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2019.05.18

【観戦記】19年第12節:浦和 2-3 湘南 ~ ターンオーバー、大誤審、そして大逆転負け

・中3日で今シーズン序盤最大の山場=北京国安戦を迎えるとあってオリヴェイラ監督は極端なターンオーバー、すなわち前節名古屋戦から西川・鈴木・岩波・柏木を除く7名を入れ替えるという大胆な手を放ちました。そしてこの奇策(?)は予想以上の効果があり、序盤で2点リードしたところまでは万々歳でした。

・ところが、あらゆる意味で試合を大きく左右したのが30分過ぎの「世紀の大誤審」。杉岡のシュートがポストを叩いた後にゴールマウスに吸い込まれてサイドネットをゆらしたはずなのになぜ湘南のゴールが認められなかったのか不思議でなりませんが、とにかくゴールが認められていないことに気づいた浦和の選手達ははカウンターを発動。しかし、どこかしら後ろめたい気持ちがあったのかもしれないナバウトがこの絶好機を決められないどころか、GK秋元に間合いを詰められた挙句に交錯して負傷。

・浦和の守備はナバウトが前から追い掛け回すことで辛うじて成り立っていた側面が強いため、ナバウトが早々と負傷交代を余儀なくされたことはオリヴェイラ監督にとって大誤算だったでしょう。そして後半に入ると浦和の運動量が次第に落ちて「前ハメ」が効かなくなり、守備ブロックを作って耐えるだけの展開に。

・しかし、大誤審を受けて怒り心頭に発し、大魔神と化したキジェが繰り出す妙手に対して、レギュラー陣をことごとくベンチ外にしたため手駒に限りがある浦和はやることなすこと全て後手に回ってしまい、結局予定調和というか実力の差をそのまま反映したかのような形で大逆転負け。大幅に駒を落として臨んだチームが大善戦したけれども、最後はうっちゃり負けで元来の実力差通りの結果にってルヴァン杯や天皇杯でありがちな光景ですが(苦笑)。

・これでリーグ戦はとうとう3連敗で順位も暫定10位に後退。おまけにホームゲームで立て続けにラストプレーで痛恨の失点を喫しての敗戦とあっては心がボキボキに折れてしまう方が続出するのもやむを得ないでしょう。

・しかし、塩の山を築いた挙句凡ミスで負けるとか(磐田戦)、味噌味噌ならぬクソ味噌の救いようがない試合内容で負ける試合(名古屋戦)を見た後のせいか、湘南戦はサッカーらしいサッカーをして負けたんだからはるかにマシ、これは仕方がないと個人的には妙に納得していたりします。もっとも世間一般ではこういうのを「負け慣れ」というでしょうけど、久々に長い出場時間を得た選手達に少なからぬ見せ場があり、「良かった探し」のし甲斐がある試合だっとと思います。この屈辱的な敗戦を次の北京国安戦、そしてまだ20試合以上も残っているリーグ戦に活かせればそれで良いかと。

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・それにしても久しぶりに山田うどん名物「パンチ定食」並にパンチの効いたスタメンでした。オリヴェイラ監督からすれば名古屋戦の結果如何に関係なく北京国安戦を前にした予定通りのスタメン編成だったのかもしれませんが、オリヴェイラ監督は普段故障でもない限りせいぜい1~2名程度の入替しかしないだけに、この大胆なターンオーバーには心底驚きました。

・昨年最終節も天皇杯で必勝を期すべく大幅なスタメン入れ替えを敢行していますが、あれはもうリーグ戦に目標がなくなっていたからこそ。今回はまだリーグ戦を捨てるには早すぎる時期なだけに、この大胆なターンオーバーを予想できた方はいなかった模様。前日の記者会でわざわざマウリシオの復帰やファブリシオの状態に触れ、さらに岩武のスタメン抜擢予想記事まで書かせて三味線を弾きまくるオリヴェイラ監督(笑) いやはやその芸の細かさには恐れ入りました。

