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2019.05.14

【観戦記】19年第11節:名古屋 2-0 浦和 ~ 疲労困憊で手も足も出ない惨敗・・・

「さあ眠りなさい 疲れ切った体を投げ出して 青いそのまぶたを 唇でそっとふさぎましょう」 そんな歌が相応しい、もうどうしようもない、何一つ良いところのない惨敗でした。浦和はブリーラム遠征から中4日。酷暑の敵地で勝ち点3をもぎ取った代償か、選手の心身に対するダメージは予想以上に甚大で動けない上に頭も回らないようでイージーなパスミス続出。攻守とも全く褒めるところがない、凄まじい敗戦でした。

・今年の浦和の負け試合はとにかく悲惨。早い時間帯に先制されると、あとは反撃らしい反撃も出来ずにただただ試合終了の笛を待つのみ。シュート数15対4、チーム走行距離113.6km対108.5km、スプリント回数186回対149回等々、浦和の惨状を如実に物語るスタッツがずらずら。コンディション面で差がありすぎて、戦前から苦戦必至、ドロー御の字と思ってはいましたが、現実はその儚い夢を粉々に打ち砕きました。

・名古屋に6割以上ボールを支配されたのはともかく、浦和はとにかく良い形でボールが奪えずに無理目なタックルを試みた挙句、ファウルでしか相手を止められない場面が目立ち、3枚もイエローカードを頂戴。また名古屋に15本撃たれたシュートもボックス内から枠内に撃たれたものが多かった一方、浦和はボックス内にすら侵入できず、枠内シュートは終盤の興梠の力ないコロコロシュート1本のみ。

・オリヴェイラ監督は相手の手口を研究して対応策を練り、相手の良いところを消してナンボ。端的に言えば「リアクション型」であり、「相手は関係ねぇ」とばかりにひたすら自分の型に拘るミシャとは正反対のアプローチなので、今回のように長距離遠征帰りで時間的にっも体力的にもまともな練習ができないとなると、こういう結果になってしまうのも致し方ないのかもしれません。試合後の会見でCB中谷に「そもそもレッズさんの攻撃の形が見えなくて、そこに助けられた感じがあります。」とバカにされてしまうのも道理。

・「勝てばよかろう!」と言わんばかりの正直クソつまらないサッカーで、それでも勝っているうちは「試合内容は面白いのに肝心な試合でさっぱり勝てなかったミシャ」へのアンチテーゼとして高く評価できるのですが、勝てないとなるとホント惨め。もうシラケ鳥が東の空へ飛んで行くレベル。いやはや、これは辛い。

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・試合前々日の監督会見によれば主力選手で練習メニューをフルでこなしているのは武藤だけ。メニューの一部しかこなせないどころかインドアで回復に専念している選手すらいるという惨状とのこと。一方名古屋はルヴァン杯から中3日なものの、ルヴァン杯では主力全員をスタメンから外す余裕のこきっぷりで、コンディション面では圧倒的に名古屋有利。

・それゆえ浦和はスタメンを大幅に入れ替えて名古屋戦に臨むものと予想しましたが、なんとスタメンの入替は長澤に代えて故障明けの柏木の一名のみ!! これにはさすがに仰天しました。スタッフがどんな超回復メニューを用意したのか判りませんが、まともに練習できていたのが武藤だけという話はなんだったのか???

・そして結果を見ると、このスタメンはさすがに無理があったようです。あっと一歩足が出ない、パスがぶれる、そして判断に迷う。心身とも疲労困憊なことを伺わせる場面が頻出。しかも早めに先制点を許し、得意の「塩漬け」に失敗して多少なりとも進んで動かざるを得ない展開になり、しかもそれが往々にして名古屋のパス回しの後追いになってさらに疲労が増すという悪循環に陥ったように見受けられました。

・ただベンチ入りメンバーを見ると、スタメンを入れ替えようにも入れ替えられなかった感じもします。具体的にはブリーラム戦でベンチ外だったマウリシオに加え、柴戸やナバウトといったスタメン出場経験のある普段のベンチメンバーがなぜかこの試合はベンチ外。さすがに荻原や汰木を頭から使うのは博打に過ぎるでしょうし、杉本に至ってはそもそも起用されるだけの信頼を得られていないようですし。

・また故障明けの柏木すら全然フレッシュに見えなかったのが不思議でなりません(エヴェルトンがゲームメーカー的に機能しだしたので柏木が居場所を失ったような気も)が、後半途中から投入された長澤もらしくないボールロストを連発していたところを見ると、柏木の起用自体は責められないでしょう。期待をはるかに下回る出来だったのは見ての通りですが。

