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2018.12.06

【観戦記】18年天皇杯準決勝 浦和 1-0 鹿島 ~ 満身創痍ながら文字通りの死闘を制して決勝進出!!

・忌々しいことに鹿島ACL優勝により12/12からカタールで開催されるCWC進出が決定したため、急遽天皇杯準決勝&決勝が12/5&12/9に前倒し。それはともかく、トーナメント図上は本来浦和のホーム扱いだったにも関わらず、理不尽なことに準決勝の開催地がなぜかカシマに。

・初冬の平日夜にあんな僻地に行く物好きがおるんかいな??と誰もが思ったでしょうが、その物好きがアホほどいるのが浦和。驚いたことにビジター側サイドスタンドは8割方埋まりました。そしてそのバカどもの熱狂的な声援に浦和の選手たちはよく応え、華麗という形容とはほぼ真逆の、不細工であり非常に泥臭い内容ではあったものの、90分闘志を剥き出しにしたようなプレーの連続で見事勝利をもぎ取りました。

・あえて単純化すれば、華麗だが肝心なところではさっぱり勝てなかったミシャにはなかった激しさ、厳しさがこの試合には間違いなくあった。その代償として綺麗な崩しなんてものはものの見事になくなってしまい、戦術的な面白さは後退したかもしれないが、非常にしんどい試合を勝ち切る何かを掴んだ。この変化は稀代のモチベーターとして定評があるオリヴェイラ監督ならではでしょう。

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・浦和のスタメンはいわゆる「鉄板」メンバー。リーグ戦最終節から中3日の試合のため、最終節温存した武藤・興梠、ベンチスタートだった宇賀神・長澤は当然ながらスタメンに復帰し、小破してリーグ戦2試合を欠場したマウリシオも無事復帰。一方鹿島はなぜかレオシルバと三竿がベンチにすらおらず、やむなくサイコパス西をボランチに転用するという苦しい陣容でした。

・ところが、久しぶりに鉄板メンバーに戻った浦和は序盤苦戦。浦和のプレスは全くと言っていいほど嵌まらず、岩波やマウリシオはスピードがあるFW鈴木に苦戦。8分マウリシオが鈴木に裏を取られかかった場面はあわやPKかという際どいものでした(追加副審が目の前で見ている以上無問題)し、11分には岩波が鈴木にぶち抜かれてしまいました(なんとか槙野が飛び込んでクリア)。

・守備が嵌まらないどころかビルドアップがままならないのにも参りました。前回対戦時鹿島は前半浦和に決定機の山を作られたのを反省して対策を練ったのか、武藤&興梠へのマークを徹底。浦和がなんとか2トップにボールを当ててきたところでボールを奪ってカウンターを発動する場面も目につきました。前節に続いて橋岡がハイボールのターゲットとしてあまり機能しなかったのも浦和苦戦の一因でしょう。

・この試合を難しいものにしたかなりの責任は福島主審にあります。激しい体のぶつけ合いに全くと言っていいほどファイルを取らずに流すのは良いととしても、どう見てもラフプレーとしか思えないものまで流すのは困りもの。かと思えば、軽微に見えるファウルをなぜか取ってしまうケースもあって難儀でした。浦和にしてみればサイコパスが興梠を壊そうとしているのを主審がなぜか放置するのが一番困りましたが、どちらかに偏っているのではなく、どちらにも不満が残る迷裁きだったと思います。

・しかしなんだかんだと浦和守備陣が槙野を中心に奮戦したためか、序盤鹿島は優勢だったにも関わらずシュートが撃てずじまい。19分内田のクロスにサイコパスが飛び込んだのが序盤唯一かつ最大の決定機でしたが、ヘディングシュートはバーのはるかに上。

・一方、試合開始から全くいいところがない浦和が27分初めて掴んだCKから、ファーでマウリシオ高高度ヘッドが炸裂して先制!! マウリシオにはCBチョン・スンヒョンが付いていましたが何の役にもたたず。というかチョン・スンヒョンは前回対戦時にも失態を演じており、曽ケ端に代わって浦和応援団の素質があるようです(苦笑)。

・先制弾を機に浦和は一時体勢を立て直して攻勢に。33分には先制弾と全く同じ形(ファーでヘッド)で岩波に決定機がありましたが、ここはGKクォン・スンテがなんとかセーブ。

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・後半は浦和が引き気味に構えてカウンターを狙う判りやすい展開に。鹿島は相変わらずシュートが撃てない一方、浦和は48分昌子に競り勝った(?)武藤がそのままボックス内に突入し、追いすがる安部をも簡単に交わしてシュートという決定機がありましたが、ここもGKクォン・スンテがセーブ。こぼれ玉を拾った柏木→興梠のシュートはやや力なし。

