内に突入する見せ場も。

・一方終盤の札幌の決定機は89分右サイド深くに侵入した進藤クロス→逆サイドでフリーの白井シュートの一つだけ。ミシャが嘆く通り、ジェイの不在はかなりの痛手で、手駒として都倉が使えればドン引きに陥った浦和守備陣を力づくで決壊させられただろうに、という気がしてなりませんが、チームの総合力が問われるのがリーグ戦。いないものを嘆いても仕方ありません。

・浦和はこの勝利をもってしても3位鹿島との勝ち点差が4、4位札幌との勝ち点差も3とACL圏入りは専ら他力本願=とにかく残り2試合を勝って天命を待つという状況にはなんら変わりありません。依然厳しい状況ですが、天皇杯へ弾みをつけるためにも次節湘南戦へ向けての小中断期間を有意義に過ごしてほしいものです。

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---武藤--興梠---
---柏木--長澤---
宇賀神--阿部---橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
6分  武藤
35分 武藤

(交代)
73分 阿部→柴戸
78分 橋岡→森脇
89分 興梠→ナバウト

・青木の小破を受けてオリヴェイラ監督は前節に続いて阿部をアンカーに起用しましたが、残念ながら阿部の出来は前節に続いてぱっとせず、肝心なところで相手を潰せずに失点に絡んでしまいました。逆に終盤に投入された柴戸の出来は秀逸で、見事な火消し役を演じてくれました。柴戸は時間が限られているからこそ思い切って行けるのでしょうし、90分やらせるのはまだ辛いとのオリヴェイラ監督の判断なのでしょうが、阿部と柴戸の立場が入れ替わるのは時間の問題な気がしました。

・U-19代表で遠征帰りの橋岡はお疲れ気味でこれまたあまり良いところなし。にも拘らず、今後はUAE遠征(11/11~21日)のU-21日本代表メンバーに飛び級招集されて、湘南戦の出場は少々怪しげ。

・柏木がついに4枚目のイエローをもらって次節出場停止。カウンターを食らって危ないところを後ろからひっかけているのでイエローは当然ですが、この日担当の小屋主審が曲者で判定基準がブレブレ。札幌にも同じような後方からのファウルとか、手を使って相手を止めるとか、イエロー相当の行為が相当見受けられましたが、前半はなぜか流しまくり。前半ススキノ接待で骨抜きにされたんじゃないの???

・とはいえ、前年都倉の罠に嵌まって退場させられた槙野はもちろん、案外瞬間湯沸かし器系のマウリシオも主審の謎判定、都倉の度重なるラフプレーによく耐え、よくブチ切れずに凌ぎきりました。2ゴールにより海鮮王国北海道で寿司をもたらした武藤以上に、両CBの奮戦ぶりの印象が強く残る試合でした。

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-----都倉-----
--チャナティップ--三好--
菅--兵藤--荒野-早坂
-福森--宮澤--進藤-
-----クソンユン-----

(得点)
25分 進藤

(交代)
HT 兵藤→キム ミンテ(宮澤がボランチ、キムがCB中央へ)
69分 早坂→白井
81分 菅→宮吉

※写真は試合とは全く関係がありません。

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