・なんなんだろうなぁ、このメンバーを見た時の高揚感、ワクワク感は。今年は変わり映えのしない面子で、変わり映えのしないしょっぱい試合を見続けているだけに、メンバーが大幅に変わっただけで妙に心がウキウキしてきます。たとえその後「なあおまえ、サッカーちゅうのはそんなに甘いもんやおまへんや、もっとまじめにやれ!」という神の声通りの結果になろうとも。

・そしてこの暴挙に近いターンオーバーはある程度成功したといっていいでしょう。浦和はとにかく動ける選手をかき集めて運動量が極めて多い湘南に対抗した感じで、特に守備面でその成果が表れました。守備時は基本5-3-2ですが前から暴走機関車ナバウトを筆頭に狭い守備陣形内で激しくプレッシャーをかけ、さらに湘南が入れてくる楔のパスに対して守備陣各位が積極的に前で潰しまくって湘南の攻撃を寸断。

・一方攻撃は湘南の激しい前プレを受けてまともなビルドアップなんてまるで望めないので、シンプルな裏狙いとかショートカウンターくらいしか可能性が感じられませんでしたが、ここで意外に効いたのがマルティノスの俊足。「なんとかと鋏は使いよう」という諺通り、敵陣にスペースがふんだんにある時のマルティノスは結構頼もしいもの(もっともその頼もしさは相手に囲まれた時のシオシオっぷりで完全に相殺されますが)。

・22分の先制点は長い距離を走って右サイドのスペースに顔を出したマルティノスへ宇賀神が縦パスを入れたところから。右サイドで粘ったマルティノスが柴戸へ戻し、柴戸縦パス→ボックス内で長澤反転してCB大野を振り切ってシュートという見事なかたち!!

・先制点を取ってしまうとますますマルティノスの俊足が生き、25分には長澤&マルティノスが中川からボールを奪ってのショートカウンターが発動し、マルティノスからのスルーパス→ナバウトで追加点。これは浦和の狙い通りでしょう。28分には湘南の攻撃を凌いだ後のロングカウンターで長澤→マルティノスががらがらの中盤を疾走→左サイドから荻原クロス→ナバウトにわずかに合わずという決定機も。

・ところが、この決定機逸の後に飛び出したのが件の大誤審。浦和の「前ハメ」というか「一人一殺」的な守備は入れ替わられる危険を常に秘めており、31分の杉岡の幻のゴールはそもそも岩波が梅崎を潰せずに前を向かれた時点でアウト。こうなると浦和の守備は芋づる式に崩れてしまい、フリーの梅崎が中へ走りこんだフリーの杉岡へ楽々パスという情けない状況を作られてしまいます。AT+3分にも柴戸が松田を潰せなかったのを機に梅崎に際どいシュートを撃たれてヒヤリ。

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・浦和がナバウト故障という形で不運な交代カードを切る羽目になったのに対し、絶大な威力を発揮したのが湘南の後半頭からの大野→菊地の交代。湘南は当初岡本が右WBでスタメンの予定でしたがどうもアップ中に故障した模様で、急遽山根が右WBに回ったものの、山根が荻原の切れ味鋭いドリブルの前に大苦戦。ところが菊地を右WBに入れて山根をCBに下げたことでこのサイドの戦局が一変しました。

・そして47分には早くも菊地が大仕事。浦和が湘南の波状攻撃を凌いでなんとか反撃に出ようとしたところを長澤がボールロスト。反撃に出ようとしたためか柏木と柴戸が上がって最終ラインとの間がぽっかり空いてしまい、そのスペースに顔を出した菊地が豪快ミドル一閃!!

