【雑感】沖縄キャンプを終えての浦和2019年展望
・浦和は昨日延べ2週間強の沖縄キャンプを終えました。キャンプ最終日の沖縄SVとの練習試合、及びキャンプ終了後に公開されたオリヴェイラ監督の「トレーニングキャンプ総括」から垣間見える浦和の現状を自分なりに妄想込みで備忘録代わりにまとめておきます。
(1)体力強化に明け暮れた沖縄キャンプ
・1次キャンプはもちろんのこと、2次キャンプに入っても練習試合はキャンプ最終日の沖縄SVとの練習試合が1試合組まれただけ。紅白戦も11人vs11人は1試合あっただけのようで、今年の沖縄キャンプはほぼ体力強化に全日程を費やした模様。選手が飽きないように練習メニューも手を変え品を変えて連日2部練習。
・準備期間の長短に差があるので単純には比較しづらいのですが、ミシャや堀監督の時はキャンプ中に数多く練習試合が組まれていたのと好対照。さらに言えばフィンケやゼリコの時は有料のPSMが組まれていた(そして往々にして不安を掻き立てるだけに終わる)のが懐かしい思い出に。
・オリヴェイラが昨年浦和監督就任時に浦和の選手たちのあんまりな体力不足(=試合終盤に大失速)に愕然として、長い中断期間をひたすらフィジカル強化に充てたのをなぞったようなキャンプで「シーズンの途中で消耗してしまわないように、まずここでしっかり蓄えを作」ることに力点を置きまくったようです。
(2)3バック継続は確実
・沖縄キャンプでは体力強化に明け暮れてチームで戦術的な練習はしてないも同然。しかも今週末のXEROX杯まで練習試合は全く予定されていないので、シーズン序盤は昨年同様3バックベースで闘うのはほぼ確実です。
・キャンプ入り前のインタビューでもオリヴェイラ監督はシーズン中の4バック移行の可能性を残しつつも「継続性は持たせます。昨年行ってきたことがベースになります」と明言しており、実際沖縄SVとの練習試合も昨年終盤同様3-1-4-2の布陣だった模様。
(3)天皇杯優勝の代償=レギュラークラスに怪我人
・武藤は昨年終盤の湘南戦で小破したにも関わらず、天皇杯準決勝&決勝で無理使いしたのが思いのほか祟ってキャンプ中は完全に別メニュー。同じく天皇杯で骨折が判明した青木も依然練習試合に出られるような状態ではないようで、昨年のレギュラー陣ではこの両名がXEROX杯に間に合わないのは確実。
・このため沖縄SVとの練習試合、昨年のレギュラー陣主体で臨んだ1本目では武藤→杉本、青木→エヴェルトンという布陣だった模様。
・槙野はアジアカップ終了後も休みなく、いきなり沖縄キャンプに合流していましたが、ウズベキスタン戦でのちぎられぶりを見ると昨年ほとんど休みがなかった影響でコンディションが良くないように思えてなりません。XEROX杯では槙野に代えて鈴木がスタメンでもなんら不思議はないかと。
・長期離脱中のファブリシオはキャンプに帯同していたものの、同然ながら別メニュー。ACLグループリーグの終盤に間に合えば御の字かな?
(4)青木の代わりは?
・練習試合の様子を見る限り、武藤の代わりに杉本がシーズン序盤スタメンを確保するのはあまり心配なさそうですが、問題は青木の代わりのエヴェルトン。
・オリヴェイラ監督は「(エヴェルトンは)中盤であれば3つのポジションどこでも対応できると思います。」と語っていますが、どちらからといえばIH向きの選手というのが世評。蓋を開けてみればその世評通りアンカーとしてはイマイチということになると、あとは衰えが著しい阿部か、まだまだ経験不足な柴戸か・・・
(5)右WB問題
・今年難儀なのは、昨年ユース卒の新人なのに一躍右WBのレギュラーに定着した橋岡がU-20W杯で離脱するのが確実なこと(それに加えて五輪代表にも呼ばれると迷惑極まりないのですが・・・)。
・にも関わらず、オフに右WB/SBの即戦力を補強しなかったのが不可解で、大卒新人の岩武をよほど買っているのかな?と思ったのですが、オリヴェイラ監督は「山中が左、宇賀神が右というオプション」を考えていることが今般のインタビューから判明。言い換えれば右WBとしての森脇の評価はあまり高くないかも。
(6)コパアメリカの影響
・6月に開催されるコパアメリカに日本代表が招待されたものの、日程上リーグ戦&ACL・R-16が丸被り。従って槙野を筆頭に主力選手がA代表に招集されて、リーグ戦やACLに不在となる可能性がありますが、それについてオリヴェイラ監督は「私としてはより多くの選手が招集されたらと思っています。」「コパ・アメリカは非常に重要な試合ですので、槙野以外の選手が行くことも望んでいます。」とその可能性は織り込み済みなことを明言。
・もっとも「FIFAマッチデーで組んだ親善試合に行くことによって、こちらの重要な試合に出られないという状況とは違いますので、親善試合に行くのと、重要な試合に行くのとでは選手たちが得るものも違うと思います。」と、さすがにただの親善試合に呼ばれることは快く思っていないみたいですが。
(7)11月を見据えたチームづくり=最後に笑えばええんや!!
・オリヴェイラ監督は練習試合で故障するリスクをも加味して、キャンプで練習試合をほとんど組まなかった一方、「1年で70試合プレーできますので、90分の練習試合はやらなくてもいいと思っています」とこなさなければならない公式戦の多さを逆用して、公式戦を通じてチームを作り上げるようなことを示唆しています。もっともこれは昨年ある程度ベースがあるがゆえに出来ることでしょう。
・そしてオリヴェイラ監督は早めに仕上げてくるチームに対して序盤苦戦して勝ち点を落とすようなことがあっても、キャンプ&期中のトレーニングで鍛え上げた体力をベースに終盤まくりにまくって「ACL決勝&リーグ戦最終盤の11月に笑えばええ」と割り切っているのでしょう。
・もっともリーグ戦スロースタート気味なのは一向に構わないのですが、ACLグループリーグは5月までのわずか6試合での短期決戦。ここで終わってしまうお話になりません。オリヴェイラ監督もACLは初めてではないので、その辺の匙加減は承知の上と思いますが・・・
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