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2019.04.25

【TV観戦記】ACL2019・GS第4節:全北 2-1 浦和 ~ 前回対戦に続いて点差以上の完敗。攻め手の無さが致命的。

・AFCのスタッツによると、シュート数22対7と完敗。但し全北のシュートは相当ブロックされていて枠内シュートは4本しかなく、浦和(3)と大差がありません。このスタッツから「全北は決定機の数でこそ浦和を大きく上回っていたけれども、肝心なところで精度を欠いた」と評することができます。その点は前回対戦も同じ。浦和のデュエル勝率が低い(44.8%→44.3%)のも前回同様。

・しかし今回の対戦でCFに起用された長身9番(キム・シヌク)の存在が圧倒的だったせいか、空中戦勝率がガタ落ち(50.0%→41.9%)しており、これが前回以上に力の差を感じさせる主因だったかもしれません。いずれにせよ、極端に得点力が低い今の浦和が手強い相手に早い時間帯に失点してしまうとその失点をひっくり返すだけの力はなく、ましてや追加点まで取られてしまうとそこで事実上試合終了。正直興梠のゴールで試合の興味を終盤まで繋ぐのが精一杯だったと思います。

・塩試合の連続であっても結果が付いている限りは特に不満も出ないでしょうが、結果も出ないとなると実に惨めなもの。それでも否応なしに中3~4日で試合は途切れることなくやってきます。オリヴェイラ監督はせめてフレッシュな選手を活用し、「同じような面子で同じように負ける」愚だけは避けてほしいものです。

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・浦和のスタメンは神戸戦で負傷交代を余儀なくされた橋岡に加え柏木も小破したのか、鈴木&長澤と神戸戦から2名入れ替えて森脇を右CBから右WBへ転用。鈴木はこれが浦和移籍後初スタメンで、前回全北戦で失態だらけだった岩波と鈴木の優先順位がついに逆転した模様。なお同じく神戸戦で負傷交代したエヴェルトンは大過なくスタメンに。

・全北のスタメンではCFに大ベテランのイ・ドングクではなく、長身のキム・シヌクを起用したのが目を惹きました。布陣は前回同様4番(シン・ヒョンミン)アンカーの4-3-3ないし4-1-4-1。

・浦和の立ち上がりは上々で、6分に全北CKからのカウンターで長澤縦パス→右サイドから武藤クロス→中央でエヴェルトンスルー→フリーで興梠の決定機を得ましたが、興梠のシュートは惜しくも枠外。

・逆に12分森脇が無理に縦パスを通そうとしてカットされ、しかもその後の競り合いにも負けてボールロスト→ロペスがそのままカットイン&自らズドンで全北先制。前回対戦時にもロペスには随分やられながらもロペスが決定機を外しまくって事なきを得ましたが、今回は最初の決定機を決められてしまいました。そして終わってみればこの最初の決定機を巡る明暗がそのまま試合を決定づける格好に。

・早い時間帯に先制された浦和は前半良いところなし。前述のように今回も浦和の球際の弱さが顕著。守備ブロックを敷いて守ろうにも、相手を囲い込んでもなかなかボールを奪えないので自然守備ブロックが下がりがちに。そこでキム・シヌクにロングボールを放り込まれて簡単に叩かれ、セカンドボールを拾われて波状攻撃を許して大苦戦。

・15分にはイム・ヨンソン(5番)に中央突破を許し、32分にはキム・ジンスのロングフィード→キム・シヌク頭で叩く→ホン・ジョンホシュート(青木が辛うじてブロック)、36分にもキム・シヌクへのロングボールを契機に中央突破と危ない形を立て続けに許してしまいました。

・浦和の攻撃はいつも通りに低調。右サイドでボールを繋いで前進し、大きく山中に振ってなんとか活路を見出そうとするもほとんどシュートには至らず。逆にカウンターを食らって疲弊するだけに終わる場面も(34分)。縦ポン一発でで武藤や興梠を絶望的に数的不利な状況で敵陣に走らせるだけの「バンザイ突撃」としか思えない攻撃とはいったい何なのか???