・浦和は前半少々飛ばし過ぎたこともあり、またナバウトに代わって投入されたファブリシオには守備面で多くを望めないことも相まって「前ハメ」というか「一人一殺」が効かなくなり、単に守備ブロックを作って耐えるだけに。また湘南が後半から4-1-4-1、ないし4-3-3気味に布陣を変え、浦和の3-3-2-2との噛み合わせが悪くなり、かつ浦和が修正できないまま時間が経過した気すらしました。

・浦和も時折カウンターで反撃を試みるも肝心なところでパス精度が悪くてシュートに至らなかったり、湘南の帰陣を許したりと決定機をほとんど作れず。柏木は前半ATに右サイドからクロス→ファーに鈴木突入!!というミシャっぽい決定機を演出しながらもそれが最後の輝きで、後半はほぼブレーキ状態。一番レギュラーに近い選手がプレーで他の選手を他を引っ張れないとは・・・(トホホ)

・またこの試合のベンチメンバーを見るとたら守りに実績がある選手が一人もいないので、「勝っている時の選手交代が難しいだろうな」と思っていたら案の定。それにしても76分に投入された直輝はどんな指示を受けて投入されたのか?これほど攻守両面でクソの役にも立たない選手交代も珍しく、これならヘロヘロのマルティノスを続投させたほうがまだマシだったと思われるレベル。

・79分の失点は荻原の消耗&クソの役にも立たない山田投入で浦和左サイドの守備が無いも同然になっていたために発生した必然的なもの。あんなに簡単に縦パスを入れられたら野田に付いている鈴木もしんどかろうに。そしてボックス内にいる山根には誰が付くのか全く判然としないまま。もう守備ブロックも何にもない。

・同点に追いつかれた浦和は汰木を投入するも汰木の輝きはもうすっかり昔話となり果て、ファブリシオのミドルに一縷の望みを託すだけ。しかもファブリシオもまだ強いミドルシュートは撃てない模様で精度はそこそこ高いものの力ないシュートだらけ。

・そして皮肉なことに決勝点はそのファブリシオの枠内シュートがGK秋元にキャッチされてからのカウンター。最後の最後で積んでいる燃料の質的・量的差が出たのか、あるいは単に浦和の集中が切れていたのか、スカスカの中盤でボールを受けた山根に誰もついてゆけず、山根のシュートは阿部に当たって微妙にコースが変わる不運も手伝ってラストプレーで大逆転負け。

・大誤審を乗り越えて湘南大逆転勝利!!というクソ安いドラマの悪役・敵役には浦和はお似合いなんだろうなぁ・・・それはともかく、結局のところ選手を入れ替えても攻守とも監督の意図を踏まえて選手が動きまくった湘南と、選手個々人はそこそこの能力を持っているが単に選手を並べているだけに過ぎない浦和との実力差が最後に出ただけに過ぎない気も少々。

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--マルティノス--ナバウト---
--長澤----柏木--
荻原---柴戸--宇賀神
-鈴木--阿部--岩波-
-----西川-----

(得点)
22分 長澤
25分 ナバウト

(交代)
40分 ナバウト→ファブリシオ(負傷による交代)
76分 マルティノス→山田
86分 長澤→汰木

・オリヴェイラ監督がナバウトに代わって故障明けのファブリシオを投入したのは正直びっくり!! もともと守備に多くを期待できないのに、コンディションもまだ100%には程遠いことを本人も認める状態でファブリシオは60分以上使うとは!! 北京国安戦へ向けて試運転させるべく投入の機会を探っていたのでしょうが、それにしてもこの交代は無理がありました。

・そしてこんなスタメン、こんなベンチメンバーなのに出場機会がなかった杉本はどんだけ監督の信頼がないのか・・・ これでは杉本は夏にはレンタルされても不思議ありません。都倉が長期離脱したばかりのC大阪が特に・・・

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-----山崎-----
--梅崎----中川--
杉岡-秋野--松田-山根
-大野--フレイレ---坂-
-----秋元-----

(得点)
47分 菊地
79分 菊地
90+4分 山根

(交代)
HT 大野→菊地
63分 秋野→野田
74分 中川→古林

・武富が契約上出場不可。レギュラーの齋藤と準レギュラーの鈴木がU-20代表で不在。そのため武富→中川、齋藤→松田、そして杉岡が左WBに回るところまでは想定内。

・湘南ってカウンター食らった時にあんなにイエロー覚悟のファウル連発するチームだったっけ? キジェの下で昇降格を繰り返しているうちに「きれいごとだけじゃ勝てない」というのが身に沁みた結果なんでしょうけどなぁ、たぶん。

 

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