短編小説「走れシュータン」名場面集
移籍期間終了までにはまだ間がある。私を待っている人があるのだ。少しも疑わず静かに期待してくれている人があるのだ。私は信じられている。私の命なぞは問題ではない。死んでお詫び、などと気のいい事は言って居られぬ。私は信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ!シュータン。
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ああ浦和、浦和のために私は、いまこんなに走っているのだ。浦和を死なせてはならない。急げ、シュータン。おくれてはならぬ。愛と誠と金の力を、いまこそ知らせてやるがよい。風態なんかは、どうでもいい。シュータンは、いまは、ほとんど全裸体であった(*'▽')
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信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。WBの頭数も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い!立花新社長。
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シュータン、私を殴れ。同じくらい音高く私の頬を殴れ。私は正月三が日の間、たった一度だけ、ちらと君を疑った。生れて、はじめて君を疑った。君が私を殴ってくれなければ、私は君と抱擁できない。
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