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2018.11.29

平川忠亮選手、現役引退

・先日(11/26)平川忠亮選手の現役引退がクラブから報じられました。

・平川は2002年浦和加入。以後17年間浦和一筋。今や珍しくなった「ワン・クラブ・マン」として浦和のために文字通り全身全霊を捧げてくれました。しかし、残念ながら2015年から出番が激減しており、今年はこれまでわずか2試合。しかも久しぶりに途中出場した第26節横浜M戦では平川のサイドからいきなり失点してしまい、衰えを感じさせる結果になってしまいました。平川本人も「やりきった思いが強く、一つの後悔もありません。」と語るように、まさに完全燃焼した形での現役引退です。

・平川は右サイドが本職ながら、加入時のオフト監督に左WBへコンバートされ、同期入団の坪井と共に早々にレギュラーに定着しました。ところが平川は以後17年の長きにわたって鉄板のレギュラーであり続けたわけではなく、むしろ次々と現れる強力なライバルとのポジション争い、そして自身の怪我との闘いが長く続いた選手だったと思います。

・右サイドには長らく天才山田暢久が君臨。そして左サイドにはアレックス、梅崎、宇賀神と入れ替わり立ち替わりライバルが登場。右サイドの暢久がようやく去ったかと思えば今後は関根が台頭してくる等、強豪クラブの宿命とはいえ平川を取り巻く環境は極めて過酷でした。そんな環境下で平川はある時は鉄板のレギュラーとして、ある時はいつでも計算ができるベンチ要員として監督の信頼に応え続けました。最初は左WB、そして必要に応じて右WB、右SBとポジションを移しながらも。

・浦和は情けないことに監督がコロコロ変わるだけでなく、やろうとするサッカーもコロコロ変わってしまう宿痾を背負っていますが、そんな中でも平川は監督の意図をいち早く理解し、その要求に応じ続けられたのが17年ものプロ生活を送れた秘訣なのでしょう。

・平川はスピードとスタミナを兼ね備えた献身的な選手ですが決して器用ではなく、一時は相馬と左右で誰にも合わないクロスをお互いに連発して「白ヤギさん黒ヤギさん」を演じていたくらい。従ってフィンケやミシャのようなパスサッカー志向・ポゼッション志向の監督とは相性が悪いと思われましたが、それでもなんだかんだと重用されたのは平川なりの自己変革の賜物かと。

・岡野と二人で共にカレーライスを2皿頼み、エメルソンには「バカ川」と言われ、ミーティング時にはどら焼きを食べる等、いじられキャラ的な要素を持ちながらも、ベンチ外となる日々が続いても練習は一切手を抜かず、出番のない若手への見本となり続けた平川。

・個人的には平川の選手生活一番の見せ場は2007年ACL準決勝のPK戦で最後のPKを見事に決めて城南一和を下した場面かな。5人目のキッカーとして平川が登場した時の埼スタの妙なザワザワ感も忘れられません。また平川が大活躍したという意味では2007年8月の甲府戦@国立with大黒摩季を挙げてもいいでしょう。そして決して多くはない得点場面ではなぜか勢いあまっていつも転んでしまう妙な見せ場も。

・派手な選手、目立つ選手ではなく、どちらかといえば地味に浦和を支え続けた印象が強い選手でしたが、平川の働きが浦和に数々のタイトルをもたらしたのは紛れもない事実です。長い間ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。天皇杯決勝までの残された日々を共に頑張りましょう!!

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