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2018.12.28

李忠成選手、横浜Mへ完全移籍

・昨日(12/27)李忠成選手の横浜Mへの完全移籍が公式発表されました。

・李の移籍に関しては12/21に横浜Mが李に正式オファーを出していることが明るみになり、12/26には横浜M獲得確実まで話が進んでいました。横浜Mは今年1トップを務めていたウーゴ・ヴィエイラが契約満了となり、しかもウーゴの代役だった伊藤翔が鹿島へ完全移籍する話まで出てきた(その後確定)ので、慌ててCFタイプの選手を探した結果、今年浦和で出番が激減していた李に白羽の矢が立ったものと目されます。もちろん浦和との契約が満了していた李にとっても悪い話ではありません。

・李は2014年に西川らと共に浦和へ完全移籍。李はFC東京→サウサンプトンを経由しての形でしたが、かつて広島でミシャスタイルを経験した「広島組」の一人。当然ながら主力としての活躍を期待されての加入だったと思われましたが、浦和でのミシャ式も既に3年目。前3人のうち興梠・原口は鉄板になっていたので、残る1枠を巡ってスタメンに入るかどうかという扱いで、リーグ戦わずか6点どまり。しかも興梠が故障した終盤戦に1トップに起用されたものの興梠の穴を痛感させられる事態となり、正直加入当初は期待外れだったと思います。

・ズラタンと武藤が加入した2015年はスタメンの出場機会が激減。武藤がいきなり鉄板のスタメンとなり、興梠不在時のスタメン、さらには途中投入の優先度でもズラタンの後塵を拝してしまいました。

・李にとって辛かったのはここまでの自身の出来もさることながら、2014年3月の「あの事件」の渦中の人物のような恰好になり、心無い非難も浴び、プレーの出来不出来とは何の関係もない心理的負担を背負う羽目になってしまったこと。李は過去移籍を繰り返してきた選手ですし、早々に浦和を去っても何の不思議はないと思われましたが、李は「贔屓の引き倒し」どころか「贔屓の引きずり倒し」に陥りかねない赤者との距離感の持ち方、そしてつきあい方を少しずつ会得していったようです。

・李が浦和在籍時で最も輝いたのは2016年「KLM」が猛威を振るった頃。浦和でのミシャスタイルも5年目を迎えて熟成に熟成を重ねて、ついに絶妙のコンビネーションが随所で爆発!! またいったんは逆転に成功したFCソウルとのACL/R16・第2戦、そして0-2からの大逆転劇を演じた第13節FC東京戦と、李の折れない心、決して諦めない強靭なメンタルをまざまざと見せつける試合も続いて、この辺りから李のファンも激増していったように思います。

・しかし、2017年加入のラファエルの使い道を巡ってミシャが模索を重ねる過程で李の立場はベンチスタートへと逆戻り。堀体制になると4-1-4-1では使い道がないせいか、ベンチ入りもなくなってしまいました。

・今年はコンスタントにベンチ入りしているものの、怪我でもないのにリーグ戦でのスタメン出場は最終節のみで、ほとんどが終盤の短時間のみの出場。終盤戦ナバウトが復帰すると途中投入の順位はナバウトが先でしたから、オリヴェイラ監督の李の評価も高いとは言い難かったようです。それでもKLM全盛期を髣髴させた第25節ホームC大阪戦のゴール、そして超久しぶりのスタメンとなった最終節の2ゴールと長くはない出場時間の中でしっかり足跡を残していたと思います。

・李は残念ながら今年限りで契約満了。最終節&天皇杯準決勝での活躍で浦和が李に再オファーを出すかも?と思いましたが、李自身が明言するように契約更新の話はでなかったようです。

・長期離脱中のファブリシオの復帰時期がよく判りませんが、浦和はズラタン&李が去ってもなお興梠・杉本・ファブリシオ・ナバウト・武藤と5人即戦力級のFWを抱えており、ACLを踏まえたターンオーバーを考えても頭数は十分。ズラタンに次いで高齢FWの(といっても33歳になったばかりですが)李との契約を見送ったのは否応なしに迫られる世代交代を考えればやむを得ない決断だったと思います。

・李は浦和に来て必ずしも良いばかりではないどころか、あの事件を含めて辛い時期のほうが長かったと思います。過去移籍を繰り返したせいか当初は懐疑的な赤者も多かったし、ベンチスタート扱いも長くていつ浦和に背を向けてもおかしくなかったでしょう。しかし李はめげませんでした。そしてその驚異的なメンタルの強さをプレーで赤者に見せてくれました。また契約終了を知りながら去り際も実に見事でした。いろいろとややこしいクラブの中で5年間誠にありがとうございました。

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