« 鮭はらこめし@仙台・ウェルネス伯養軒 | トップページ | 【観戦記】18年第3節:浦和L 1-3 日テレ ~ 浦和再生へ向けて仄かな灯り »

2019.03.31

【観戦記】19年第5節:浦和 1-1 FC東京 ~ 4バック始めました(冷やし中華か!)

・心配された雨こそ降らなかったものの、典型的な花曇りの天気。陽射しが全く射さなかったせいか気温16.3度(=公式記録)もあったとは信じがたいほど寒く、長居に続いてやや厳しい環境下での試合観戦と相成りました。

・そして試合内容もシュート数9対7というスタッツに象徴されるようにスタジアムが沸き立つ場面は少なく、当然ながら共に決定機は僅少。あまりにも見せ場がないものだから、試合終了後のダイジェストでは87分山中のFKがバーを叩いた場面を何度もリプレイする始末(苦笑)。こういう試合を「双方実力が拮抗した締まった好ゲーム」と見る方もいらっしゃるかと思いますが、個人的には「双方手詰まり感が漂う塩試合」だと思いました。特に前半は。

・ただ後半頭からのマルティノス投入から試合の流れは僅かながらFC東京(以下「瓦斯」)優位に傾き、案の定75分マルティノスのミスが契機となって瓦斯が当初からの狙い通りにカウンターで先制。浦和はセットプレーを含めて全くと言っていいほど攻め手がありませんでしたから、前節C大阪戦以上に敗色が濃厚な試合でした。

・ところがC大阪戦に続いてまたしても山中投入が大当たり。さらになぜか瓦斯サポの執拗なブーイングを浴び続けた森脇が、埼スタでの超々々々久しぶりの勝利を目前に浮かれに浮かれていたであろう瓦斯サポを背後から袈裟懸けに切り倒すような「会心の一撃」を浴びせてなんとか勝ち点1をゲット。毎年毎年「浦和への勝ち点6配給マシン」でしかない瓦斯から勝ち点を取りこぼしたのは甚だ残念ですが、この日の試合内容からすれば勝ち点1は妥当な結果でしょう。

・ところが、意外にもオリヴェイラ監督は「レッズの、今季のベストゲームだったと思います。勝利を収めることはできませんでしたけど、相手にチャンスを与えることがなかったと思います。相手が私たちのゴールに迫る場面がほとんどなかった試合です。本日の試合は、ディフェンスが苦しい場面があまりなかったと感じています。」とこの試合を高評価。

・4-4-2の相手に対して従前の3-5-2ではどうにも上手く守備が嵌まらない場合が出てくる(北京国安戦で右SBワン・ガンを捕まえられずにボコボコにやられかかったのがその典型)。そこで相手に応じて4バックを採用して守備の安定を試み、その試みが上手く行った以上この試合はベストゲームだとのがオリヴェイラ監督の評価なのかも。

・さらにいえば「守備が安定してロースコアのまま終盤まで試合をもつれこませさえできれば、終盤の手駒の質の差で勝負を決することができる」とのオリヴェイラ監督のグランドデザイン通りに試合が進んでいたからこそ、この試合を高く評価しているのかもしれません。

・とはいえ「ほとんど点が入る気がしない」という症状は今年の開幕戦からほとんど改善しておらず、試合内容は塩また塩。オリヴェイラ監督に「塩は塩でも、今日のは伯方の塩だった!!」と力強く言われても、こちらとしては「はぁそうですか・・・」と力なく答えるしかありませんが、辛抱強く勝ち点を拾いながら試合を積み重ねてゆくうちにいつの間にか攻撃面も活性化するんでしょうなぁ、たぶん。

008_1
・故障で出遅れていた武藤&青木がついにスタメンに復帰したのも一つの契機となったのか、浦和は代表ウィーク明けのこの一戦から4-3-1-2の新フォーメーションを採用。守備時は柏木が下がって4-4-2となる判りやすいスタイルで前半はほぼ一方的に瓦斯を自陣深くに押し込み続けました。瓦斯はいつもほど2トップやSHが前からプレッシャーをかけてこなかったせいか、青木が最終ラインに落ちるようなこともなく、2バック状態でボールを回していたと思います。

・ただボールを支配していたからといって試合をコントロールしていたとまでは言えない、むしろ浦和がボールを持たされていたに近い状態だったかと。再三森脇を高い位置に押し出して右サイド奥深くまでボールを運ぶところまではスムーズですが、そこから先が恐ろしいほど何も起こらない。瓦斯の守備ブロックに阻まれてボックス内には全く侵入できず、森脇が思い出したようにクロスを入れたところで瓦斯の両CBに簡単に弾き返されてジ・エンド。攻撃は常に各駅停車で、ボールの出し先を指差し確認&発車オーライの連続。

・深い位置でのFKやCKも結構もらいましたが、これまた43分武藤CK→エヴェルトンヘッドが惜しかった程度。

・瓦斯も瓦斯でロングボールで2トップを走らせるだけの単調極まりない攻撃に終始。浦和もそんなミエミエの手でやられるほど弱くはなく、リスクをしっかり管理してバランスを崩さない。前半の瓦斯の見せ場は20分永井が単騎突破を図った場面くらい。

・ところがオリヴェイラ監督は後半頭から柏木に代えてマルティノスを投入。CKを武藤が蹴っていたので柏木に何かトラブルがあったことは現地でも想像が付きましたが、どうやら40分に東と交錯した際の打撲だったようで。とはいえ、この不意の交代で浦和の中盤の守備強度が落ちたためか前半よりはやや試合に動意が出てきました。

