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2019.04.21

【観戦記】19年第8節:浦和 1-0 神戸 ~ 塩試合のマエストロにも程があるだろう!!

イニエスタがうっかり「翔んで埼玉」を見てしまってすっかり怖気づいてしまったのか、あるいは神戸フロントが「だいたいたった3000円かそこらでイニエスタを見ようという料簡が間違っとるんや!桁が違うだろ、桁が!! 埼玉県人にはその辺のウェリントンでも出しておけ!!」と思ったせいかどうか判りませんが、イニエスタは昨年に続いて埼スタでの浦和戦を欠場。

・またイニエスタまさかの欠場に加え、神戸は昨年9月から指揮を執っているリージョ監督を4/17に突如更迭して吉田監督を再登板させたばかり。それゆえオリヴェイラ監督は相手の出方が読みづらく、対策も立て辛かったとは思います。

・しかし、蓋を開けてみれば神戸の出方は目先の勝ち点欲しさに奇策に打って出るどころか、リージョ監督が積み上げてきたものからさほど逸脱していませんでした。従って浦和の事前準備のアテが外れたという話にはならないはずですが、試合内容はまたまた塩の山。塩試合だらけの今季の中でも最大級の塩試合でしょう、これは。

・10分に興梠がもぎ取ったPKを自ら決めて今季の浦和としては珍しく早い時間帯に先制。「おっ!今日の浦和は違うぞ!!」とほんのちょっぴり期待したのですが、そこからが辛かった。前半の戦局は一進一退で良いとは言い難いものの悪くもないと評価できるでしょうが、後半は防戦一方。シュート数計5本で、後半はわずか1本というスタッツがこの試合の塩っぷりを如実に物語っています。

・さすがにここまで塩試合が続くと選手のコメントも湿りがちで、次のシーズン序盤で最もタフなゲームになるであろう全北現代とのアウェーゲームへ向けて意気上がる感じは選手達からは全く伺えません。アウェーで勝たないとグループステージ首位通過は絶望的になり、負ければ2位通過すら怪しくなる一戦で、とにかく点を取らないといけない。今の浦和にとって甚だ困難なタスクをどうやって遂行するのでしょうか?

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・なんだかんだと勝っているから、あるいは次戦全北戦での入れ替えを想定してか、浦和の神戸戦のスタメンは前節G大阪戦と全く同じ。サブに鈴木→岩波の入替が見られただけ。神戸はイニエスタ→小川、初瀬→三原と2名入れ替え。後者は監督交代の色が濃く出たものと目されます。

・また神戸の布陣は4-2-3-1。但しポドルスキが前半はしょっちゅうボランチの位置まで下がってくる「大久保現象」を早々と引き起こしていて、早くも吉田監督前途多難なご様子。そんな神戸に対して浦和は5-4-1の守備ブロックを高めの位置に敷いて対抗。ただ相手へのプレッシャーがほとんどかからず、ただ守備ブロックで相手の攻撃を引っかけるだけになりがちだったのはオリヴェイラ監督も嘆く通り。特にSB西をフリーにさせ過ぎで、これが嫌なのでオリヴェイラ監督が4バックを模索しだしたはずなのに。

・浦和の攻撃は立ち上がりこそ悪くなく、4分山中アーリークロス→興梠シュートという形を作っています。ただ試合が動いたのは神戸の自爆。8分三原からのバックパスを受けようとした大崎がなぜか転倒。すかさず主のいないボールを拾った興梠がカバーに来たダンクレーのファウルを誘うような形で切り返して見事PKゲット。PKも助走フェイントでGKのタイミングをずらしてきっちり決めてくれました。

・その後の戦況は一進一退というか、あまり動かないもの同士の塩試合。

・神戸はしっかりボールを繋いでピッチを面的に支配する志向が強いものの、その中でポドルスキが深い位置からワイドにボールを散らしてサイド深くボールを運んでからウェリントンへクロス、あるいは深い位置から直接ウェリントンへハイボールと俗称「ウェリボール」を織り交ぜてくるので厄介なことは厄介ですが、なんだかんだと浦和最終ラインが粘り強く対応して「ウェリボール」の形からは決定機は許さず。

・一番危なかったのは39分エヴェルトンがポドルスキに引き倒されたところ(セルフジャッジで浦和の足が止まる!)から食らったショートカウンターで小川に際どいシュートを撃たれた場面かな?一方浦和の見せ場は37分CKのこぼれ玉を拾った武藤の枠内シュートがGKキム・スンギュに阻まれた場面だけ。なんで浦和戦に限ってスンギュ使うんや・・・