・柏木不在なのでFKやCKは山中ないし武藤が蹴っていましたが、これも決定機を作れないどころかこれまた相手にカウンターを許してしまうお粗末さ(26分)。全北のCKは42分キム・ジンス→キム・ミンヒョクに決定機(西川がセーブ)。

・驚いたことに槙野にアクシデントがあった模様で、オリヴェイラ監督は後半頭から岩波を投入(鈴木が左CBへ)。試合後槙野は体調不良だったことが判明し、怪我ではなくて一安心しましたが、コンディションの良くない選手を無理使いした挙句、交代枠を無駄遣いする羽目になるというのも悲しい話。キム・シヌクへのロングボール攻撃に手も足も出なかったのは槙野のコンディション不良が一因かも。

・最終ラインがコロコロ変わるのが災いしたか、48分浦和右サイドからロペスがクロス→キム・シヌクに鈴木が付き切れずに失点。全北の最も得意な形で失点してしまいました。この失点ももとは右サイドから反撃に転じようとして森脇縦パス→武藤→森脇と折り返そうとしたところでボールを失ったところから。言うなれば最初の失点と同じく自陣深い位置でのミスからカウンターを食らったもの。鈴木の背後にはどフリーで全北の選手がいたので鈴木のキム・シヌクへの対応が遅れたのは致し方ないのかどうか。そしてこの場面で山中は何処へ???

・2点ビハインドになって浦和はリスク覚悟で最終ラインを目一杯上げざるを得なくなり、逆に全北が引き気味になったせいか、浦和のボールが幾分前に進むようになり、58分森脇のクロスが興梠に通り、今後は興梠がきっちり決めて浦和ついに反撃開始。単純極まりない攻撃ですが、これが決まったのはホン・ジョンホ(26番)の間抜けすぎるクリアミスがあってこそ。

・全北の運動量も落ちて徐々に試合はオープンな展開となり浦和の攻撃は手数こそ増えたが、なんだかんだと決定機は最後まで作れませんでした。63分武藤に代えてナバウトを投入したものの、ナバウトはまたしても誰とも噛み合わずに全力で空回りするという「ナバウトあるある」な展開になってしまい、無理目のシュートを連発するだけに。

・また山中のクロスは結局一つもシュートに結びつかず。現状山中がクロスを入れようにもターゲットの頭数もいなければ高さもないのに、オリヴェイラ監督が杉本を全然使わおうとしないのはかなり不可解。81分には山中のクロスが簡単に弾き返えされてロングカウンターの契機になってしまいましたが、ここは岩波が1対2の局面を何とか防戦して面目躍如。

・82分興梠が疲弊して汰木を投入せざるを得なくなった時点で、ただでさえ薄い浦和の勝ち目は完全に潰えてしまいました。とはいえ、絶望的な戦況でも86分ボックス内でDF2人をあっさり交わしてクロスとしっかりと一回は見せ場を作ってユルキストが狂喜乱舞(たぶん)。

・全北戦連敗を受けてグループステージはアウェーブリーラム戦&ホーム北京国安戦を連勝する道しかほぼ目がなくなってしまいましたが、依然自力突破の目が残されているのも確かな話。そこで長期離脱中のファブリシオがブリーラム戦に間に合えば心強いのですが・・・もともとこの辺での復帰を念頭にファブリシオを選手登録したのでしょうし。なんと言ってもACLは徳俵に足がかかってからが勝負です。

---興梠--武藤---
---長澤--エヴェル---
山中---青木---森脇
-槙野--マウリシオ--鈴木-
-----西川-----

(得点)
12分 ロペス
48分 キム・シヌク
58分 興梠

(交代)
HT 槙野→岩波(体調不良による交代。鈴木が左CB、岩波が右CBへ)
63分 武藤→ナバウト
82分 興梠→汰木

・予想外の柏木欠場という、ひょんなことから「柏木&エヴェルトンの併用を止める」形が実現しましたが、この試合を見る限り柏木不在は全く気にならず。もっともチームが低レベルで均衡しているがゆえという極めて寂しい意味での「問題のなさ」。少なくともミシャ時代のように、肝心なところで決定的な縦パスを出せる選手がいないという意味での「柏木不在」を痛感することはなさげ。むしろ長澤やエヴェルトンのようにある程度自分でボールを前に運べる選手のほうがマシなのではという印象も。

・全北は森脇と小競り合い、いざこざを起して退場に追い込む狙いがあった臭いなぁ・・・ 特に終盤ロペスが倒れた演技は鹿島級でした。

・92番とやたら背番号がでかいCBキム・ミンヒョクは昨年まで鳥栖在籍で、かつて金崎に顔を踏まれた選手。でも浦和の選手とは全然接点がないのか、話をしている場面は見当たらず。

・「ポルトガルはぁ」「韓国はぁ」と何の根拠があるのか判らない、いかにも古くて胡散臭そうな一般論を熱心に展開する解説都並とは何なのか? 

 

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