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2018.12.13

【観戦記】18年天皇杯決勝:浦和 1-0 仙台 ~ 粘り強く闘って12大会ぶりの優勝!

・95回大会以来、3大会ぶりに天皇杯決勝の舞台にたどり着いた浦和。平成最後の天皇杯の舞台は奇しくも埼玉スタジアム。こうなると赤者がわらわらと押し寄せるのは必定。日曜のナイトゲーム、しかも昼に「さいたま国際マラソン」が開催された影響で埼スタへ向かうシャトルバスが全面運休という悪条件にも関わらず、埼スタは5万人強の大入りとなりました。

・決勝戦の相手は仙台に決定。準決勝の相手=鹿島と比べれば格段に楽な相手なのは確かで、しかも試合会場は埼玉スタジアム。準決勝で鹿島を破ったことでもう優勝したような錯覚に陥り勝ちですが、そこに落とし穴があるのはありがちな話。そこでオリヴェイラ監督はチームを引き締めるべく決勝戦前日にも練習を一般公開。意気に感じた赤者が旗を手に手にどどっと大原に800人も押しかけて鬨の声を上げ、檄を飛ばして選手達を後押し。

・ところがどっこい、準決勝での鹿島との死闘のダメージは甚大でした。まず故障明けで準決勝に出場したマウリシオは無理が祟ったのかなんと決勝戦を欠場(代わって阿部がスタメン)。また準決勝で負傷退場した興梠・武藤・青木はいずれも決勝戦の舞台には間に合いましたが、青木はなんと左腕を剥離骨折していたことが試合後に判明。他の選手達もおしなべて精彩を欠き、浦和のパフォーマンスは準決勝と比べれば7割も出ていなかったように感じました。

・それでも浦和は序盤にセットプレーからの流れでもぎ取った1点を守りきって、86回大会(vsG大阪)以来12大会ぶりに天皇杯を奪回し、同時に来年のACLストレートインを決めました。試合展開自体は準決勝と似ており、浦和が受けに回る時間帯が長かったあたりも似ていますが、西川のスーパーセーブどころか、槙野が危ないところを間一髪で防いで雄叫びを上げるような場面は一度もなく、ましてや宇賀神の神クリアなんてものはありませんでしたから、準決勝よりはだいぶ楽な試合だったような気も。

・もっとも前述のように浦和の出来は見るも無残。決勝の相手が川崎どころかFC東京レベルでも浦和の勝利は難しかったかもしれません。端的に言えば、9月下旬からほとんど勝てなくなり、結局11位といういつもの順位に終わった仙台が相手で助かったと言ってもいいでしょう。ズタボロの浦和相手に仙台はボールを支配するもののたいして決定機を作れずじまい。それゆえか試合内容は実にしょっぱく、第3者的には非常につまらない試合だったのは否めません。

・ただ試合がしょっぱかろうがなんだろうが、「勝てばよかろう」なのがトーナメントであり決勝戦であるというもの。一時は残留争いに巻き込まれかねない惨状だった浦和が大槻→オリヴェイラ監督のもとで体勢を立て直し、途中主力選手の長期離脱に見舞われながらも現有戦力を活かして出来ることを突き詰めた結果としての天皇杯奪回。その結果にいささかも瑕はつきません。

・ミシャは5年半でタイトルわずか一個だったのに、オリヴェイラ監督就任後半年ちょっとでいきなりタイトル一個。残念ながらここ一番の強さが両監督で全然違うのでしょう。ミシャのサッカーの面白さは捨てがたいのですが、それだけではここ一番で勝てなかったのは事実。準決勝&決勝とも選手のモチベーションを上げに上げ、しかもセットプレー一発で勝ち切ってしまうオリヴェイラ監督の勝利への執念には恐れ入りました。

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・繰り返しになりますが、浦和の出来は芳しくありませんでした。立ち上がりから仙台にほぼ一方的にボールを支配され、浦和はビルドアップもままならず。しかし、仙台はボールを支配すれども決定機は作れない。これがこの試合の基調であり、終わってみればその基調をたいして修正できないまま試合が終わったといっても過言ではありません。

・なんだかんだと最初に決定機を作ったのは浦和。11分岩波縦ポン→長澤右サイドに飛び出してクロス→興梠ヘッドも惜しくもサイドネット。そしてその直後の13分柏木CK(ショートコーナー)→武藤→柏木→長澤クロス。これは相手にクリアされたものの、そのこぼれ球を宇賀神がダイレクトボレーでゴールに叩き込んで浦和が先制!! 

・聞くところによるとこの宇賀神のスーペルゴラッソは偶然でもなんでもなく、相手CK時にゾーンで守る仙台相手に周到に準備されたもので、しかも前日に繰り返し練習されていたとか。ああ、これがオリヴェイラ監督の勝利への執念の賜物なのか!!

