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2019.02.24

【観戦記】19年第1節:仙台 0-0 浦和 ~ 寒風が一層身に沁みたお寒い試合(双方とも)

・今年の開幕戦は仙台でのアウェーゲーム。一時は雪の可能性すら報じられましたが、日を追うごとに天気予報は好転して、試合当日は見事に晴れ。ただ気温が低くて風が冷たい上にメインスタンドはずっと日陰。おまけに双方ほとんど点が入る感じがせず、双方を通じて決定機らしい決定機は57分関口クロス→長沢ヘッドの一回こっきり。両監督ともスコアレスドローで満足しているかのような、興行的には実にお寒い試合でした。

・浦和のスタメンは試合前日にオリヴェイラ監督が公言した通り、ゼロックス杯のスタメンから橋岡に代えて山中を起用し、山中左WB、宇賀神右WBという布陣。一方仙台はオフに主力選手が大量流出し、おまけに試合直前に椎橋が故障したため、天皇杯決勝から引き続きスタメン起用されているメンバーは石原・大岩・平岡・シュミットの4人しかいないという惨状でした。

・浦和の出来はゼロックス杯よりはかなりマシでしたが、依然として攻撃時のコンビネーションに難があり、とうとう最後までGKシュミットを脅かすようなシュートは撃てず。一方仙台は選手の大幅な入れ替えが祟ってか、こちらも単調な攻撃に終始し、決定機らしい決定機は先述の1回と、せいぜい27分蜂須賀クロス→長沢ヘッド(わずかに枠外)くらいで、浦和よりは若干マシとはいえこちらもたいして攻め手なし。

・最近の仙台戦といえば、「仙台が支配しているがただそれだけで決定機は作れない」という試合展開になりがちでしたが、この試合はその真逆。浦和がボールを支配しているがただそれだけという展開になってしまいました。DAZNのスタッツだと浦和のボール試合率は62%。しかしシュートはたった6本。枠内シュートは13分エヴェルトンクロス→興梠力なくヘッドだけかな?

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・仙台は大幅にメンバーが代わった影響で難しいことができないのか、単に浦和の前からの圧力を交わしきれないためか、いつもとは芸風が変わって長沢やハモンロペスを目掛けてのロングボールがかなり多いように見受けられました(特に前半)。しかし、そこはマウリシオや槙野が難なく対応して相手のボールコントロールを許さず。仙台があまりにも簡単にボールを失うため、自然に浦和がボールを支配する展開になったと言ってもいいでしょう。

・ところが仙台の攻守の切り替えは実に速く、浦和は常に仙台の守備ブロックが整った状態での攻めを余儀なくされました。仙台は5-4-1というよりは5-2-3に近いような形で浦和3バックに圧力をかけるような高めの位置に守備ブロックを敷いていましたが、浦和はとうとう最後まで仙台の守備に穴を開けられずじまい。ゼロックス杯よりはマシとはいえ攻撃面での連携不足は著しく、緩急をつけられず同じようなテンポで相手の守備ブロックの前でぐるぐるボールを回すだけで試合を終えてしまいました。

・試合を通じて気になったのはサイドチェンジがほとんどないこと。岩波やマウリシオから直接高い位置にいるWBへボールを振る場面もなければ、右サイドに相手選手を集めて置いてから一気に左サイドへ振って山中に一対一を作られるような場面もなし。相手の守備ブロックを揺さぶるような仕掛けがあまり見受けられませんでした。

・興梠はガチガチにマークされているので、それを逆手にとって杉本がゴールに向かえばいいものを、杉本は良く言えばチームプレーに徹して頻繁に中盤に下がってボールを受け、守備にも奔走して90分を終えた印象が強く残りました。悪く言えば「全く怖くないFW」の典型。山中がクロスを上げてもその先に杉本はいない。杉本自身まだ遠慮があるのかもしれませんが、チーム内で杉本の活かし方を会得しきれないまま武藤復帰を迎えそうな気が。

・柏木も厳しいマークに遭って容易に前を向かせてもらえないので、代わって前に出る機会が多くなったのがエヴェルトン。59分のカウンターのチャンスで山中からの折り返しをボックス内で受ける好機がありましたが、シュートはバーの上。やはり高めの位置にいてナンボ、IHが本職と感じさせるプレーが随所に見られた反面、アンカーの位置で大きくボールを捌くようなプレーは見られず。また長沢の執拗なプレスバック(往々にしてただのラフプレーですが)に苦しめられる場面も。

