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2018.11.04

【観戦記】18年第31節:浦和 1-3 G大阪 ~ 完敗した後は夜風が身に沁みる・・・・

・完敗。ただただ完敗。もうぐうの音も出ないほど、どうしようもない完敗でした。これほどはっきりした負けは第24戦アウェー名古屋戦以来かな? 失点は浦和守備陣の不甲斐なさを責めるよりも、あそこでゴラッソを繰り出した小野瀬&ファン・ウィジョを褒めるべきなのかもしれませんが、G大阪は浦和を突き放してからの守備が実に手強かった。比較的優勢だった前半のうちに先制していれば、という思いも多少ありますが、優勢であっても決定機は少なく、結果は妥当なものと受け入れざるを得ません。

・G大阪はほとんど良いところがなく前半を終えようとしていた時間帯に小野瀬のゴラッソが炸裂。後半すぐに浦和に追いつかれたものの、62分今度はファン・ウィジョのゴラッソが炸裂。あとは4×2の守備ブロックを自陣深めに敷いて浦和の攻撃を淡々と跳ね返しながらカウンターの好機を伺い続け、その狙い通りに追加点を取ってそのまま楽々逃げ切り。

・G大阪は単に引いて守っているだけでなく、前半幾度となく振り回された右から左への浦和のサイドチェンジをすっかり読み切ってしまい、オ・ジェソクがいとも簡単にクロスをカットしてしまうのには参りました。宮本監督のチームは守備重視で攻撃面では見るべきところはほとんどありませんが、試合中の修正力は思いのほか高いことに驚かされました。

・この敗戦は3位浮上=ACL圏入りを狙うには痛恨極まりなく、残り3試合で直接対戦を残す3位FC東京との勝ち点差が4と自力では追いつけないレベルになっただけでなく、直接対戦のない4位鹿島との勝ち点差も再び4に広がってしまいました。従って浦和は残り3試合とにかく全勝して、あとは運を天に任せるしかありません。最後にタナボタ的にACL圏に滑り込んだ2012年のような例もあるので、とにかく諦めないこと。この試合の終盤の淡白さを見ると、その「諦めの悪さ」が浦和にあるのかどうか、ちょっと心配になりましたが・・・

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・浦和はACL圏入りを伺う立場、G大阪は残留争いからの脱出をかけてと置かれた立場は大差がありますが、浦和は公式戦5勝1分け、G大阪はなんと9月に入って6連勝と足下は絶好調のチーム同士の対戦。ただ浦和は橋岡&荻原が相変わらずU-19アジア選手権で離脱している他、青木が小破するアクシデントがあって急遽阿部がスタメンに。G大阪もGK東口が前節横浜Mでの負傷が癒えずに林がスタメン出場と共にキープレーヤーを欠いての一戦になってしまいました。

・前述のように前半は浦和優勢。G大阪はいつもの4-4-2の布陣でかなり積極的に前から浦和にプレッシャーをかけてきましたが、浦和はそのプレッシャーをなんら苦にすることなく、慌てずにビルドアップ。興梠&武藤の2トップにも縦パスが入るだけでなく、機を見てロングボールでG大阪最終ライン裏を狙い、さらに右→左へのサイドチェンジ一発で宇賀神がフリーでボールを受ける場面が目立つなど、浦和は鹿島戦の序盤同様ほぼやりたいことができているように見受けられました。G大阪は前半のうちにファビオ&倉田がイエローをもらったのに象徴されるように、浦和の攻勢の前に守備が後手後手に回る傾向が強かったように思われました。

・ただ鹿島戦と違ったのは「それは決めなきゃ!!」と思えるような決定機は案外少なかったこと。G大阪は果敢なプレスが嵌まらず、浦和に良いようにボールを回されていましたが、なんだかんだと粘り強く守って、前半浦和が掴んだ決定機は32分武藤FK→マウリシオヘッドと37分宇賀神スローイン→興梠左サイド奥深く侵入してマイナスのパス→柏木だけかな?