・とはいえ、瓦斯は49分東→室屋裏抜け→折り返しをボックス内から永井シュート(しかし仕様通りバーの上)。逆に浦和は53分に武藤ミドルがポストを直撃した見せ場があったくらいで双方依然決め手なし。そこで試合を大きく動かしたのが62分の久保投入。この試合、瓦斯が勝っていれば「マルティノスと久保の出来の差が勝敗を分けた」と評されて然るべきでしょう。

・ピッチにコロコロ転がり、審判に無意味な文句をいい、ボールを失っても全然取返しに行かない等々かつての悪癖こそ影を潜めたものの、さして効果的ではないどころかパスミスで悪目立ちしていたマルティノスがとうとう75分左サイドから仕掛けて崩せずに瓦斯のカウンターを発動させる契機に。跳ね返りが運悪く久保に渡ってしまい、久保は単騎ドリブル突進。

・青木やマルティノスにファウルで久保を潰す機会があったのですが、「子供相手に大人げない」と心にふと魔が差したのかそのまま久保に自由にやらせてしまったのが大失策。浦和守備陣が「人が足りている中でもファウルで止めるところは止めた方がいいのか」と試合後に語り合うのは道理。あとは東もフリーならD・オリヴェイラもフリーという目も当てられない状態で失点。ずっとカウンターを狙い続けていた瓦斯がその思惑通りの形で数少ない好機を活かした。勝っていれば瓦斯の今季ベストゲームだったでしょうなぁ、勝っていれば。

・オリヴェイラ監督が終盤に山中&杉本投入で固いゲームを勝ちに行くのは算段通りだったでしょうが、ビハインドになってしまったのは大誤算。投入直後の山中FKが激しくバーを叩いて真下にボールが落下し(当然ゴールはなし)、スタジアムは大いにざわめいたものの、浦和の猛攻がGK林をびびらせることはないままAT突入。家路につく方々も目立ち始めた時間帯にドラマは待っていました。

・試合終了直前のまさにラストプレー、右サイド深い位置でのスローインから武藤→エヴェルトン→山中と右から左へ大きく振って瓦斯の守備ブロックをずらし、山中ゴロパス→逆サイドから森脇突っ込んできて仕上げという見事な崩し!! 2003年以来の瓦斯の埼スタでの勝利という夢(笑)を打ち砕く劇的なゴールでした。

・オリヴェイラ監督が手ごたえを感じた新システムの真価が発揮されるのは、相手がボールを支配してくるであろう次節横浜M戦でしょう。ひと叩きしてからの浦和の変わり身に期待します。

001_8

---興梠--武藤---
-----柏木-----
-エヴェル--青木--長澤-
宇賀神-槙野-マウリシオ-森脇
-----西川-----

(得点)
90+4分 森脇

(交代)
HT 柏木→マルティノス(マルが左SH、エヴェルトンがトップ下へ)
82分 青木→杉本(4-3-3気味に)
82分 宇賀神→山中

・武藤&青木がスタメン復帰した他、前節C大阪戦ではベンチ外だったマウリシオもスタメンに復帰したので、杉本・岩波がベンチスタートになり、橋岡はベンチ外。

・橋岡はAFC・U-23選手権@タイからの遠征帰りであることも考慮されたかもしれません(久保@瓦斯がベンチスタートなのも同じ理由)が、この試合のような展開なら森脇の攻撃力が輝くだけに、代表でちょろちょろ抜けているうちにチーム内での序列が落ちてしまう可能性は無きにしも非ず。ただ橋岡がいないと西川がゴールキックを蹴るターゲットがいないというのもまた一目瞭然なわけで・・・

・左SHに回ったエヴェルトンはやはり良いところがなく、むしろ瓦斯のボールの奪いどころとして狙われていた感も。後半柏木に代わって入ったトップ下が一番やり易そうに見えましたが、そうなると柏木との併用が難しい柏木の下位互換的な選手という補強としては甚だ寂しい結果に。

・オリヴェイラ監督の魔改造が奏功したせいか、武藤復帰後もナバウトを抜いてベンチ入りを確保したマルティノスですが、やはり45分使うのは無理があったというか、依然として山中とセットで使用しないと所期機能を発揮しないというか・・・マルティノスの取説は未だに山中しか持っておらず、山中はなぜコピーしてチームメイトに配らないのか不思議でなりません。

・マルティノス投入失敗を受けて柴戸の順位がまたちょっと上がったかも。

018

---永井--ディエゴ--
東---------大森
---高萩--橋本---
小川-森重--チャン--室屋
-----林------

(得点)
75分 D・オリヴェイラ

(交代)
62分 永井→久保

・瓦斯は守備は堅いがただそれだけで、大崩れもないがタイトルもないという、いつもの瓦斯らしい順位で終わりそうな試合内容。夏にはいなくなるのがほぼ確実な選手をキーマンにしていると、また下半期大失速なんやろうな、というのが今日の瓦斯の感想でした。

・交代枠を二つも余して、最後の最後で勝利を逃したことで長谷川監督は盛大に叩かれるでしょうが、ラストプレーまで瓦斯の守備は全く破綻してないから選手を代えるほうが難しいだろうなぁ、たぶん。

|

« 鮭はらこめし@仙台・ウェルネス伯養軒 | トップページ | 【観戦記】18年第3節:浦和L 1-3 日テレ ~ 浦和再生へ向けて仄かな灯り »