・この試合のある意味「良かった探し」と言えるのは前節G大阪戦に続いて山中のクロスをシンプルに使う場面が前半数多く見られたこと。ただクロスを上げた先に飛び込む頭数が少なく、おまけにカウンターチャンスを含めて「残念、そこはダンクレー」で終わってしまう場面が目立ちました。神戸はどちらかといえば左サイドが弱いのに、浦和は神戸の右サイドばかり攻めているチグハグな感じも多々。武藤&橋岡&森脇によるサイド攻撃はボールを持てこそすれクロスは全く入らなかったような。

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・良いとは言い難いものの悪くもなかった前半とは一変して後半は見るも無残。立ち上がりから神戸の攻勢の前に自陣深く押し込まれ、ロクにカウンターチャンスも作れず。前半「大久保現象」を起していたポドルスキが前に張り付くようになり、後方で捌けるサンペールとの相互補完が確立=「トモニイコウ」状態に。そして53分にはウェリントンのポストを活かしてポドルスキに中央突破を許し、こぼれ玉を古橋に撃たれる大ピンチが発生。さらにそれで得たCKからの流れで大崎にボックス内どフリーでシュートを撃たれてしまいました(シュートはバーの上)。

・57分エヴェルトンが小破して長澤と交代。さらにほぼ同時に橋岡も傷んで宇賀神と交代。橋岡の痛がり様はハンパなく、激痛をこらえながらしばらくピッチを彷徨い続け(なかなかゲームが切れずに外へ出られず)、案の定すぐに×印が出て交代させられましたが、エヴェルトンまで故障していたとはピッチを去るまで正直気づきませんでした。

・長澤はともかく宇賀神はこの時間帯での投入を全く予期していなかった(オリヴェイラ監督自身も!)ようで、いかにも守るので精一杯。試合に入れずに数少ない攻撃の機会をパスミスで寸断する始末。

・ただ浦和は防戦一方とはいえ、神戸にアホほど決定機を与えまくっていたわけでもないというのがこの試合の評価の難しいところ。65分に西ロングボール→ウェリントンヘッドで落とす→古橋が際どいシュートを放った場面がありましたが、終わってみればこれが神戸の攻勢の終末点。

・吉田監督が71分ポドルスキに代えて田中を投入し、しかも布陣をはっきりとした4-4-2に変更したのはどう見ても失着でしょう。高い位置に出てきて浦和守備陣に脅威を与えていたポドルスキを下げてくれたので、浦和は波状攻撃を浴びる可能性、まさかの一発を食らう可能性がぐっと低くなり、神戸の攻勢をドン引き守備ブロックで耐え忍ぶだけで良くなりました。

・一方オリヴェイラ監督が70分に柏木に代えてマルティノスを入れたのも失着。山中がうっかり取説をハーフタイムにトイレに流してしまったのか、マルティノスはまるで昨年の惨状に戻ったような残念なプレーぶりでコネコネした挙句にボールを失うわ、コケてやたら痛がるわと散々。しかも僅差で勝ってる試合で山中とマルが「黒ひげ爆弾ゲーム」の剣の刺し合いを演じる始末!!両者とも何本剣持ってんねん・・・持参金代わりに横浜Mから持って来たんか・・・

・塩試合で勝ったとはいえ故障者をいっぺんに2名も出してしまった一戦。特に橋岡は長期離脱の恐れすら感じさせる痛がり様でしたが、全北現代戦ではエヴェルトン&橋岡に代わって起用される選手が監督の期待を上回る出来を見せて、この閉塞感を一気に打破してほしいものです。

004_12
---興梠--武藤---
---柏木--エヴェル---
山中---青木---橋岡
-槙野--マウリシオ--森脇-
-----西川-----

(得点)
10分 興梠 慎三

(交代)
57分 エヴェルトン→長澤(故障による交代)
57分 橋岡→宇賀神(故障による交代)
71分 柏木→マルティノス

002_17
-----ウエリントン----
古橋---ポドルスキ--小川
--サンポール--山口---
三原-大崎--ダンクレー-西
-----スンギュ-----

(交代)
71分 ポドルスキ→田中(はっきりした4-4-2へ)
76分 小川→増山
81分 三原→初瀬

※イニエスタに加え、ビジャも故障欠場。

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