・それでもG大阪の攻撃にはなんら見るべきものはなく、浦和優勢のまま前半を終えようとしていた時間帯に飛び出したのが43分の小野瀬のゴラッソ。本人も猛省していますが、ゴラッソとは言っても森脇の自陣でのふんわりとした横パスをアデミウソンにカットされたのが契機という自爆に近い失点。しかもアデミウソンに対峙した阿部の対応がいかにも軽く、小野瀬にボールを繋がれてしまいました。

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・内容は悪くないのに相手に先制されてしまったという点、そして後半早い時間帯に同点に追いついたところまでは前節鹿島戦と全く同じ展開でした。49分マウリシオの縦パスを受けた武藤がファビオを背負って潰れながらフリックのような格好で長澤へ繋ぎ、長澤がガラガラのバイタルエリアを単騎疾走。長澤の低いシュートをGK林が弾いたところを興梠が詰めて同点に。GKが東口だったらこの得点は生まれなかったような気がしますが、ゴールはゴールです。

・これで鹿島戦同様浦和が一気に押せ押せになるかと思われたのですが、その反撃ムードをばっさり断ち切ったのが62分ファン・ウィジョのゴラッソ。浦和が攻めきれずに遠藤→前残りのファン・ウィジョのロングカウンターを食らったのはともかく、浦和右サイドからエリア内にカットインしてきたファン・ウィジョに対し、岩波&森脇の対応が甘々でファン・ウィジョの狙いすましたようなシュートを許してしまいました。西川も含めていきなりファン・ウィジョに撃たれることを予期していなかったかのような失点場面でした。

・これだけならまだしも、致命傷になったのは69分の失点。G大阪の攻勢を凌いでカウンターに出ようとした矢先に武藤が自陣深い位置でボールロスト。藤春・遠藤・倉田で浦和右サイドボックス内で数的優位を作られた挙句、倉田→藤春→アデミウソンと完全に崩されてしまいました。武藤のボールロストもさることながら、後から浦和右サイドに加勢した倉田を誰も見ようとしなかったのが致命的でした。

・決定的な3点目を取られてからオリヴェイラ監督は3選手を逐次交代しましたが、その甲斐もなく、決定機どころかシュートらしいシュートすら撃てず。逆に球際で競り負けてカウンターを許してしまう惨状を見て、メイン&バックスタンドからはATを待たずに帰路につく方がゾロゾロ。そうなってしまうのも頷けるほどこの日の終盤の浦和からは何の反発力も感じられませんでした。

・100%お気持ち論であり、100%結果論にもなってしまいますが、この試合の終盤の出来を見ると天皇杯準々決勝鳥栖戦の後半のぐだぐだっぷりで浦和は横浜M戦の辛勝以降負けなしで掴み、順調に積み上げてきたんだはずの運気をすっかり逃してしまったような気がしました。一人少なくなった相手に遮二無二オープンな試合を演じる必要は全くないのですが、決めるべきところを決められずになんだかなぁな試合を演じているうちに3位浮上へ向けて必要不可欠な浦和の運気は去ってしまった。そんな気がしてならない残念な試合でした。

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---武藤--興梠---
---柏木--長澤---
宇賀神--阿部---森脇
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
49分 興梠

(交代)
70分 森脇→ナバウト(ナバウトがFW、武藤が右WBへ)
81分 長澤→柴戸
83分 興梠→李

・3失点目はともかく、1、2失点目に大きく関与してしまった森脇。故障から戻って試合を重ね、コンディションはかなり良くなってきたと本人は語っていますが、いわゆる「好事魔多し」という奴でしょうか。1失点目の契機となったふんわり横パスは調子が上がって来たからこそありがちな「調子こいだプレー」だったのかも。次節札幌戦では橋岡が戻ってくると目されますが、同じ右WBでも持ち味が全然違う橋岡と森脇をオリヴェイラ監督がどう使い分けるのかが楽しみです。

・2点ビハインドで投入されたナバウトは残念ながら良いところなし。加入直後はコンビネーションが確立するのに時間がかかり、空回り状態が長く続きましたが、長期離脱によってまた一からコンビネーション確立を始めざるを得なくなった模様。マルティノスほど酷くはありませんが、スペースがないところではあまり活きない選手なのもビハインド時にはチト辛いかなぁ、現状では。

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---アデミウソン--ファン--
倉田-------小野瀬
---今野--遠藤---
藤春-ファビオ--三浦--オ
-----林------

(得点)
43分 小野瀬
62分 ファン・ウィジョ
69分 アデミウソン

(交代)
75分 ファン・ウィジョ→渡邉
89分 小野瀬→中村
90+2分 アデミウソン→一美

・小野瀬は夏にレノファ山口から強奪した右サイドのアタッカーで、山口では4-3-3の右WGを担当し、オナイウ&高木との3トップがJ2序盤猛威を振るいました。「J2では反則」級の選手がJ1ではさっぱりという例もよくありますが、小野瀬はそのまんま通用した好例に。一方ぶっこ抜かれた山口はその後ほとんど勝てなくなってしまいました(つД`)

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