・浦和に試合の主導権が移るかもしれないと思われた時間帯でしたが、前半からサイコパスにやられ続けた興梠が51分とうとう試合続行不可能になってオリヴェイラ監督はやむなく李を投入。55分自陣スローインから長澤→李→長澤の決定機を作ったものの、65分今度は武藤が故障するというアクシデントが発生。

・武藤に代わってズラタンを投入する選択肢もあったはずですが、オリヴェイラ監督は柴戸を投入して3-4-2-1に布陣を変更(柴戸がシャドー扱い)。2トップをほぼ一遍に失った浦和の攻撃はこの選手交代&布陣変更で全くと言っていいほど成り立たなくなってしまいましたが、「1点を守り切る」という監督のメッセージがはっきりと伝わるという意味では有意義でした。

・しかし、大誤算だったのは72分青木まで故障してしまい、まだ20分以上残り時間があるにも関わらず早々と3枚目の選手交代を余儀なくされたこと。終盤には橋岡や李、さらには西川まで傷んでうずくまる場面があり、オリヴェイラ監督は試合終了の笛がなるまで冷や汗かきっぱなしだったと思います。浦和はボールを前に蹴りだす、あるいは李や柴戸がなんとかドリブルで前に運ぶのが精一杯で時間稼ぎすらままならず。

・満身創痍に陥った浦和に対して鹿島はピッチをワイドに使いながら攻めを仕掛けるものの、ACL優勝の代償=厳しい日程からの疲れなのか、サイドチェンジが誰にも合わずにラインを割るとか、肝心なところでボールコントロールできないとか、およそ鹿島らしくない場面が目立ちました。単純なロングボール攻撃は浦和3バックに簡単に弾き返されて、前半同様なかなかシュートは撃てず。AT突入までの鹿島の決定機は72分青木が傷んでいる隙をついて右サイドに流れた鈴木クロス→中に飛び込んだ安西ヘッド(撃ち切れずに枠外)だけでしょう。

・ATには鈴木・セルジーニョ・土居と中央を割って入る鹿島の攻勢に対し、長澤・岩波・槙野と受けがいかにも軽く、ボックス内でセルジーニョにシュートを許す絶体絶命の大ピンチがありましたが、セルジーニョのシュートに力がなかったのが幸いしてゴールマウスに吸い込まれる寸前で宇賀神がクリア!!

・試合を通じて鹿島がほぼ一方的に攻めているものの、終わってみれば鹿島のシュートはわずか7本。しかも枠内シュートがほとんどないので西川の見せ場はあまりありませんでした。このスタッツは浦和の守備が粘り強かったことの何よりの査証でしょう。良い試合とは言い難いものの粘り強く闘い、セットプレー一発で勝利をものにする。非常に鹿島臭い勝ち方であり、これもまたオリヴェイラ監督がもたらしてくれたものなのでしょう。

・個人的なMOMは文句なく槙野。鹿島の攻勢に槙野が立ちふさがり、間一髪のところでピンチを免れた場面が何度あったことか!!

・決勝戦の相手は仙台に決定。鹿島と比べれば格段に楽な相手なのは確かで、しかも試合会場はホーム埼玉スタジアム。準決勝で鹿島を破ったことでもう優勝したような錯覚に陥り勝ちですが、そこに落とし穴があるのはありがちな話。故障でレギュラークラスを3人も失い、特に青木の復帰は難しいことが伝えられていますが、その穴を埋めるだけの控え選手も揃っていますが、むしろこのアクシデントが決勝へ向けて気を引き締めるという意味で良い方向に働いてくれるかもしれません。このアクシデントに際してはとにかくオリヴェイラ監督の手腕を信じて決勝に臨みましょう!!

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---武藤--興梠---
---柏木--長澤---
宇賀神--阿部---橋岡
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(得点)
27分 マウリシオ

(交代)
51分 興梠→李
65分 武藤→柴戸(3-4-2-1にシフトして柴戸がシャドーに入る)
72分 青木→阿部

・スタメンが鉄板に戻ったのに対して、サブは入れ替えがあり、なによりナバウトと荻原がベンチ外になったのが目を惹きました。

・ナバウトは何度も出場機会を与えられながらほぼ空回り状態が続いており、とうとうズラタンと入れ替えの憂き目にあったのかも。荻原はFC東京戦の出来がオリヴェイラ監督には不満だったのかもしれませんが、荻原に代わってベンチ入りした武富も湘南戦では良いところがありませんでしたし・・・

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---鈴木--セルジーニョ--
安部--------遠藤
---永木--西----
山本-昌子--スンヒョン-内田
-----クォンスンテ----

(交代)
61分 永木→土居
70分 遠藤→安西
84分 山本→山口(安西が左SBに下がる)

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