・ゆえにせいぜい山中に代えて宇賀神を起用しなかったのが不可解(柏木が戻って来たのでプレースキッカーとして山中を置く意味もない)といえるくらいで、名古屋戦を「捨て試合」と割り切るくらいの蛮勇がないと大幅なスタメン入れ替えは難しかったかもしれません。

・一方名古屋は前節から前田→シャビエル、和泉→マテウスと2名入れ替えて外国人選手が5人居並ぶ壮観な構え(長谷川アーリアジャスールもいるのでぱっと見は外国人選手6人!)。

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・浦和は守備時はいつもの5-4-1ではなく、かなりはっきりした5-3-2の構え。パス回しの上手い名古屋に対して後ろにやたら人数を割いても効果は薄く、2トップで前からボールの出し手(特に2CH)に圧力をかける狙いがあったと思われますが、どうもあまり効果はなかったようで時間の経過と共に浦和の疲労感、判断の遅れが目立ち始め、名古屋にいいようにボールを回されてしまう悪い流れになってしまいました。

・17分の失点場面はマテウスの強烈なミドルシュートを食らったもの。シュートは西川の正面でしたが、相当軌道が変化しているのか西川は弾き切れず。それはともかくシュートを撃たれるまでの過程でシャビエルに自由に縦パスを入れさせるわ、長谷川に最前線で楽にキープさせるわ、ジョーも楽々ポストプレーだわと、もう西川を責める以前に浦和の守備のあり方を根本から問いたくなるような場面だらけ。ボールを奪いどころが定まらずに3ボランチが散歩してたら、そりゃ「かいしんのいちげき」も食らうわなぁ・・・

・浦和はカウンター主体に反撃を試みるも試合開始早々に縦パスで武藤が右サイドを駆け抜ける見せ場があっただけで、その後は攻撃の形すら作れず、試合は完全に名古屋ペースに。浦和は反撃しようにも縦パスを受けた興梠が徹底的に封じられてどうにもならず。興梠がいつもの出来ならCB丸山とか中谷とか良いカモのはずですが・・・

・41分の失点は自陣右サイドからのスローインから。バイタルエリアでシャビエルに自由を与えるとはなぁ・・・シャビエルがファーの宮原へ展開→宮原が山中に競り勝って、こぼれ玉をジョー!という名古屋の計画通りのようなやられ方でした。ジョーに付いていたはずの槙野がなぜかこけているのは序盤に小破したのが響いたのかも。まさに弱り目に祟り目。

・オリヴェイラ監督は59分にエヴェルトン→長澤、武藤→荻原と早めに動き、かつ守備時5-4-1に切り替えたものの、浦和の選手達で唯一体が軽そうな荻原が2回ボックス内突入の見せ場を作ったくらい。75分にはとうとう不振の柏木を諦めて汰木を入れるも汰木は見せ場を作れないどころか、ビハインドなのに歩いている場面ばかりが目立ってなんだかなぁ・・・結局浦和の反撃らしい反撃は84分荻原の浮玉のパスがボックス内で興梠に通った場面だけ。しかもシュートは力なくコロコロ。

・一方名古屋は57分に長谷川→前田とこちらも早めに動き、前田は前田なりに浦和左サイドを混乱に陥れていましたが、シュートなりラストパスなりに精度を欠いて案外決定機は作れず、結局西川を脅かしたのは69分の前田カットインからの一発だけかな?

・ただ30度近くまで気温が上がった中、あまりにも不甲斐ない相手に後半の名古屋は適当に流していたようにも見えましたし、そもそも瀕死の浦和相手に終盤俊足の相馬を投入してとどめを刺しに行かなかったのは風間監督なりの「武士の情け」だったのかもしれません(自嘲)。

・何一つ得るところがない試合内容でとうとうリーグ戦は連敗。「何でもいいからとにかく勝つ!」ことがレゾンデートルであり、免罪符であるオリヴェイラ監督にとって続く湘南戦、そして北京国安戦はそれこそ絶対に負けられない一戦となったような気がします。特に北京国安戦で敗れ、グループステージ敗退が決まってしまうとこのチームは一気に瓦解してしまうかもしれません。際どいところです。

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---興梠--武藤---
---柏木--エヴェル---
山中---青木---森脇
-槙野--岩波--鈴木-
-----西川-----

(交代)
59分 武藤→荻原
59分 エヴェルトン→長澤
75分 柏木→汰木

033
---ジョー--長谷川--
マテウス-------シャビエル
---シミッチ--米本---
吉田-丸山--中谷-宮原
-----ランゲラック----

(得点)
17分 マテウス
41分 ジョー

(交代)
57分 長谷川→前田
63分 マテウス→和泉
90分 シャビエル→小林

 

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