【TV短感】フランス女子W杯決勝T1回戦:日本 1-2 オランダ
・前半はオランダの厳しいプレッシング&球際の強さに圧倒されて日本はビルドアップもままならず、オランダは優勢な時間帯のうちにCKで先制。しかし、日本が数少ない決定機を活かして前半のうちに追いつけたのが大きく、オランダの運動量が落ちた終盤は日本が立て続けに決定機を掴み勝利目前と思われたが、AT突入直前に熊谷がエリア内ハンドでPKを取られて突き放され、そのまま試合終了。
・決めるべき時に決めないとこうなる、というサッカーにありがちな試合展開で、オランダに決定的に崩された場面は少なく、選手達は負けた気がしないかもしれませんが終わってみれば負けている。そんな試合でした。かつては劣勢の試合を凌ぎに凌ぎ、わずかなチャンスを活かして紙一重の差で勝つような試合展開で勝ち進んできた日本が、逆に紙一重の差で負けるようになったとも言え、そういう意味では日本の緩やかな衰退を象徴する試合だったのかもしれません。
・熊谷のハンドは新規則で言えば「手や腕を用いて意図的にボールに触れ」たわけではないけれども、「手や腕を用いて競技者の体を不自然に大きくした。」に該当するのかな? まああれだけ腕を広げていれば取られても仕方がないハンドだと思います。ベテランCBにしてはいささか迂闊。PKもGK山下が先に動いてしまってどうにもならず。
・また先制点を取られた場面もいかにも迂闊。オランダCKで、高さに勝る相手のハイボールばかりを警戒していたためかもしれませんが、低いボールをどフリーのマルチンスにニアで合わされるってなんじゃそれ??
・ただ前述のように前半オランダは前から厳しくプレッシングをかけ、かつ球際で勝ちまくって日本のビルドアップを寸断しまくっていたのに、そこからの攻撃が非常に稚拙。立ち上がりに清水の裏を突く形で左サイドのクロスから2回決定機を作り、「こりゃいけるで!!」と手ごたえを掴んだのが却って仇となったか、先制後は清水の裏へやたら縦ポンを蹴るだけの単調な攻撃に堕してしまってポゼッション優位を全く活かせず。
・日本は前半ビルドアップにこそ苦しんだものの、前線にボールが繋がればオランダDF陣は日本の速いパス回しに付いて来れないことが徐々に明らかになり、20分長谷川→菅澤の決定機はポストに嫌われたものの、43分杉田→菅澤ポスト→岩渕スルーパス→長谷川で同点。
・オランダのしょぼい攻撃にも慣れ、かつオランダの運動量が落ちた終盤。高倉監督が珍しく効果的な選手交代(中島→椛木)を見せたことも相まって71分長谷川、76分岩渕、79分杉田、80分椛木と立て続けに決定機。ところがバーに嫌われ、オランダGKの好守もあって得点ならず。
・PKを取られた場面は、そもそもオランダが久しぶりに地上戦を仕掛け、鮫島が右WG21番のスピードにわずかに後れを取ったのが契機。日本も相手の出方の変化について来れなかったといっていいのかも。突き放されて残り5分になって、熊谷を前に上げてのパワープレー=なぜか日本のストロングポイントではないところで勝負をかけるとは(苦笑)。
・結局2位でグループステージを突破したものの、4試合やって1勝1分2敗。しかもその1勝(vsスコットランド)は清水のエリア内ハンドを主審が見逃す&VARもなぜか発動しないという幸運に恵まれたもの。強引に世代交代を進めている過程なので、今大会の結果にはそもそもたいして重きを置いていないのかもしれませんが、イングランド&オランダと欧州トップレベルに連敗した事実をJFAはどう捉えるのかな?
・オランダ戦に関して言えば敗因は決定力不足に尽きるのかもしれませんが、リーグ3年連続得点王の田中美南を選ばなかったツケがこんなところで噴出したとも言え、そもそも監督の選手選考に問題があるような気がしてなりません。
---岩渕--菅澤---
長谷川-------中島
---杉田--三浦---
鮫島-市瀬--熊谷-清水
-----山下-----
(得点)
17分 MARTENS
43分 長谷川
90分 MARTENS(PK)
(交代)
72分 中島→椛木
90+1分 岩渕→宝田
| 固定リンク