・山中も杉本同様、使い方がよくわからないまま90分を終えた感じ。ボールが欲しいタイミングでボールが出てこない、クロスを上げた先には飛び込む枚数が少ない。前半終了間際の山中クロスなんて、山中にボールを出しているのが中盤に下がっている杉本だという惨状。しかも後半はほとんど消えてしまいました。

・橋岡に代わって右WBに回った宇賀神も良いところなし。山中と違ってもともと一対一で何かするタイプではないので致し方ありませんが、周囲との連携に難がある状態では全く活きませんでした。昨年秋に橋岡が完勝した関口に宇賀神は終始苦戦し、57分には関口の切り返しを食らって高精度のクロスを許す始末。うーん、これでは橋岡にスタメンを奪回されても仕方ないかも。

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・ボールは支配するもののこれといった決定機を作れないまま時間が徒過する中でオリヴェイラ監督が73分に放った一手はなんと長澤→マルティノス!! ゼロックス杯でオリヴェイラ監督はIHマルティノスに何がしか手応えを得たのでしょう。残念ながら長澤との交代ゆえマルティノスは右サイドに寄り勝ちで盟友山中との連携プレーは多くはなく、即効性はありませんでしたが、カウンターを食らいそうになった場面でマルティノスがいち早く自陣に駆け戻ってクリアする「改心劇」があり、今年のマルティノスは何かやってくれそうな気配ムンムンです。

・なにぶんシーズン序盤は連携不足で流れの中で点が入る気がしないのはオリヴェイラ監督も半ば容認していたでしょうから、セットプレー一発での局面打開を期待しましたが、これも完全に不発。GKシュミットは飛び出し判断に難があって珍プレー連発系のはずですが、そんなGKに楽々キャッチホンだらけというのにはがっかり。81分柏木FKからの流れで仙台のクリアボールをボックス内で興梠がフリーで拾う場面がありましたが、シュートはバーの上。

・浦和の攻撃に見るべきものはありませんでしたが、仙台も似たり寄ったり。ボールを保持しながらサイド高い位置からのクロスという昨年までの得意な形はほとんどできず、単調なロングボール攻撃に頼る場面が目立ちました。攻撃面が低調だった浦和も守備はほぼ破綻なく、易々とカウンターを食らう場面はほとんどありませんでした。唯一57分の場面だけは長沢をフリーにしてしまいましたが。

・また唯一得点の可能性があった長沢をなぜか78分に下げてしまう渡邉監督の迷采配。ジャーメインがJ1レベルにないのは天皇杯決勝で実証済みなのに。ハモンロペスはやたらミドルシュートを放っていましたが、いずれも枠外。それ以前にお疲れ気味のベテラン兵藤に代わって入るのがさらに高齢の梁だというのもなんだかなぁ・・・

・仙台は悪く言えば攻撃を犠牲にして守備を固めたような感じでしたが、それでも大幅にメンバーが入れ替わったにも関わらず守備だけはなんとか形に仕上げてきた渡邉監督の手腕は侮れません。ただ試合開始早々岩波を削るなど、伝統的にラフプレーが多いのはなんとかなりませんかねぇ・・・

・オリヴェイラ監督自身、一年間トータルでの闘いであることを重視してあえてスロースタートで入ったことを半ば公言している以上、リーグ開幕戦&アウェーゲームは勝ち点1でもなんら構わないと達観していると思います。川崎に比べて仙台の実力が格段に落ちる点は割り引く必要がありますが、この試合はゼロックス杯よりは出来が良かったのも確かで、この前進を次節ホーム開幕戦で勝ち点3に繋げてほしいものです。

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---興梠--杉本---
---柏木--長澤---
山中--エヴェル---宇賀神
-槙野--マウリシオ--岩波-
-----西川-----

(交代)
73分 長澤→マルティノス
83分 興梠→ナバウト

037

-----長沢-----
--石原---ハモンロペス--
関口-兵藤-富田-蜂須賀
-永戸--大岩--平岡-
-----シュミット-----

(交代)
65分 兵藤→梁
78分 長沢→ジャーメイン

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