・その後も仙台がボールを支配する時間帯が長かったように感じましたが、前半の仙台の決定機は26分野津田のミドルシュートのみ(但し西川が難なくセーブ)。浦和も45分ショートカウンターから長澤ミドルシュートがあったくらいで前半終了。

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・48分西川ゴールキックに対する平岡のミスに助けられて宇賀神が仙台最終ライン裏へ飛び出す好機がありましたが、宇賀神ループシュートは枠外。さらに54分左サイド高い位置からのボール奪取&ショートカウンターで柏木→興梠→武藤の絶好機がありましたが、シュートはバーの上。絶好機にも関わらず3選手とも体にいかにもキレがなく、この一連のプレーが浦和の満身創痍ぶりを象徴していたように思えました。

・しかも驚いたことにオリヴェイラ監督の放った最初の一手は62分柏木→柴戸。柏木の出来はさっぱりでしたが、最初に下げるのが強行出場3人組ではなかったことが何よりの驚き。しかもこの交代はあまり効果的ではなく、むしろ柴戸のミスで浦和が窮地に陥る場面すら見受けられました。

・一方効果的だったのは67分仙台の2枚替え。特にそれまで1トップとしてクソの役にも立たず、なんでリーグ戦でほとんど実績がなくいかにもJ1未満の実力しかなさげな選手をわざわざ決勝戦に出しいているのか謎過ぎたジャーメインを下げて阿部に代えたのが効いて仙台が立て続けに決定機を迎えました。

・71分右サイドに飛び出した平岡クロス→アーク付近にいた阿部のシュートは慎重すぎて緩く、しかも西川の正面。72分椎橋の浮き球パスに反応して裏抜けに成功した野津田のヘッドは枠外。どちらかが決まって延長戦に突入していれば仙台が疲労困憊の浦和をうっちゃる可能性はあったかと思いますが、ボールを支配していてもたいして決定機は作れず、なんとか作った決定機も決められないのが仙台の実力なのは今年リーグ戦2度の対戦でも実証済。

・渡邉監督は放った最後の勝負手は椎橋→矢島。しかしこの交代は大失敗で矢島は仕様通り15分も浮遊し続け、事実上浦和をアシストする始末。仙台はこの試合好位置でのFKを得る機会が多かったものの、野津田のキックは可能性のないものだらけ。せめてリャンを投入していれば一発があったかも、と傍目には思えてなりません。「大事な試合に使いたくなる何か」が矢島に備わっているのかもしれませんが、昨年浦和はそれで痛い目に遭いました(つД`)

・左WB中野が結構厄介で、対峙する橋岡が後半何度も振り切られそうになってしましたが、仙台は中野の個人技による崩しからの先がなく、浦和は中央で淡々と弾き返してやり過ごし、84分武藤に代えて李を投入したあたりから早々と時間稼ぎを敢行。仙台は高さがないのでパワープレーで事故を巻き起こすのもままならず、どこから沸いてきたのか5分もあったAT、最後はGKシュミットを上げようとしている最中にFKを蹴ってしまうマヌケさが炸裂して試合終了。

・そして浦和は2年ぶりにアジアの舞台へ。山道&堀体制の「負の遺産」としか言いようがないくらい選手構成が歪で、同時に世代交代という課題を抱えているため、浦和がACLとJリーグを並行して闘うのは例年以上に困難なものになりそうですが、中村GM&オリヴェイラ監督がなんとかしてくれると信じてシーズン開幕までワクテカな気分で過ごしたいもの。最後は勝って終わる。これが天皇杯ウイナーの特権ですし!!

・天皇杯にはMVPがないあたりが「宇賀神もってない」。準決勝の神クリア & 決勝の神ボレーでどう考えてもMVP級なんですが。

・なお前日練習ではマウリシオや武藤の状態が芳しくないのは一目瞭然。また宇賀神のゴラッソとして結実したセットプレーの練習をしているのも丸わかりだったそうですが、そんな情報が一切漏れてこなかったのはさすが。もっとも動画・写真を見る限り、大原は西南戦争直前の鹿児島私学校状態と化していて、そんなところでスパイ行為でも発覚したら「惨殺晒し首」は免れなかったでしょうけど(苦笑)

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---武藤--興梠---
---柏木--長澤---
宇賀神--青木---橋岡
-槙野--阿部--岩波-
-----西川-----

(得点)
13分 宇賀神

(交代)
62分 柏木→柴戸
84分 武藤→李
90+5分 興梠→ズラタン

003

-----ジャーメイン----
--石原---野津田--
中野-椎橋--奥埜-古林
-板倉--大岩--平岡-
-----シュミット-----

(交代)
67分 ジャーメイン→阿部
67分 古林→関
80分 椎橋→矢島

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